障害児が描いた絵本『にわとりさんはネ…』/福井達雨/止揚学園園生
かなりあいてしまいましたが、 前回
の続き。
いわゆる「障害」というものについての、周りの理解を得るための教材について書きます。
今年の4月に新しい学校に異動しましたが、こちらの図書室でかなりの掘り出し物をみつけました。
冒頭に示した絵本『 にわとりさんはネ・・・
』。
おおっ、なんと、福井達雨さんじゃないですか。
しかも、絵本の内容は、止揚学園の子どもたちが考えたもの。
止揚学園で飼っているニワトリさんについてのお話です。
これを見つけたときは、感動しました。
さっそく、今週の支援学級の合同朝の会で読み聞かせに使いました。
6年生の子が「いいお話だった」と言ってくれたのがうれしかったです。
通常学級の子にも、読み聞かせしたいなあ。
実際、「理解教育」の題材として、使えると思うんです。
古い本ですがまだ新刊として買えるようですので、みなさん、読んでみてください。(^^)
内容のクライマックスは、見開きに書かれたこんな言葉。
「たまごをよくうむにわとりは、
たまごをうめなくなったにわとりのぶんまで、
いっしょにたまごをうんでいるんだ。
だから、ノンコを どこにもやらないで。」
学校や社会は、ともすれば「できる/できない」の能力主義的なものさしだけで人を見てしまいます。
「できる」から、えらい。「できない」から、だめだ。
「できない」なら、いなくて、いい。そんな人、いらない。
そこに、ひょっこり、違う価値観が顔を出した。
「みんな、どう思う?」と 子どもたちにきいてみたくなる本です。
「卵を産めないニワトリ」をどう捉えるか。
「ニワトリなんだから、卵を産めないと、ダメでしょう」と、大半の人が考えるところに、この発想。
こういう絵本は、ほんとに、貴重。
ニワトリから、人間の社会について考えられる、本当にいい教材だと思います。
もちろん、絵本として読み聞かせするだけでも、大人が読む分にも、いいと思いますよ。
止揚学園や福井達雨さんについては語りだすと長くなるので、それはまた別の機会に。
次回は、僕が通常学級の3年生に紹介した、「いろんな物差しがあっていい」というメッセージの込められた歌を紹介します。
それでは、また。
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