LIFEのボヤキ ~クローン病患者ですよぅ~

LIFEのボヤキ ~クローン病患者ですよぅ~

iv=治療法は?~その1~



現在、クローン病の治療の中心は薬や栄養剤治療で手術は必要な場合のみ 行われる治療として位置付けられています。原因不明であるクローン病では、 大切な消化吸収の働きをもった小腸や大腸が主に侵され、その腸管の内腔が 狭くなり、また腸管と近くの臓器や皮膚などと痔孔という道ができ、腹痛、発熱や 栄養傷害をきたすためにやむを得ず腸の切除ということになります。

手術後当初は体調が良好に経過しますが、そのうちに再び同様のことが起こります。 繰り返す手術によって腸が短くなり、点滴でしか栄養の補給ができなくなって いきます。そして、将来有効な治療が見つかった時にはすでに腸が短すぎて 食事が摂れないという可能性があります。
したがって、クローン病では手術が治療の第一選択とはならないのです。

A、クローン病と診断された時・症状の悪化がみられた時の治療
1、原則として入院のうえ、経口摂取をやめる。
2、栄養療法は血管を介して点滴で栄養するか(完全静脈栄養療法)、 栄養チューブを鼻から胃または十二指腸に入れたのちに成分栄養剤で 栄養(経腸栄養療法)を行う。
3、炎症所見が軽度の時、薬物療法を行ってもよい。
4、炎症所見が消え、栄養状態が回復するまで続ける。(緩和状態)

B、症状および炎症所見が落ち着いている時の治療と 外科手術後の再発防止を目的の治療
1、外来で行う。
2、経口摂取で症状が再発する場合には、在宅で夜間に栄養チューブを
自分で胃まで入れて成分栄養剤を1日に理想体重1kgあたり30kcalを入れて 継続する。(在宅経腸栄養療法)
3、在宅経腸栄養療法でも栄養管理が困難な場合に在宅で完全静脈栄養を行う (在宅完全静脈栄養)
4、経口摂取している場合は5-アミノサリチル酸製剤(ペンタサ)を開始する。

C、症状の悪化や炎症所見がみられた際の治療
1、経口摂取している場合は中止するか摂取量を減らし、成分栄養剤の量を増やす。
2、無効な時は完全静脈栄養を行う。
3、5-アミノサリチル酸製剤(ペンタサ)を開始するか、増量する。
4、症状の激しい時には副腎皮質ホルモンを開始し、効果をみながら減量・離脱する。
5、副腎皮質ホルモンの離脱が困難な場合には免疫抑制剤(アザチオプリン、6-MP) を併用する。
6、5-アミノサリチル酸製剤(ペンタサ)や副腎皮質ホルモンで改善をみない時は 抗原虫薬(メトロニダゾール)を用いてもよい。
7、上記のいずれでも効果がみられない時や、全身状態が不良な場合には入院の上 栄養療法をはじめとする治療を行う。

D、肛門やその周辺の治療
成分栄養治療、完全静脈栄養や薬物療法を行っていても、肛門及び周辺に膿がたまる などんお症状が消失しない場合には、抗生物質を用いながら肛門科の専門医に外科的 治療を依頼する。

※薬の種類等は症状などによって違います。


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: