『 〈森・黒沢のワークショップで学ぶ〉解決志向ブリーフセラピー
』
(森俊夫/黒沢幸子, ほんの森出版, 2002, 1800円)
第3回
しょうこりもなく、今日も本の内容の続きです。
ブリーフセラピーのいろんな技法が出てきます。
そろそろ今回で終わりにしたいですね。(^。^;)
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〇「 例外
」を発見してもらう:
問題の起こっていないところに気づいたり、
気づかない間に少しずつよくなっていることに気づいてもらう。
☆ 解決に向けて有効なものは「 質問
」
・「ほらほら、あるじゃないですか」と例外を指摘するよりも、
たとえば、「あれっ、ということは? 流れはどうなんでしょう?」
とつぶやくように言う など。
<すでにある「解決」のかけらを掘り下げる>
・例外、つまり解決の一部が発見されたら、
「なぜでしょうね?」「どうしてでしょうね?」
「なんでその日は行けたのでしょうね?」
と しつこく聞く
。
「その前の晩はどんなふうだったんですか?」などと、
根掘り葉掘り、まさに宝探しをしていくわけです。
・うまくいっていることや、例外の原因は、しつこいくらいに聞いていく。
〇 スケーリング・クエスチョン
:
初心者でも使えて、非常に効果があります。
・「一番いいときの状態を10点として、
最悪の状態を0点としたときに、今、何点ですか?」
=「自分はそんなに悪い状態ではないんだ」と確認するために有効
・数字にこだわるのではなく、「2点だとすると、その2点分は何?」
のように、「差」にこだわる。
・「 差異に気づく 」ということが大事。
・もし1点分よくなったとしたら、その1点分は何?
「どこがどういうふうに違っているのかな?」
・小さく、0.5点刻みでもよい。
〇「 治療前変化 」を見つける。
・「治療前変化というものがある」という前提に立って、
「どうですか? 予約の電話をいただいてから今日まで、
何か変化がありましたか?」と質問してあげる。
・変化は絶えず起こっており、そして必然なのです。
そして、小さな変化は大きな変化を生み出します。
〇 コーピング・クエスチョン
( サバイバル・クエスチョン
)
・「そんな大変な状況の中で、
よく今日まで投げ出さずにやってこられましたね。
いったいどうやって生き延びてこられたのか教えていただけますか?」
↓
・ できていることを明確にしていきます。
(できていることはきちんと評価していきます。)
・大変な状況にいる人にこそコンプリメントが必要。
コンプリメント自体が強力な介入になる。
〇 ブリッジ
(橋渡し) :
解決にむけて起こさせたい行動までの橋をかける
(解決しがたい「問題」から、「問題」を切り離す)
・ 「私には受験ストレスと君の下痢腹痛というやつが
直接関係しているとはどうしても思えないんだよ。
だって、下痢腹痛があるのは午前中だけでしょ。
君に受験ストレスがかかっているのは午前中だけかい?
午後と夜は、君は受験ストレスから解放されているのかい?」
・その説明が正しいかどうかよりも、
クライエントが腑に落ちるか落ちないかが大事。
(ある意味すごくクリエイティブな作業。
ていうか、ある意味詐欺?(^^;)
コールドリーディングの勉強をするといいかも。)
〇 観察課題 (プラスの観察課題、「例外さがし」の宿題)
〇 Do More 課題
・クライエント自信が意欲的に変わろうとしている時に
・ 「それはとてもいい。なぜならそれは心理学的に言うと××だから」
などと言って励まし、勇気付け、 「もう一度やってみましょう」と説く。
・こちらがいいと思っている行動というより、
クライエントがいいと思っている行動
・ クライエントの枠組みを優先することが大事
〇 予想課題
・例えば、家族で毎晩翌日の予想をする。(ゲーム的に)
・不登校の場合でも、ゲーム感覚で学校の話ができるようになる。
・時々あるようなことを予想する。
(状況を楽しむということが大事だと思います。
楽しめない、おもしろくない状況のときこそ、ゲーム的に考えるという
やわらかな発想は必要になります。
あまりマジメすぎるとドツボにはまって抜け出せません。)
・ 親が、いかに「義務」や「期待・夢」という色めがねで
子どもを見ているかに気づかされる
・星取表をつけてみると、「 現実はそれほど悪くない 」ことに気づく。
(なんかこういう歌がありましたね。
♪「あなたが~思うほど~悪くない~」(^^;))
・未来時間オプションがいくつも持てるようになる。
予想課題をやることで、
「〇になる可能性もある。
△になるかもしれない。×かもしれない。
どれになるのかな」
という少なくとも3つの未来時間イメージのオプションができます。
(これ、けっこう大事です。
似たようなことに、選択肢がいくつも思い浮かぶか、というものもあります。
私はこれを「ドラクエのコマンドウインドウが出てくるかどうか」と呼んでいます。)
〇 プリテンド・ミラクル・ハプンド
(奇跡が起こったかのようにふるまう)
・ミラクル・クエスチョンに対してかなり詳細な答えが引き出せているときに
・解決像が見えた段階で、あとは何をすればいいのか、
本当はクライエントは全部知っている。
(これ、本当にできたら楽しいでしょうね。
僕も明日から、奇跡が起こったようにふるまいたいです。
明日から、とか言っている時点で無理なんでしょうね。
イメージ化ができたことについて実行を促す場合には有効なんでしょう。)
〇 Do something different!
・相手の中にリソースがあることを信じて、
コツコツと質問を積み重ねて解決像を引き出していく。
・いろいろやったら、また戻ろう。
<ゴール・メンテナンス>
・「どうなればよろしかったんでしたっけ?」
もう一度、 ゴールの確認
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今何か困っていることがあって、
これを読むことでピピピとひらめくものがあったなら、
ぜひ試してみてください。
ちなみに私が日常的に思いつくのは「Do something different」ぐらいです。
「なんか変わったことをする」だけの人生。
人生万歳。
さて、関連書も紹介しておきます。
『先生のためのやさしいブリーフセラピー』
(
森俊夫
、ほんのもり出版、2000年、1600円)
ずっと前にブログで紹介しました。
この機会に過去ログも読んでみてね。(^_^)
http://plaza.rakuten.co.jp/kyouikuuseful/diary/200611170000/
もう1冊、こんなのもあります。 こちらは未読。
森先生のだから、読もうかな~。(・_・)
「その分野の達人」に教えてもらおう! … 2024.03.30
「毎日そのことを考えるだけ」 ~ゆうき… 2024.01.03
業務を「外注する」という発想 ~山本智… 2023.12.16
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