以前読んだ本のからみで、フランクルの『夜と霧 新版』を読みました。
『 夜と霧 新版
』
(ヴィクトル・エミール・フランクル
著、池田香代子 訳、
みすず書房、2002、1500円)
他の本の中でちょっと紹介されているのを読むのと、その本1冊をまるごと読むのは、やはりちがいますね。
特にこの本は、強制収容所の体験記なので、重みが違います。
極限状態で愛する人を思い浮かべるあたり、
涙なしでは読めません。![]()
いろいろと圧倒されることが多かったですが、
今後のために、主として本の後半部分化から、
少々引用して、残しておきたいと思います。
===============================
フランクル『夜と霧 新版』![]()
(・以降の 太字
部分が、本の内容。
顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)
・人は強制収容所に人間をぶちこんで
すべてを奪うことができるが、
たったひとつ、
あたえられた環境でいかにふるまうかという、
人間としての最後の自由だけは奪えない。
・過酷きわまる外的条件が 人間の内面的成長をうながすことがある
・そこが強制収容所であってもなお、
なんとか未来に、未来の目的に ふたたび目を向けさせることに意を用い、
精神的に励ますことが 有力な手立てとなる。
・わたしは語るのだ。
講演のテーマは、なんと、強制収容所の心理学。
今わたしをこれほど苦しめうちひしいでいるすべては客観化され、
学問という一段高いところから観察され、描写される・・・・・・
このトリックのおかげで、わたしはこの状況に、
現在とその苦しみにどこか超然としていられ、
それらをまるでもう過去のもののように見なすことができ、
わたしをわたしの苦しみともども、
わたし自身がおこなう興味深い心理学研究の対象とすることができた。
・「 なぜ生きるかを知っている者は、
どのように生きることにも耐える
」(ニーチェ)
・わたしたちが過去の充実した生活のなか、
豊かな経験のなかで実現し、
心の宝物としていることは、
なにも だれも 奪えない。
・わたしのひとりの仲間は、
自分が苦しみ、死ぬなら、
代わりに愛する人間には
苦しみに満ちた死をまぬがれさせてほしい、と願った。
この男にとって、
苦しむことも死ぬことも意味のないものではなく、
犠牲としてのこよなく深い意味に満たされていた。
・人間とはなにものか。
人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。
人間とは、ガス室を発明した存在だ。
しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする
存在でもあるのだ。
=============================
強制収容所でなくなられた多くの方のご冥福をお祈りします。
健康のために、水を飲め! ~『これで安… 2023.03.26
病気をするたびに一皮むけて、世界が広が… 2023.01.03
国語教科書「たずねびと」の原爆について… 2021.09.21
PR
Category
Keyword Search
Free Space
Calendar
Comments