I歯科医院の高楊枝通信。

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歯と金属間の自然電位差


歯学部でも習いますので、
歯医者なら誰でも知っています。
カレーライスのスプーンなどを口に入れたときに
ちょっと感じることのある、あの 酸っぱさ いや~ん(微弱な電流)のことです。

でも歯医者は、
ガルバニック電流というのは、
その理論はイオン化傾向の違いにより局部電池が形成されるからだ
ということも知ってはいるのですが、

違う種類の金属間で流れるものだと思い込んでいます。

まさか、ガルバニック電流は
歯と金属間にも流れるのだ、とは気が付いていません。
それどころか、歯と別の歯との間はもちろん、
1つの歯の局部間でも流れるなんて、
夢にも思っていません。

歯にも電流は流れるんですよ!
歯は金属 ということです。

・・というわけで、
簡単な実験をしてみました。

歯と金属間の電位差はどのくらいあるのか、
身の回りにある金属と歯との間の電位差(イオン化傾向の差)を
片端から測ってみました。
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歯は象牙質とエナメル質に分けました。
ワニグチ・クリップと歯には心電図の電極用の電導性ジェルを塗って、
電気的に密着させます。
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表題画像はエナメル質と象牙質の電位差を測っています、
象牙質はマイナス(白のクリップ)、エナメル質はプラス(赤のクリップ)です。

それぞれ 電解液(pH3の塩酸)に漬けると(クリップが濡れないように)
ここに虫歯を防ぐポイントがある

電位差は0.002Vですがエナメル質の方が高い、
つまり象牙質からエナメル質に電子が流れる
(ガルバニック電流は電子とは逆にエナメル質から象牙質に流れる)。

白のクリップの方が溶けます、以下同様

電気化学説 によれば、
電子を奪われた方が、腐食つまり溶けますので、
エナメル質と象牙質が接している構造の歯は
象牙質はエナメル質に電子を奪われ、
象牙質だけが溶けます。
臨床的にも歯医者ならだれでも経験しますね。

つまり 虫歯は電気化学的な腐食 なのです。

ガルバニック電流は虫歯と関係がある のです。

一番プラスの電位差があったのは、
歯科用金合金とCu(銅)でした、
0.7Vもありました。
口腔内で安定な金属は虫歯を助長するのではないでしょうか?
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高銅型アマルガムは歯科用の合金の中では0.25Vと一番低いのですが、
残念ながら歯よりもプラス電位です。
歯よりも先に溶けて歯を守ってくれるわけではありません。
昔のZn(亜鉛)入りのアマルガムの方が良かったのかもしれません。

先に溶けて歯を守ってくれるかもしれないと期待していた
Fe(鉄)とAl(アルミニウム)は非常にわずかですが、
歯よりもプラス電位でした。
歯より先に溶けて歯を守ってはくれません。
残念!
というか、この2つ最初はマイナス電位だったような気もしますので、
酸に浸けると不動態膜を形成して電流が流れなくなるのかもしれません、
いずれにしても カソード防食 には使えないことになります。
残念!
ほんとうに不動態が形成されるのかはそのうち調べておきます。
アルミニウムはありそうですね、
アルマイト仕上げ(不動態膜形成)は硝酸処理で作ると聞いたことがあります。

やはりZn(亜鉛)は-0.35Vとダントツ歯よりもマイナス電位です。
歯に亜鉛を貼り付ければ、
虫歯を防ぐことが可能です

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亜鉛 は人間にとっては 必須微量元素 ですので、
フッ素よりも安全です。

フッ素は人間には全く必要としない毒物でしかありません。
しかもフッ素は電気化学的にいうと歯を溶かすハロゲン族です

虫歯は治りません

以下、象牙質を基準としたイオン化傾向の一覧表を載せておきます。
亜鉛:-0.35V
象牙質:0V
エナメル質:+0.002V
アルミニウム:+0.015V
鉄:+0.05V
鉛:+0.18V
高銅型アマルガム:+0.25V
歯科用71%銀合金:+0.5V
歯科12%金銀パラジウム合金:+0.68V
歯科用70%金合金、銅:+0.7V


上に行くほどイオン化傾向が高い、腐食しやすい、溶けやすい、虫歯になりやすい。
下に行くほどイオン化傾向が低い、腐食し難い、安定。

pH3の塩酸に漬けると、、
ここに虫歯を防ぐポイントがあると書きましたが、
つまりpHが低いつまり酸性溶液中で電流が流れ腐食(虫歯)が起こるのですから、

酸をアルカリで中和すれば良い !ということが分かりますね。
それが「 重曹うがい 」です。

中性、弱アルカリ性溶液中では局部電池は形成されず、
ガルバニック電流は流れません。。

では、その酸はどこから来るのかって?
それが虫歯菌が出すのですよ、、
でも酸だけでは歯は溶けない、
虫歯が出来るには、
電気化学的なメカニズムが必要なんです。


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