試合開始前には、誰も参加20チーム中でランキング13位の日本の勝利を予想していなかった。
だが、身長や体格で見た目では明らかに劣る日本は前半、過去2回、世界王者に輝き、経験豊富な有力選手を投入し万全の布陣で臨んだランキング3位の南アフリカを相手に抜きつ抜かれつの大接戦を展開。競技場の雰囲気は変わった。
後半も、日本は南アにトライを奪われリードされても冷静さを失わず、何度も追いつき、逆に南アの選手たちを精神的に圧迫。南アにミスやペナルティーが多発し、イエローカードで南ア選手が一人減ったチャンスを見逃さなかった。
最後の15分は、「ジャパン」コールの嵐がやまず、競技場が共鳴。まるで日本で試合をしているかのような雰囲気に包まれた。
劇的な逆転勝利の瞬間、競技場には、無数の「日の丸」が翻った。日本人サポーターたちだけでなく、地元の英国人や南アのシンボルカラー、緑色のユニホームを着た南アサポーターたちも日本チームに惜しみない拍手を送った。
無言で競技場を後にする南アサポーターの中で、日本チームに拍手を送り続けていたジョージさんは「こんな素晴らしい試合はみたことがない。興奮した。日本の真剣さが伝わってきた。こうなったら、日本には決勝リーグに進出してほしいよ」と語った。
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