Lake Moraine ~Book Cafe~

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2007.10.16
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【リトル・ミス・サンシャイン】



ちぐはぐな家族が娘のミスコン参加にむけておんぼろバスでの珍道中の中、家族の絆を取り戻すハートウォームなちと説教くさい物語と勝手に思い込んでましたが少しちがいました。
さんざん大笑い大笑いさせてくれる良作でした。

物語は美少女コンテストでの優勝を夢見る少女オリーブの母が、自殺未遂した兄を迎えに
行き自殺を繰り返さないよう自宅に連れてくるところから始まります。
出迎えたのは、ニーチェに傾倒しパイロットになろうと願をかけ話すことを封じたオリーブの兄、ヘロイン中毒でワイ談三昧の祖父、自己啓発プログラムの本の出版で勝ち組にのろうと躍起になっている父親と、どうにも変な人たちばかり。

当初は伯父が家に来た経緯を深く語らずにすませようと食卓を囲んでいますが、オリーブが子供らしい好奇心で真相を求めていきます。曰く「手首の傷どうしたの」「手首に傷を負うってどんな事故?」と、両親は諌めますが 当の伯父は淡々と経緯を語ります。

教え子のボーイフレンドに振られやけになって大学での職を失い、さらにその恋敵が学問での(本来は自分が受けてしかるべきと信じていた)賞を受賞したのに絶望して自殺を図ったと

おかしいのがこの伯父さん。
初登場時の病院では鬱病そのものといった鬱屈した表情をしているのが、情けない身の上話を語っていく経緯でどんどん生気をとりもどしていきます。

「なさけないホモ野郎」となじる祖父や「負け組の人間の話は聞かなくていい」と一刀両断にする父親への対応も飄々としていて 家族間での噛みあわない会話のなかに ちぐはぐな家庭の問題を看破しています。そしてそれに筆談で同意を示す兄

 当初は辛辣な言葉の応酬なのですが、登場人物それぞれが(ヘロイン中毒や、勝ち組勝ち組と躍起になっても多分失敗するだろう等) 変な部分をもっているのが示されているので観ていていやな気分にならないのが脚本の妙です。

 そして登場人物全員しっかり見せ場があっって、心に残る台詞も一杯あります。
 言葉のそれぞれが妙に説教じみて聞こえないのは少女ミス・コンへと向かう道中での本当にさりげない家族への思いやりあふれる振る舞いがスパイスとなっているからでしょう。

ことは最後まで一向に好転しないのですが、からからと笑ったりほろりとするなかで
オリーブの家族たち同様 笑顔のハッピーエンド気分でendクレジットを迎えます。








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最終更新日  2007.10.17 04:06:07
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