** 長島便り **

2004/06/04
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テーマ: 海外生活(7808)
カテゴリ: カテゴリ未分類
先日インターネットでニュースを見ていたら

8年ぶりに釈放され自宅に戻ったという記事を見ました。

ロバート・キムという人を私は全然知らなかったんですけど
この人は現在64歳。韓国で生まれ育って軍隊にも行ったそうです。
アメリカの大学院に留学して、その後NASAに就職。
1973年にアメリカの市民権を得て、1978年からは
米海軍情報局に勤務。大変優秀な情報分析官だったそうで
幾度も昇進をしていたそうです。


駐米韓国大使館の海軍武官に米国の“国家機密”を漏らした
という容疑でした。その情報とは主に北朝鮮関連の高級情報
だったそうです。

記事には、このキムさんという人は愛国心から
米国の法を犯してまで母国(韓国)への忠誠を見せたのに
韓国政府は一切キムさんを助けようとはしなかった
という書き方をしています。

それに対してこのキムさんは「韓国政府は助けたくなかった
のではなく助けられなかったのだ」と言ってます。
彼は米国市民権を得る際に星条旗に忠誠を誓い
「アメリカ人」になったのですから韓国政府の対応は


このロバート・キム事件のニュースを読んで
「国籍」の事をちょっと考えました。

私は結婚をするとき、これからアメリカでずっと暮らす
ということを、あんまり深く考えずにこちらに
来てしまったのですが、よく考えてみたら(いや、

移民1世になるわけです。
でもって、私の子供は移民2世になるわけです。

こちらで学生をしたり、仕事をしたりしていたので
「アメリカに住む」という事に慣れてしまっていて
そんな大した事に思っていなかったのですが、
やはり「移民」となるとつくづく「祖国にっぽん」が
自分の中に強く感じられるのです。

親がもっと年を取ったらどうしようとか、
親戚が近くにいないから子供と従兄弟達をなかなか
会わせられなくて可哀相だなとか、国民年金は本当に
ちゃんとこっちでも受け取れるんだろうかとか。。。
自分の子供はいづれ金髪青い目の恋人を家につれてきて
結婚したいなんて言い出すんじゃなかろうかとか
そんなヘンテコな心配も沢山出てくるんです。
(自分も日本人じゃない相手と結婚したくせに)

そうすると何故か必要以上に自分が「日本人でいること」に
執着心が出てきてしまって、頭が柔軟じゃなくなって
しまう時があったりします。私ははっきり言って
「国際人」には程遠い資質なのです。。。やれやれ。

例えば、韓国人の私の夫は「いづれアメリカ市民権を取る」
と言っています。これを初めて聞いた時、私は不覚にも
大ショックでしばらく言葉が返せませんでした。
「なんでなんで?私もアメリカ国籍にならなきゃだめかね?」
と聞いたと思うのですがその答えは「NO」でした。
ほっ、良かった~!

どこの国でもそうですが、外国人には税金は搾取されても
選挙権が無かったりと、色々な規制や不便が多いのです。
夫は移民としてこちらで家族を養っていくにあたって
考えた末の結論が「市民権の獲得」だそうです。

「それでも僕が韓国人であることは絶対に変わらないしね~」と
夫は笑って言ってます。確かにあの顔は誰がどう間違えても
アングロサクソンには見えないしな。。。

アメリカ国籍になるといっても所詮は書面上だけの
ことだと割り切って考えているようです。
その上で、日本国と書かれた真っ赤なパスポートに
異常なまでの執着心を持っている私には
日本国籍のままでいてもよいと言ってくれているのです。
悪いね、夫。どうもありがとう。

前述のロバート・キムさんこと 本名キムチェゴン氏も、
国家機密を漏らしたことには全く感心できませんが、
彼もアメリカで家族を養うために、アメリカ人と同等の権利を
得られるよう、アメリカ国籍を選んだのかもしれません、
心は韓国人のままで。

服役を終えて帰宅した日は、妻のチャン・ミョンヒ婦人が
こしらえた韓国料理を家族で堪能したそうです。
もちろん韓国式にお箸とスプーンを使って。

「あなたは何人ですか?」と聞かれたらキムさんは
迷わず「韓国人ですよ」と答えるんだろうな。





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最終更新日  2004/06/04 02:56:29 PM


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