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さて、前回の説明のように「各鱗に白銀色のスポットが存在し、それらが整然と並ぶ様があたかも龍の鱗のように見える」事からドラゴンと名づけられたこの品種ですが、品種が一度確立されれば更なる品種改良が進められるのは当然の事です。改良の一番の方向性としては「様々なカラーリングのドラゴン」と言う事になりますが、ドラゴン系品種の場合は、改良の方向はもう一つありました。 ドラゴン系品種が登場した当初は、鱗の中心部分に「1枚の鱗の表面積中1/3程度のドラゴンスポット」と言う感じだったのを、このドラゴンスポットに着目し、より大きなドラゴンスポットの獲得を目標に改良が進みはじめました。 結果、当初は「イチゴの果実」みたいな感じだったのが、瞬く間に今日の画像の個体のように「ドラゴンスポットがほぼ鱗全体」・・・つまりボディ全体がほぼ白銀色に光り輝く個体が作出されるようになってきました。そして、どうやら後者の表現形の方が一般受けしたらしく、いまやドラゴン系品種登場当初の「イチゴの果実」タイプはほとんど目にする事がなくなり、ほぼ全ての個体が「ドラゴンスポットがほぼ鱗全体」タイプになっています。 ちなみに、逸品堂では「イチゴ果実」タイプをドラゴン、そして「ドラゴンスポットがほぼ鱗全体」タイプをメタルドラゴンと呼び区別していますが、もちろん元は同じ品種だけに両者の間に厳密な境界線があるわけではなく、あくまでも見る側の主観に過ぎません。
2015/03/17
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今日からベタの品種名解説は「ドラゴン系」に進む事にしましょう。「ドラゴン」とは今日の画像の個体のように、鱗の大部分を白銀色の金属光沢のある大きな輝点が覆っており、その有様が我々の想像する所の「龍の鱗」みたいな感じだから、と言う事で付けられたネーミングです。まぁ、なかなかナイスなネーミングセンスと言えるのではないでしょうか。 品種としての登場はずいぶん前になりますが、当初はレッド系つまりは「レッド・ドラゴン」のみでしたが、次々とドラゴン系品種の作出がなされ、「地色+ドラゴン」と言う品種名で親しまれています。チョット思いつく限りでも「ブラック・ドラゴン」「イエロー・ドラゴン」「オレンジ・ドラゴン」辺りが上げられます。 この系統の特徴はボディは地色一色に染まっており、その上にベカベカに輝くドラゴンスポットが並ぶといったものです。その証拠に何らかの拍子でドラゴンスポットのある鱗が剥離すると、ちゃんと地色が顔を覗かせます。 どちらかと言えばドラゴンスポットの存在は優美と言うよりは精悍なイメージなのか、ブラック・レッド辺りの方が、淡い配色のイエロー・オレンジよりも人気が高いようです。
2015/03/15
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マルチカラー・バタフライは品種としての制約が低めなので良個体を入手しやすいと書きましたが、例えば今日の画像の個体。色彩的には、一応は青・白・赤の「トリカラー・バタフライ」なんでしょう。ただ、理想的には赤の部分が、バタフライらしくリング状になっている方がいいと思います。 この個体で注目すべき点は、そのフォルムのクオリティではないでしょうか。楽々ハーフムーンを凌駕しながらも、美しく開く尾ビレだけでなく、尻ビレや背ビレもなかなかのものです。しいて言えば、もう少し背ビレが前の方から生えていれば完璧だった気がします。 マルチカラー系のバタフライは種親の選択の自由度が高い分、両親のクオリティを考慮して選択できる為に今日の個体のようになかなかの逸品を安く入手する事が出来ます。 もっとも、色彩面で言えば観賞価値は高くとも前述の様に品種としての固定度は低めですから、このカラーリングのまま系統維持するのはかなり大変だと思います。まぁ、普通に考えればブルー・バタフライの系統に導入して、その優れたフォルムを生かして行きたいところではありますが、赤の発色を完全に消すのはかなり大変かも。しかも、頭部の感じから、もしかするとマーブル系の可能性も考えられます。その場合は、その後の系統にかなり長い間マーブルの影響(悪い面での)が出てくる可能性も大ですし・・・ コンテスト目的で無いならば、品種維持にはこだわらず鑑賞を楽しむか、もしくはフォルム最優先での交配を考えた方が気が楽かもしれませんねぇ(笑)。
2015/03/04
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改良ベタの品種としてはソリッド系(単色系)の次に、品種としての特徴が明確なバタフライは、それぞれの品種名に適合した外見の個体を得る事がその分だけ難しくなるのは当然の事です。これがマルチ系やマーブル系であれば、言い方は悪くなりますがそれこそ「何でもあり」状態なので、好みの問題さえ別にすればその作出難易度はそれだけ低いものとなります。 そんな比較的ハードルの高いバタフライ系の中にあってマルチカラー・バタフライは「ひとまずヒレ先にバタフライバンドさえあればOK!」みたいな感じなので、バンコクでも最もよく見かけるバタフライ系品種となっています。もちろん、その色の組み合わせから品種名は無限にあると言っても過言ではありません。例えば今日の画像の個体ならば、ベースはブラック&ブルー・マルチですから。無理やりこのベタの品種名を付けるとすれば「ブラック&ブルー・バタフライ」と言う感じでしょうか。 こんなお手軽なマルチ系バタフライですが、色の組み合わせの自由度が高い分観賞価値から言えば非常に高いというか、飼育者の好みから言って思い切り「ど真ん中直球ストライク!」な個体が存在する可能性も多々あるという訳で、お気に入りの個体を探す楽しみがある品種とも言えると思います。 反面、ブリーダーがバタフライ系×他の品種と言う、その場の雰囲気かなんかでペアリングをさせている場合も多く、その品種としての固定度は無きに等しいレベルである事がほとんどです。せっかく外見的には同系統と思えるペアを用意して繁殖させたとしても、その子供が親とまったく同じ外見で生まれてくるかどうかは、それこそ「神のみぞ知る」というレベルですから困ったもんです。 まぁ、どちらかと言えば自分でその系統を累代繁殖させて系統を維持する事を楽しむ上級者やコンテストブリーダーよりは、生け花や鉢植えの花を楽しむような感覚で、愛玩するようなアクアリストに向いた品種といえるのではないでしょうか。
2015/02/27
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実は「ホワイト・バタフライ」と言う品種は有りそうで有り得ない品種と言う事ができます。なぜって、今日の画像の個体の様にヒレ先がクリアに色抜けした個体は間違いなく「バタフライ系」なのですが、このクリアフィンの部分が「純白のバタフライバンド」になっちゃったら・・・これはもうソリッド・ホワイトとの区別が付きません、というかそのものになっちゃいますから。それだったら、はじめからソリッド系で追求した方がより素晴らしい形質の個体を作出できる事は間違いありません。
2015/02/26
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個人的には「オレンジ」と言う色はけっして嫌いではないのですが、なぜかベタ界ではあまり人気が高いとは言えません。・・・となればその派生系であるオレンジ・バタフライも当然の事ながら、生産量が少なく良個体を見かけることも稀なのはやむを得ない事でしょう。 正直、「これぞオレンジ・バタフライっ!」と言う事には、過去にお目にかかっていません。今日の画像の個体のように、ヒレがクリアに色抜けした個体ばかりなのが現状です。ただ、レッド・バタフライの項でも述べたように、オレンジ・バタフライの作出難易度が特別高いとは思えませんから、単純に「手掛けているブリーダーが少ない=生産量が少ない=改良が進まない」と言う図式なんだと思います。 ちなみに、こちらにはボディがパステルホワイトのオレンジ・パステル・バタフライという近縁品種も存在し、こちらの方が生産量が多いのかカラーリング&フォルム共に優れた個体の入手が少しは容易な気がします。
2015/02/23
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「日の丸」を国旗にもつ我々日本人からすれば紅白のバタフライはしっくり来るものなのでしょうが、実際にこの系統の良個体はほとんど見当たりません。どういう訳か、バタフライバンドが明瞭に発色せずにクリアに色抜けした個体がほとんどです。今日の画像の個体でもヒレの先端部分がクリアフィンになってしまっていますが、正直これでもレッド・バタフライとしてはかなりレベルの高い個体と言えると思います。 もっとも、別にこの品種が特別作出困難とは思えないので、単純にこの品種を手掛けるブリーダーがほとんど存在しない為、きちんと系統維持されていない事が原因だと思います。ソリッド・レッドを真剣に系統維持しているブリーダは数多くいますが、そんな彼らにとって、自分のソリッド系統にバタフライの血を導入するなどは絶対にしてはならないと言うかしたくない事でしょうからねぇ。他品種を交配するのは至極容易な事ですが、一度交配してしまった系統から、元の種親の形質を復活させるのは気の遠くなるほどの年月と苦労が必要になりますから。例えて言うならば、ミルクにコーヒーを混ぜてカフェオレにするのは簡単でも、カフェオレからミルクとコーヒーを完全に分離するのは不可能に近い、と言うようなものです。
2015/02/22
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前回紹介したカッパー・バタフライはすでにレッドデータ・ブックに記載されるほどの希少品種になりつつありますが、外見の似たこちらの「ブラックカッパー・バタフライ」の方は結構人気が高く生産量もそこそこの為、現在でもその入手はさほど難しくありません。 元となる「ブラックカッパー」についての説明は、後で扱う「ドラゴン系品種」の項で詳しく説明しますが、要は「黒鉄色」が特徴で、カッパーよりも更に精悍な感じがすることや、致死遺伝の関係で「ブラック」の良個体がほとんど見当たらない事から、その代替品として常に高い人気を誇る品種です。カッパーよりもより漆黒に近い地色だけに、純白のバタフライバンドとの対比もより鮮明で美しく映えます。 今日の画像の個体はボディのブラックカッパーの発色や純白のバタフライバンドに関しては申し分ありませんが、頭部をご覧いただくとお判りの様に、実際にはマーブル系の血が入っており「ブラックカッパー・マーブル・バタフライ」と呼ぶのが正しいでしょう。
2015/02/21
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地色がカッパーのバタフライと言う系統は、品種的にはかなり古典的なバタフライと言えると思います。ただ、現在では結構レアな存在になっていてその入手は正直容易ではありません。 といっても、別に品種的に系統維持が難しいとか作出難易度が高いとか言う訳ではなく、原因はただ一つ「カッパー系は人気がないため、ブリーダーが手掛けたがらない」と言う点に尽きます。 個人的には渋い魅力のカッパー系は嫌いではなのですが、やはり実際に購入する立場としては、より華やかな品種に目が向いてしまうのもやむを得ない事なのでしょう。ブリーダーにしてみれば、少しでも売れ行きの良い品種を生産するのは当たり前ですからねぇ。生活かかってますし。 本来この手の品種は採算とは無関係に自由に楽しめるアマチュアブリーダーに系統維持をになっていただきたい所ではありますが、「アマチュアだって華やかな方が好きだぃっ!」となるのもこれまた人情ってもんでしょう。そんな訳で、バタフライ系に限らず、カッパー系の全品種が最近ではどんどん姿を消しつつあるのが現実です。 正直、過去10年以上にわたる私の「ベタ画像コレクション」を捜してみても、これぞカッパー・バタフライの逸品!と言えるような個体が見当たりませんでした。今日の個体も、バタフライバンドが半ばクリアに色抜けしてます。もちろん、バタフライの本質から言えば、この部分は「純白のバタフライバンド」である方が好ましい事は言うまでもありません。
2015/02/20
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前回述べたように、ソリッドベースのバタフライと言うものは、ブルー系を除くと意外なほど希少なもので、今日も「イエロー・バタフライ」の典型的な個体を紹介しようと画像のストックを見てみたのですが、はずかしながらこれといった決定的な画像はありませんでした。ほとんどの個体は、バタフライバンドがクリアフィンになってしまっているか、今日の個体のようにボディとヒレの色彩が異なり、ソリッドベースとは言えない個体ばかりです。 今日の個体は、ヒレはイエロー・バタフライですが、ボディはパステルホワイトと言うバイカラータイプになっています。イエロー系のバタフライはかなり希少な存在で、今日の個体のようなパステル系でさえ常時見かけるレベルではありません。バタフライとしてみれば、バタフライバンドの部分が幅広すぎる気がしますが、イエロー系バタフライがどうしても欲しいと言う方は、このカラーリングでこのフォルムならば文句を言わずにゲットすべき!・・・と言うのが、現時点でのイエロー系バタフライの現状です。 正直、「イエロー・バタフライ」と言う品種を意識して繁殖させた事がありませんから、この系統が希少な原因が作出が困難な為なのか、手掛けるブリーダーがほとんどいないからなのかはよく判りません。まぁ、奇特なブリーダーがこの品種の系統維持を目指したとしても、ブルー・バタフライの様に種親とすべき良個体を入手する事が容易な品種と違い、ほとんど一からのスタートとなるので、かなりの時間がかかってしまうでしょうし、何年間にもわたって未完成な売りにくい未完成な品種を手掛けていられるほど、バンコクのベタブリーダーの懐具合は暖かくはありませんから、こちらはかなり期待薄でしょうねぇ。
2014/11/14
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バタフライ系としてはラベンダー&サラマンダーと並びもっともポピュラーなのがこの「ブルー&ホワイト・バタフライ」だと思います。ちなみに品種名ですが、バタフライは「ヒレの縁が白く縁取られる」のが特徴なので、この品種を呼ぶ際に「ブルー・バタフライ」でも構わないとは思うんですけども。 一口に「ブルー&ホワイト・バタフライ」といっても、ブルー系にはロイヤル・ターコイズ・スチール・マットなどなど様々なカラーバリエーションがある訳ですから、この品種もその分多彩なバリエーションを持つ事になります。 今日の画像の個体は、深みのあるブルーの発色が特徴のロイヤルブルー系です。純白のバタフライバンドとのコントラストはこのロイヤルブルーが一番はっきりする為か「ブルー&ホワイト・バタフライ」のバリエーションの中でも人気の高い系統と言えると思います。 バンコクでも入手の容易なバタフライ系ではありますが、ほとんどの個体は今日の画像の個体の様に胸ビレにはホワイトバンドが入りません。バタフライとしては「全てのヒレにバタフライバンドが入る」方が好ましいとされてる訳ですから、その点はマイナスポイントとなってしまいます。もっとも、この状況は「ブルー&ホワイト}だけに限らず、バンコクで生産される全てのバタフライ系に共通した問題なので、おそらくバンコクのベタブリーダー達は、「胸ビレのホワイトバンド」をあまり重要視していないんだと思います。 それと、ロイヤル・ターコイズ・スチールの遺伝関係はソリッド・ブルーの時と同様ですから、両親にどの系統のブルーも用いるかで、次世代の表現形をあらかじめ予測する事が可能です。
2014/10/07
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昨日紹介したラベンダー・バタフライの派生系でボディがブルーを帯びているものを「サラマンダー・バタフライ」と呼びます。このブログでも再三書いている事ですが、この2つの品種のネーミングにはどうもしっくり来ないものがありますねぇ。「サラマンダー=サンショウウオ・火トカゲ」と言う意味ですけど、この品種のどこが?って感じがします。まぁ、サンショウウオの一種に、こんな感じの外見の奴がいるんだよって言われればそれまでですけど。更に首を傾げざるをえないのが「ラベンダー」です。濃いローズピンクのどこがラベンダーなんでしょうか?我々のイメージするラベンダーは、青~青紫色の気がするんですけど。まったく根拠レスの個人的な妄想なんですけど、この2つの品種名は命名者の意図とは逆に広まってしまっちゃったんじゃないかとさえ思えます。「ラベンダー・バタフライ=ボディがブルーを帯びたローズピンク」で「サラマンダー=ボディがローズピンク(火トカゲのイメージに近い?)」ってな感じです。 しっくり来ないネーミングはさておき、この品種もラベンダーに負けず劣らず美しい配色で人気があります。それでもって、やっぱり最近は典型的なこの品種の発色をしている個体が入手困難です。画像の個体は、もうずいぶん前にインドネシアのブリーダーが作出したインターナショナルチャンピオン個体の系統をタイのブリーダーが導入してすぐの物ですが、正直この後10年くらい経過してますがこの個体以上のサラマンダーに出会った事がありません。要するにこの品種に関しては、明らかに退化しちゃってるって事です。 最近、ラベンダー&サラマンダーの系統を何とか立て直そうと頑張っているバンコクのブリーダーがいますが、もう既に4世代くらい経過しているにもかかわらず、ボディの発色は全盛期のようなクリアなものではなく、どうしてもパステル系の乳白色が混ざったものになってます。恐るべし、パステルの力!っていうところでしょうか。
2014/10/04
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バタフライ系品種としてもっとも代表的な品種としては「ラベンダー・バタフライ」が挙げられるでしょう。濃いローズピンクの地色に純白のバタフライバンドという組み合わせは、まぁ誰が見ても「美しい」と言えるものだと思います。ただ、バタフライの代表的品種であるにもかかわらず、最近ではまともな個体を入手するのが非常に困難になっているのが残念です。他の品種との無分別な交配によりローズピンクの発色が無くなってしまった個体がほとんどです。 いつもこのブログで書いている「品種間の交配なんて、自分の好きにやればいい」と言う持論は、あくまでもアマチュアレベルに限っての話であって、ベタを手掛けた当初からあまり「型にはめてしまう」と楽しくないだろうと言う考えからです。私がまだショーベタの世界にほんの少しだけ足を突っ込んでいた頃も、コンテスト会場などでベテランの方々がショーベタ入門者に向かって「この品種は×××じゃなきゃイカン!」とか「この品種とこの品種を交配しちゃイカン!」とか教授されているのをよく見かけたもんです。もちろん、ベテラン勢にしてみれば親切心から教えているのでしょう。でも、その「しちゃイカン!」と言われている事だって、自分自身で試してみて、どうして「イカン!」のか知る事が大切だと思うのです。書籍やネットで知識を仕入れたら、その件はもう終了では面白くないと思うのは私だけなのでしょうか。 ただ、逆にプロブリーダー達は「品種の系統維持」に注力して欲しいもんです。アマチュアは純粋にその趣味を楽しめばそれでいいと思うのですが、プロの方々は趣味の世界の維持にも気を配っていかないと、将来的に自分の首を絞めることになっちゃいますからねぇ。・・・って言いながら、毎度毎度固定度なんてまったく判らないバンコクの「色もんベタ」を大量に日本の市場に流し続けている私は何なの?って言う自己矛盾に突き当たっちゃいますけど(苦笑)。
2014/10/03
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前回から書いていますが、ベタの品種名というのはあくまでも概論であって、それぞれの個体の表現形は多種多様で、他の品種との判別が困難な個体も少なくありません。言い換えれば、見る人によって品種名が異なる事も別に珍しい事ではありません。 今日の画像の個体は、ヒレの部分のバタフライバンドが非常に大きく、ヒレ内側の他色部分が少ないパターンの個体です。しかしながら「バタフライの基準」からはやや逸脱していますが、このベタだってバタフライである事に変わりはありません。もちろん、由緒正しき?バタフライに比べるとバタフライとしての評価はやや落ちるのでしょうけど。 それじゃあ、このカラーパタンで更にヒレの内側部分のオレンジがもっと小さなベタは?・・・これはもう、どの段階でその様な表現形の個体を「バタフライではない」と考えるかは、個々の裁量に任されると言う事になります。もちろん、各品種の「スタンダード、基準」と言うものはきちんと明確にしておかなければなりません。 ただまぁ、あんめりそこにこだわりすぎて縛られちゃうのも考え物です。実際、品種名なんてものは無いよりもあった方が増し程度のもんと割り切っていかないと、カラーバリエーションがめちゃくちゃ豊富なバンコクでベタを仕入れてなんていられませんしね(笑)。私的には「品種名よりも見た目重視派」ですし。
2014/08/05
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常々このブログでも書いている事ですが、「ベタの品種」と言う奴は、それぞれが明確な境界線で区分されている訳ではありません。工業製品と違い、生き物だけに個体差と言う奴が存在しますからねぇ。例えばフォルムで言えばデルタテール~スーパーデルタ~ハーフムーン~オーバーハーフムーンと言う順で、後ろに行くほど尾開きが良くなるのですが、それぞれの境界線がはっきりしている訳ではありません。もっとも、ハーフムーンの尾ビレには軟条などスーパーデルタとはっきりと異なる特徴があるのですが、その特徴があるからと言って必ずしも尾ビレが180度開く訳ではありません。ハーフ~オーバーハーフの境界線もまたしかりです。 カラーリングに関しても同様で、2つの品種のどちらとも言えない様な、中間的な個体もこれまた数多く存在します。これから何回かに分けて、「バタフライと他の品種の境界線的な個体」を幾つか紹介していきましょう。 今日の個体は、品種名で言えば「ブルー・バタフライ」もしくは「ブルー&ホワイト・バタフライ」と言う事になります。この個体の場合、ヒレを縁取る純白のバタフライバンドと内側のロイヤルブルーとの境界線が不明瞭です。つまり、バタフライ系品種本来の基準からは少々逸脱している個体と言う事になりますが、もちろんこの個体もバタフライの範疇です。鑑賞面から言えば好みの問題ですが、品種としての評価は「より明瞭なバタフライバンド」の個体の方が高いと言えるでしょう。現状では、今日の個体の様な表現形のバタフライの方が圧倒的にポピュラーです。 また、今日の個体は胸ビレにバタフライバンドが存在しません。前回説明したように「すべてのヒレにバタフライバンドが均質に存在する」のが本来の基準ですから、その点からもこの個体はバタフライの基準からはずれた個体と言う事になります。こちらもまた、「バタフライバンドの境界線」同様、最近のバタフライ系個体では「バタフライバンドの無い胸ビレ」の個体が圧倒的多数を占めます。 ただ、ここで私の最大の欠点である「常に王道を外れて歩く性格」(苦笑)が顔を覗かせちゃう訳で、個人的にはこの個体の様に「バタフライバンドの無い胸ビレ」の方が見た目がスッキリしたいる感じで、少なくとも鑑賞面の見地から言えば断然好きだったりしちゃうから、困ったもんです。
2014/07/21
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ベタの品種の中で、もっとも改良品種としての完成度が高いのがバタフライなのではないでしょうか。基本的には、「各ヒレの縁の部分が白く縁取られたような表現形の品種」をバタフライと呼んでします。ベーシックな考え方では、「各ヒレのバタフライバンドは均質の幅で、ヒレの内側の色との境界線が明瞭な個体が望ましい」と言う事になるでしょう。そういう意味では、今日の画像の個体もバタフライバンドとヒレ内側の他の色との境界線がややギザギザと言うか不明瞭な部分があるので、完璧とは言えません。 バタフライバンドは腹ビレを除くすべてのヒレに均質に存在する事が望ましいとされていますから、エラ蓋のすぐ後ろに有る胸ビレにもバタフライバンドがある方は、コンテストなどでは高い評価が得られます。もっとも、昨今のバタフライ系品種では胸ビレにまできちんと純白のバタフライバンドが存在する個体は結構希少で、ほとんどの個体では。尾ビレ・背ビレ・尻ビレにのみバタフライバンドという個体になっています。 形式を重んじる方々には「胸ビレ非バタフライバンド個体」は苦々しい感じなのでしょうが、正直個人的には胸ビレにバタフライバンドが無い方が、見た目がスッキリとした感じになりますから好みです。もちろん、コンテストなどで「胸ビレ非バタフライバンド個体」を出品し、その点を指摘され減点されたとしても、審査に対して異議を唱えるのはお門違いと言うものです。コンテストと言うものは、有る定められた価値観の枠組みの中で優劣を競うものですから、ルールは遵守しないとね。その辺りが納得できない人は、私のようにコンテストから遠ざかってしまい、鑑賞面一筋で行けばよいだけの話です。
2014/07/15
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前2回の記事で述べてきた様に、現在のメラノブラックの系統からは永久に「真のソリッド・ブラック」は作出去れないと思います。メスに他品種を使わざるをえない遺伝的問題がある限りどうにもなりますまい。・・・じゃあ、ソリッド・ブラックは絶対にこの世に登場しないのか?と言うと、可能性が無い訳じゃありません。 そのヒントとなるのが、今日紹介した個体です。頭部がベージュホワイトに色抜けしていますが、ボディ&ヒレはほぼ完璧なブラックです。実はこの個体はマーブル系の品種で、頭部のみが体のほかの部分と異なる発色になる「モンスター・マーブル」と呼ばれる系統です。 このモンスターマーブルの「ブラック」は、同系統同士で繁殖可能です。つまり劣性致死遺伝の影響を受けません。と言う事は、繁殖に際して他の色合いのモンスターを使う必要が無い訳です。従って、両親に「限りなく頭部の色抜けの少ないブラック・モンスター」を使い交配をすれば、ほとんどの個体は両親似のモンスターになるでしょうが、極稀に「全身漆黒」の個体が出てくる可能性は十分にあると思います。 もちろん、この様な両親から「ほぼ完璧なソリッド・ブラック」の個体が得られたとしても、それは所詮モンスター・マーブルの系統な訳ですから、次世代以降でもほとんどすべての個体はモンスター表現になると思われ、品種として「ソリッド・ブラック」が確立する訳ではありませんけどね。
2014/07/08
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前回、メラノブラックは劣性致死遺伝の関係上メラノブラック同士の交配が出来ない為、どうしても体の一部にメス由来の色彩が出現してしまうと書きました。特に、もっともポピュラーな交配相手であるスチールブルーのメスからは、背中付近がシルバー~スチールブルーになる「シルバーバック」が不可避です。 それならば、スチールブルーじゃなくて他のイリデセンス(金属光沢)の無い品種のメスを交配に用いれば委員じゃないの?って事で、バンコクのブリーダー達の話を信じるならば、最近ではメラノブラック作出の際のメス親は「イエローorオレンジ」を使うんだそうです。そうする事で、ボディに余計なイリデセンスが出ない次世代を作れるとか・・・。 まぁ、確かに理論上はそうでしょうけど、自分でこの組み合わせを試した事がないので本当のところはよく判りません。ただ、確かに最近のバンコクで見かけるメラノブラックは以前の様な「シルバーバック」ではなく、今日の画像の個体の様に、ボディのイリデセンスがほとんど目立たない個体が増えています。 ・・・って、その事だけを取って見れば、物凄くいいことみたいな気がしますが、この手のメラノブラックには大きな問題点があります。と言うのは、ブラックの発色が漆黒ではなく黒茶色になってしまうのです。特にヒレの中央部分は、光の当たり具合ではイエローやオレンジ色に近い発色に見える事さえあります。やっぱり、ブラックは黒くないとねぇ~。って事で、個人的には「イリデセンスの無い黒茶のメラノブラックよりもシルバーバックの方が断然好き!」です。
2014/07/07
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数あるソリッド系(=単色)品種の中で、一番難しいのがソリッド・ブラックなのは間違いのないところです。と言うのも、ソリッド・ブラックには遺伝的に致命的な問題があるからです。ブラック同士のペアリングは劣性致死遺伝により、繁殖不可能なのです。ブラック同士のペアリングでは、産卵までは行っても、その後卵がまったく孵化しなかったり、極少数が孵化してもその後稚魚が生存できない為、実質的に繁殖不可能になっています。 以前、「ブラック同士で繁殖可能な系統」と言う触れ込みの個体を、えらく高い値段で購入し自分で繁殖させてみましたが、稚魚の孵化率がややアップしたものの、孵化後10日位ですべての稚魚が死滅し結局の所、やはり繁殖不可能でした。 そんな訳で、ブラックの繁殖ではメスに別のソリッド系メスを使うしかなくなってしまいます。その為、生まれてくる次世代は絶えず「ブラック×他の色」と言う事ですから、当然ながら子供達は完全なブラックではなく、体のどこかにほぼ確実にメス親の色彩が出てきてしまうのです。 その為、「ソリッド・ブラックの品種としての完成は永久に不可能」と言われています。また、体の一部にブラック以外の色彩があるのにソリッド系を名乗るのはいかがなものか、という事から通常はソリッド・ブラックではなく「メラノブラック」と言う品種名で扱われる事が多い様です。まぁ、「メラノ=黒色」ですから、この品種名だと「クロクロ」って言う意味になってしまい、言葉としてはチョット変ですけどね。 一般的には、繁殖の際のメス親に「スチールブルー」を用いる事が多く、その場合次世代の子供達は特に背中部分にシルバー~スチールブルーの色彩が出現するのが普通です。かつてはその様な個体を、マウンテンゴリラの老成したオス個体にちなんで「シルバーバック」と呼ぶ事もありました。 現在、メラノブラックは決して入手困難な品種ではなく、結構ポピュラーです。ただ「純粋な意味でのソリッド・ブラック」となると、それはもう幻レベルと言う事になりますから、入手は不可能と考えた方が無難です。今後、「ブラック同士の交配が可能」な系統が出現しない限り、この状況は変わらないでしょう。また、最近巷に再度「ブラック同士で繁殖可能」な系統が出回る事がありますが、私自身はその系統を繁殖させた事が無いので実際の所は今の所よく判りません。
2014/07/06
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ソリッド・カッパーが世に出回り始めた頃、頭部は今日の画像の個体の様に黒く染まっているのが当たり前でした。これはカッパーに限らずソリッド・ブルーでも同様で、品種が登場した当時は「ベタの頭部はブラックになるのが当たり前」だったので、この様な個体も当たり前のように「ソリッド」として扱われていました。・・・と言うか、それしかいませんでしたし。 しかし、その後品種改良が続けられ、今では頭部もボディやヒレと同色に染まる「フルフェイス」タイプのソリッド系も多数出回るようになって来ました。でも、「昨日までは頭の黒い個体はソリッドだったけど、今日からはマルチ系に区分変更しますっ!」と言う訳にもいきませんから、従来どおり「ブラックマスク」タイプの個体もソリッド系として扱われています。 単純な観賞価値から言えばどちらが素晴らしいと言うものではありませんが、コンテストなどではより改良が進んでいる事や、俊粋な意味でのソリッド(単色)と言う事で、「フルフェイス」の方がより高い評価を得ているようです。ちなみに、ひねくれ者の私は皆様の期待を裏切らず(苦笑)、旧タイプである「ブラックマスク」タイプの方が好みだったりします。
2014/06/26
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色彩解説の所でも書きましたが、カッパーと言う色調は本当に「地味」です。ネーミングは「銅=copper」から来ているのですが、確かに普段は小学校時代によく遊んだ「アブラ粘土」みたいな青灰色ですが、光線の当たり具合でヒレが虹色に鈍く光り、確かに「銅色」と言えないこともありません。この様な形質から、ソリッド・カッパーは「ソリッド=単色」でありながら、光の当たり具合で色が変わるチョット変わった単色系といえます。 何分、色彩的に「地味」ですから、人気の方も残念ながら「地味」ですねぇ~。両親共にカッパー使えば、次世代は金太郎飴のようにカッパーになりますから、作出自体は容易です。ただ、あまり売れ行きがよくないということで、ブリーダー達も積極的に手掛けない品種となってしまい、結果的にバンコクでも意外と良個体を得るのが難しい品種になってしまっています。 個人的には精悍なイメージが結構好みなのですが、飼育容器を数十も保有している人ならともかく、普通はアクアリスト一人で1~数尾所有でしょうから、限られた許容飼育個体数のなかで、わざわざカッパーを選択する人は少ないようです。
2014/06/20
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今日紹介するパステル・ホワイトとは純白と言うよりは、青や緑、ピンクなど若干他の色彩が混ざったような、パステル画の様な色調です。パステル系は非常に盛んに作出されているのですが、ほとんどがマルチ系かバタフライ系で、純粋な意味でのソリッドはほとんど見かけません。別に作出が困難と言う訳ではなく、単にパステル・ホワイトを追求しているブリーダーが存在しない為だと思われます。 鑑賞面から言えば、決してオペックやシルキーに劣るとも思いませんが、どうもパステルという色調は他のカラーリングに比べて一段下に見られる風潮があるようで、それが売れ行きにも影響を及ぼしています。ブリーダーにしてみれば、すぐに売りさばける人気品種をより多く手掛けたくなるのは当然でしょうから、パステル・ホワイトの数が非常に少ないのはやむを得ない事でしょう。 そんな根拠の無い「パステル軽視論」を無視してしまえば、結構美しい品種なのではないでしょうか。特に、薄っすらと青みを帯びた個体などは、幽玄的な美しさがあり個人的にはかなり好みです。
2014/06/19
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前述のオペック・ホワイトは絵の具の「白色」そのものの様な発色でしたが、シルキー・ホワイトはその上に、キラキラとした絹の様な光沢が加わった色彩表現になります。当然の事ながら、オペック以上にピュアで美しい発色になるのですが、残念ながら現時点ではなかなかこの品種の逸品にお目にかかれません。特に、シルキー・ホワイトではヒレ先が所々クリアに色抜けする事が多いのが難点です。 また、パウダーシュガーを振りかけた様なキラキラ感は悪い事に眼球にも出てしまう事が多く、眼が白濁したと言うか、表面にペンキでも塗ったかのように白くなってしまう個体もたくさんいます。どうも、視力はあるらしく餌を食べたり他のオスを見てフレアリングをしたりはできるのですが、何分見た目が「怖い」です。個人的には、この様な眼球の個体を「ゾンビ・アイ」と呼んでます。 ゾンビ・アイの困った点は、生まれつきのものではなく成長と共に全身にキラキラ感が増し、ついでに眼にまで・・・と言うパターンなので、入手した際には普通の眼だったのに、いつの間にかゾンビになってましたって言う事がありうるって点です。もちろん、奇形と言う事ではなくカラーリングの一環ですが、個人的には結構苦手です。シルキー・ホワイト以外の品種では、メタルドラゴン系の個体にこのゾンビ・アイが多く出現するようです。 いつかゾンビになってしまうかもしれない危険に怯えながらシルキー・ホワイトのキラキラ感を楽しむのか、それとも安定した美しさのオペックを選択するのかはなかなか難しい問題ですねぇ。
2014/06/18
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前述の様に、非常に人気の高い「オペックホワイト」ですが、品種としての欠点と言うか困った点があります。 それは「色揚げ効果に弱い」点です。これはどう言う事かと言うと、餌に含まれる色揚げ成分の影響で、本来純白である事が望ましい体色が、妙に赤みを帯びててしまうと言う問題です。今日の画像の個体は、なんだか肌色っぽい体色ですが、これでもれっきとした「オペックホワイト」です。 本来観賞魚「色揚げ効果のある餌」と呼ばれるものは、基本的には「赤みを強くする効果」を持っています。動物(カニ・エビなどの甲殻類)由来のものも植物由来(スピルリナなど藻類)のものも、一様に赤&黄色の色揚げ効果があります。逆に、ブルー系の色揚げ効果が確実にあると言われている天然原料由来の餌は、私が知る限りでは存在しないと思われます。 オペックホワイトは本来「真っ白」であるべきなんですから、この品種を飼育育成する際には、色揚げ効果の高い餌は避けるべきでしょう。でも、バンコクのブリーダー達は、ほとんどがそんな細かい事なんざぁ気にしません。今日の個体の作出ブリーダーも、成魚のベタに与える餌は基本的に「太陽光線の下育成された、真っ赤に色付いたアルテミア(ブラインシュリンプ)の成体」です。確かに、バンコクでは気軽に入手可能な生き餌ではありますが、この場合は出来ればやめといた方が、ブリーダーの売上げにも大きく影響すると思うんですけどねぇ。 もちろん、この赤みがかった体色は「餌由来」ですから、その後の飼育で低カロチノイドの餌を与え続けていれば、徐々に純白に近づいていくはずです。
2014/05/11
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前回紹介したソリッド・レッドが「もっともポピュラーなソリッド」ならば、今日紹介するソリッド・ホワイトは、間違いなく「我が国で一番人気のあるソリッド」であると言えるでしょう。ただ、一口にソリッド・ホワイトと言っても、幾つかのカラーバリエーションが存在します。今日紹介する「オペックホワイト」は、我々がイメージする所の「白」に一番近い発色です。 以前は、「スーパーホワイト」なる名称で、国産個体が出回っていましたが、最近ではほとんどすべてが外国産それもタイ産なのではないかと思われます。 まぁ、「白一色」が基準なのですから、当然の事ながら全身白無垢で他の色の混在が無ければない程、色彩面では高い評価を得ることが出来ます。 人気の高い品種だけに市場に出回る数は結構多いのですが、全体的に虚弱体質?気味なのか、はたまた人気種の宿命である「近親交配の弊害」なのか、どっしりとしたボディの個体は少なく、大概は貧弱なボディにせいぜいデルタどまりの尾開きなんて個体がほとんどです。今日の個体レベルならば、色彩面&フォルムともに、十分満足のいく物だと思います。
2014/05/10
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ブルーと並び、古典的かつもっともポピュラーなソリッドと言えるでしょう。世間一般がイメージする「ベタ」は、ソリッド・レッドである事が多い様で、少し前のCMでもなぜか「群泳する」ソリッド・レッドのベタのCG映像が使われいました。 一口に「ソリッド・レッド」と言っても、オレンジレッド~ピュアレッド~ピンクレッドその色調は変化に富んでいます。以前の「レッド」は下地が暗色系の発色だったのか、やや黒味を帯びた発色でした。また、ボディやヒレの付け根にはイリデセンス(金属光沢の輝き)があるのが当たり前でしたが、最近では改良が進み、ほとんどイリデセンスのない「スーパーレッド」と呼ばれる系統が登場しています。 もっとも、他の品種同様スーパーレッドと旧タイプのソリッド・レッドの間に明確な線引きがある訳ではありませんから、「ほんのチョットだけイリデセンスのあるスーパーレッド」(笑)とかも存在する事になります。 まぁ、ソリッド系全般に共通して言える事ですが、全身がすべて基本色のみで染まった個体なんて言うものはまず存在しませんから、多少の事は眼をつぶりましょう。特に、腹ビレの先端部分のホワイトチップとエラ蓋膜の暗色化は、ソリッドの概念からは外れますが、見なかった事にした方が無難です。 ソリッド・レッドの赤の発色は成長に伴い後発的に出現するものです。ソリッド・レッドの繁殖をすると、生まれてくる稚魚は、はじめはベージュホワイトそして成長するに伴い、ヒレが赤く染まる~ボディがだんだん赤く染まってくると言うパターンなので、成長の初期段階で「あれっ、こいつらカンボジアじゃん!」とか言って、あわてたりしないように(笑)。 ただ、バンコクのブリーダー達はボデイのイリデセンスをなくす為に、「レッドのオス×カンボジアのメス」と言う交配をする事も多く、この様な組み合わせで作出した個体を元親にした場合、次世代にカンボジアも生まれてきますのでご注意を。 上記のようなペアリングで繁殖させ、生まれてきた子供達がカンボジアの外見でも「大丈夫、大丈夫!この後だんだん全身が赤く染まってくるから」とか思っていると、あら不思議!生涯カンボジアのままだったりする事も(涙)
2014/05/09
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ブルーの3大基本品種は「ロイヤル・ターコイズ・スチール」ですが、それ以外にもブルー系の品種は幾つか存在します。中でも、最近良く見かけるのが「マットブルー」です。これはスチールブルーに似ていますが、それよりも明らかに青みが増している品種です。ただ、純粋なブルーの発色ではなく、青の絵の具に灰色を少し混ぜたような感じなので、ロイヤルとスチールの中間のような感じと言えば判りやすいかもしれません。 ベタの色彩は、赤・黄・白・黒・虹色素胞の5種類が何層かにそれぞれ独立して存在する事により複合的に表現されたものなので、その表現形は千差万別です。工業製品の様に「青なら青、赤なら赤」と言うような単純なものではありません。例えば、マットブルーとスチールブルーの間にも、明確な境界線があるのではなく連続したものと考えた方が無難です。従って、見る人によってスチールになったりマットブルーに感じたりと言う、どちらとも付かない個体が存在します。 ただ、最近は明らかに「マットブルー」に区分できそうなソリッド・ブルーが増加傾向にあり、「ピュアな発色のロイヤル」や「渋い発色のスチール」などはだんだんと数を減らしている気がするのが少々気にかかります。
2014/05/07
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古典的な「ブルー3兄弟」の中では一番地味で不人気なのがこのスチールブルーなのはまず間違いのない所だと思います。金属光沢の無い薄群青色というか灰青色で、華やかさとは対極の存在です。もちろん、渋い美しさとも言えるので別に「汚い」色ではないのですが、やはり皆さんベタには華やかさを求めているようです。 鑑賞面では「ブルー3兄弟」の中で肩身の狭いスチールブルーですが、実は重要な存在意義があります。「メラノブラック」同士の交配には劣性致死遺伝と言う問題がある為、メラノブラック同士での交配が出来ません。その為、「メラノブラック」を作出する際には、メスにスチールブルーを用いるのが定番です。その為、ブラックを手掛けるブリーダーにとっては、絶えず傍系としてスチールブルーの系統を確保していなければならない訳です。 スチールブルー由来のメラノブラックは、どうしても背中付近にスチールブルー由来の発色が生じてしまい、「シルバーバック」と言われる表現形になってしまう事がほとんどです。「ソリッド・ブラックは永久に完成しない」と言われる所以です。 最近、バンコクのブリーダー達はこの事を嫌い、ブラック作出の際にはイエロー系やオレンジ系のイリデセンス(金属光沢)の無いメスを種親に用いる事が多くなりました。そうする事で、「シルバーバック」を出現させないようにしようという事です。 確かに、イエロー&オレンジ由来のブラックには「シルバーバック」は生じませんが、反面肝心のブラックの発色が茶褐色に近い物になるようです。その点、スチール由来の個体は、漆黒に近いブラックの発色を見せてくれますから、個人的にはこちらを支持しますけどねぇ。
2014/05/06
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ロイヤルと並び、非常に人気の高いソリッド・ブルー系品種で、「宝石のターコイズ」からその名を貰っているように、「美しい青緑色の発色」が特徴です。ソリッド・ブルーの中でももっとも華やかな色調だと思います。 古典的な品種で非常にポピュラーな存在ですが、最近ではブルーの割合が減りメタルックな輝きを増した「グリーン」の方が数が多くなっていて、以前の様な「深みのある青緑色」の個体は激減しているのが心配です。 フォルムの点から言っても、ショーベタでもプラカットでも旧タイプ(ロイヤル・ターコイズ・スチール)の個体のレベルは、年々上がるどころかむしろ低下しているのは間違いありません。ハーフムーンが我が国に普及しはじめた当初の美しいフォルムを持ったソリッド・ブルーなんて、今やどこを探しても見当たりませんから、悲しいもんです。 今日紹介した個体は、実は10年ほど前にバンコクで入手したものです。その当時、既にこれ程物凄いレベルの個体が既に作出されていた事に今更ながら驚くと共に、その後10年近くに渡り、この個体を凌ぐような逸品が見当たらない所に、現在ソリッド・ブルーがおかれている現状が如実に表れています。 どちらかと言えば「ベタのカラーバリエーションは豊富であればあるほど歓迎」派である私にしても、改良の大元となるべきソリッド・ブルーのような古典的品種の凋落にはかなりの危機感を覚えております。ブリーダー達がジャンジャンと新しいカラーリングに挑戦していくのは大歓迎ですが、それも「フォルムやカラーリングで建て直しが必要になった時には、原点とも言うべき基本品種の血を入れる」事が可能である事が大前提ですからねぇ。
2014/05/03
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ソリッド系に関しては単一色だけにどうしても、以前の「ベタの色彩」の項と内容が被ってしまいますが、だからと言って省くのもなんですから重複を承知の上で話を進めていきます。 ソリッド系としてはレッドと共にもっとも古典的でポピュラーなのがソリッド・ブルーでしょう。なお、他のソリッド系の様に「ソリッド+カラーリング」と言う呼び名、つまりは表題のようにソリッド・ブルーと呼ぶ事はほとんどなく、更に細分化された色調で呼ぶのが一般的です。 また、ベタには青色素胞は存在しませんから、見た目が例えブルーでもその発色の原理は他の色素胞の混在によるものだけに、それほど単純な話ではありません。ブルーの3大原色であるロイヤル・ターコイズ・スチールだってそれぞれの色彩が完全に独立分離しているのではなく、どちらとも付かない様な発色の個体も多いのが実情です。 今日紹介するロイヤルブルー系のソリッドは、「深みのある青の発色」が特徴で我々がイメージするところの「ブルー」に最も近い発色と言えるでしょう。呼び名としては、ソリッド・ロイヤルブルーとか言う事はほとんど無く、普通は「ロイヤルブルー」だけでこの品種を指す事になっています。 また、以前は頭部は黒く染まる個体しか存在しなかったので、その様な個体をソリッド・ブルーと呼んでいましたが、今では改良が進み今日の個体の様に、全身ブルー一色に染まる「フルフェイス」が作出されています。一応、旧タイプ&フルフェイスともに「ソリッド」に区分されますが、当然の事ながら全身が同一色に染まる「フルフェイス」の方が、ソリッドとしての評価は高くなります。 この様な、旧タイプの「ブラックマスク」から改良が進み「フルフェイス」になったソリッド系としては、ブルーの他にカッパーがあげられます。 以前はもっともポピュラーなソリッド・ブルーでしたが、最近ではメタリックな発色のブルー系個体が多く、純粋な「ロイヤルブルー」はだんだん希少な存在となりつつあるようです。
2014/05/02
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ソリッド系とは、全身が単一色に染まる品種の名称で、英語「Solid=中まで同質の・切れ目の無い・連続した」から来ている品種名です。まぁ、数多いベタの品種名でもっとも判りやすく、しかも理想像が誰が考えても一目瞭然な品種です。 当然の事ながら、全身が単一色で構成されているのがベストなのですが、そこは工業製品じゃなくて生き物の事ですから、そうそう簡単に「全身単一色」の個体なんて見つかるものじゃありません。と言うか、ベタを見続けてウン十年たちますが、純粋な意味での「ソリッド」なんて見た事がありません。 あまりに潔癖症だと、永久にソリッドの個体を入手する事なんて不可能ですから、ある程度の妥協は必要です。まぁ、眼が黒いのは仕方ないとしても(笑)、特にエラ蓋膜や腹ビレ先端部に別の色が存在する所までケチ付けちゃあいけません。 ボディやヒレの付け根付近に存在するイリデセンス(金属光沢のある模様)も、極僅かであれば我慢しましょう。どうしても我慢できない方は、すべてのソリッド系をこれからは「マルチカラー」と呼ばなきゃなりません。もっとも、当然の事ながら少しでも他の色の混じりが少ない個体ほど、「ソリッド」としてはハイグレードなのは言うまでもありません。
2014/05/01
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ベタはグッピーと並び、そのカラーバリエーションがもっとも豊富な観賞魚の一つである事は間違いないでしょう。それだけ古来より愛好されてたと言う事なのでしょうが、こうもバリエーションが豊富だと、品種名の付け方にも何らかの決め事は必要になってきます。外見上の些細な違いで、それぞれの個体に品種名つけてたんじゃそれこそ「ベタの数だけ品種名」って事になりかねません(笑)。そんな訳で、これからしばらくの間「改良ベタのカラーパターン」について言及していきたいと思います。 一応、私個人としての品種名に関するコンセプトは「出来る限り単純で、ネーミングからその個体が想像できる」様なものにすべきだと思ってます。したがって「スーパーウルトラなんちゃら」みたいな、内輪だけでしか通用しない品種名は用いるべきではないと考えています。基本的には「カラーリング+カラーパターン」と言う感じです。例えばブルー&ホワイト(カラーリング)・バタフライ(パターン)の様に。 現在、世間一般で広く普及しているカラーパターンは以下のようなものではないでしょうか。・ソリッド(単色系)・バタフライ・マーブル・ドラゴン・マルチカラー・バイカラー このうちバイカラーについては、ボディとヒレが異なる色で構成されたパターンを指すのですが、実際にはヒレにもボディと同色が入ってしまう場合が大部分なので、私個人的には、このカテゴリーは「マルチカラー」に区分してしまっています。 バイカラーを除く5つの「カラーパターン」とカラーリング(色構成)との併記で、ほとんどすべてのベタは表現できると思っています。 ただ、例外もあって「マスタードガス」や「ラベンダー・バタフライ」の様に、カラーリングに関する表記の無い品種名であっても、広く世間に普及しているものに関しては、その品種名を用います。 あくまでも個人的見解に過ぎませんから、まったく別の意見があるのも当然です。これからの品種紹介も「へぇ~、そんな呼び名もあるんだ」程度に軽く考えて暇つぶし程度にご覧いただくのがよろしいかと思われます。
2014/04/30
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数あるベタの色彩の中で、なんと言っても地味なのがこのカッパーである事は、間違いのないところでしょう。「カッパー=Copper=英語で銅のこと」から来たネーミングで、灰青色の地色で、光の当たり具合によっては鈍く赤銅色に輝く所から付けられたのではないでしょうか。なかなかうまいネーミングだと思いますが、我々のイメージする一般的な「銅色」とはちょっと異なる気もします。 これだけ地味な色彩だと、カッパー系の品種はどれもこれも「地味系」になってしまうのも致し方ないところではあります。そして、予想通り逸品堂での人気も「安定して低調」です(苦笑)。 もっとも、渋いながら精悍なイメージのあるカラーリングなので、「闘魚」のイメージには結構あっている気もして、個人的には決して嫌いではありません。ただ、バンコクでも人気は「安定して低調」な様で、ブリーダー達は余り積極的にこの品種を作出していませんから、特にソリッド・カッパー辺りは探すのが結構大変だったりします。
2014/04/28
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ベタの色彩の中では、我が国で何故か一番不人気なのがこの「オレンジ」の気がします。逸品堂での売れ行きも、オレンジ形が一番悪いのが実情です。ただ、困った事にタイ人はオレンジ色のベタは嫌いではないらしく、かなり盛んに繁殖されています。更に困った事に、私も個人的にオレンジ系のベタは決して嫌いではない為、販売に苦労すると判っていながら、いつも結構な数量仕入れてきちゃうんですよねぇ~。 ベタにおけるオレンジと言う色彩は比較的バリエーションが少なく、大部分個体が今日紹介した個体と同じような発色を見せています。 以前は、レッドと同じように体表にイリデセンス(金属光沢の小点)が目立つ個体が多かったのですが、最近では改良も進み「ほとんどオレンジ一色」の個体も決して珍しくない状況になってきました。
2014/04/27
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) 「黄金色に輝くベタ」と言えば、それはもう間違いなくゴージャス・・・な筈なんですが、現時点での改良ベタの「ゴールド」は、残念ながら本物の金色という訳には行きません。どちらかと言えば「金粉を吹き付けたイエロー」といった感じの発色です。おさかな逸品堂でご購入いただいた後のクレームと言うかお問い合わせいただくカラーリング栄えある1位なのが、実はこの「ゴールド」です。 「ゴールドって言うからには、もっとキラキラしてるんだと思ってました」と言った感じのお問い合わせが結構あります。なかには「この程度の発色でゴールドって名乗るから勘違いしちゃった」と言うお叱りも頂戴しますが、ベタの「ゴールド」はあくまでも金色ではなく、品種名ということでご理解を賜れば幸いでございます(苦笑)。 本当ならば「シルキーイエロー」とか言うネーミングにすべき所だと思います。実際に「シルキーホワイト×イエロー」の交配で「ゴールド」を得る事が出来ましたから(少なくとも私のところでは)、この品種のキラキラ感は「シルキー」由来と考えてよいのではないでしょうか。ただ、この「シルキーホワイト×イエロー」の交配は一度しか経験がありませんから、種親がどのような遺伝形質だったのかの確証がありませんし、種親自体自家繁殖の系統ではなくバンコクで仕入れた個体ですから、この両親の組み合わせでかならずゴールドが生まれる事を保証するものではありませんからお間違いなく。 もっとも、「ゴールド」は現時点ではオスメスともに入手が可能なので、この両親で交配すればほぼ間違いなく子供世代はすべて「ゴールド」になるはずです。ちなみにこちらは、過去に3回ほど自分で試していますので、かなり信憑性はあるのではないかと思われます。
2014/03/13
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簡単に言えば、「黄色の絵の具に白色を混ぜた」様な黄白色のカラーを「パステルイエロー」と呼びます。実際にはやや青みがかっていたりオレンジっぽいとか、微妙にその表現は千差万別です。また、イエロー(インテンスorピュア)との境界線も明確ではないので、どちらともいえないような個体もたくさん存在します。 本来は、パステル系マルチの系統から出てくるものなので、厳密な意味でのソリッド(単色)の個体は案外少なく、大部分はヒレやボディに他色が混じる事が多い様です。バンコクでも、ソリッド系よりもバタフライ系やマルチカラーのこの色調のベタを見かける事が圧倒的に多いのが現状です。 ただ、両親共にほぼパステルイエロー一色の個体を用いれば、次世代はほぼ確実に両親と同じ様なカラーの子供が取れます。やはりイエローの発色が、色素胞が並ぶ層の最下層に位置する(と思われる)事によるのか、パステルイエロー同士の交配でレッドやブルーの発色が次世代に出現するのは、少なくとも私の経験では無い様です。あっ、ただし親に用いた個体のヒレとかに発色していた薄いメタルブルーやグリーンの発色は、かなり忠実に子供世代にも出現します。 鑑賞面からの好みはともかく、作出難度や純粋な色が好みの我が国では、イエローに比べて人気が落ちるのはやむを得ない所でしょうか。まぁ、イエローからパステルイエロー作るのはそれほど難しく無さそうなのに対して、パステルイエローからピュアな発色のイエローを作り出すのはかなりめんどくさいと思われますから、系統維持を考える人にはピュアなイエローをお勧めします。こちらは、純粋な鑑賞目的と言う事で。
2014/03/09
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ベタの色彩としては古典的なものの一つです。それもそのはずで、ベタには黄色素胞が存在しますから、イエローの発色を獲得するのはそれほど困難だったとは思えません。もっとも、「イエロー系」品種のすべてに黄色素胞が存在するのは間違いないにしても、その他の色素胞がまったく存在しないと言う訳でもなく、その結果、同じ「イエロー系」でも、そのカラーリングは千差万別です。 今から30年以上前のイエローは、なんだかベージュと言うか肌色と言うか、どちらかと言うと冴えない色合いだったので、当時イエロー系の人気はあまり高くありませんでした。しかも、鱗の縁に暗褐色の縁取りの痕跡が残ったりして、どちらかと言うと気持ちの悪い?カラーリングとさえ言う人もたくさんいました。さらに追い討ちを掛けるかのように、ボディ内部を走る血管が浮き出て見える事もあり、なおさら「ホラー」な存在でした。しかし、最近のイエローは今日の個体の様に、我々がイメージする所の「イエロー」そのものの発色を見せるようになり、人気もずいぶんと高くなった気がします。 数あるイエロー系の中でも、今日の個体の様に「正確な意味でのイエロー」の発色の個体をインテンスイエローと呼ぶ方も多い様です。インテンス(intense=激しい・強い)と言うよりは、むしろピュア(=純粋)と言う気もしますが、まぁ通称名ですから良しとしましょう(笑)。 イエロー系で最も人気の高いカラーパターンはやはり「ソリッド=(単色)」だと思います。ただ、ソリッドといっても、全身見事にイエローだけという個体はほとんどいません。特に、エラ蓋あたりは暗褐色なのが当たり前ですし、胸ビレの先端部分もホワイトチップになっている個体がほとんどです。また、尾ビレ基部に放射状にメタリックなブルーやグリーンの発色が見られる事もよくあります。 大昔の文献に出ていた気がしますし、私自身の経験上でも「イエローの発色は何層かに分かれるベタの色素胞でも最下層にある」気がします。いままで数多くのベタを見てきましたが、イエローの発色が他の色の上に載った表現形を見た事がありません。 それだけに、イエローの系統維持は種親にいい個体を入手できれば容易と言えます。可視的にイエローという事は、他の色素胞がその下に隠されている可能性がない(少ない?)という訳で、オスメス共にピュアな発色のイエローで子供を採った場合は、見事な程に表現形はイエロー一色に統一されます。もっとも、あくまでもカラーリングの観点での話ですから、体型に関してはまったく別の話です。
2014/03/05
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前回紹介したオペック・ホワイトが「純白」ならば、今日紹介するパステル・ホワイトは柔らか味のある幻想的なパステル画の様な色調です。ちょうど白色の絵の具にほんの僅か他の色を混ぜたような感じと思っていただくと判りやすいと思います。実際にはブルー・グリーン・ピンク・オレンジ・イエローなど本当に様々なカラーバリエーションが存在します。 色彩的には結構美しいカラーバリエーションなのですが、我が国では特に「純白」へのこだわりが強い為か、パステル・ホワイトはオペックに比べると一段低く見られる事が多いようです。まぁ、コンテストに出すのなければ個人の好みで構いませんから、「純白」よりも「幻想的・幽玄」を求める人には、こちらの系統がお勧めです。 ただ、きちんと系統立てて維持しているブリーダがいないかもしくは極少数の為か、全身パステルホワイト1色という個体を探すのは至難の業です。通常は、パステル・マルチ系の生産を手掛けているうちに、たまたま「パステル・ホワイト単色」の個体を得る事が出来たという感じだと思います。
2014/01/29
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数あるベタの色彩の中で、ソリッド系(単色)としてはダントツに人気が高いのがホワイトだと思います。まぁ、我々日本人にとって、「白」と言う色は純潔だったり善だったり、とにかくイメージの良い色だから当然と言えばそれまでなのですが、なぜかその人気はソリッド系に限定されるようで、ホワイトメインのパターン系やマルチ系の人気は今一つです。やはり「白=混じりけのない純潔」と言う事なんでしょうか。 もともとベタは白色素胞を持っていますので、ベタの体色が「白」になる事に何の不思議もないのですが、白色素方以外の色素胞が存在する事によって、その色調が微妙に異なります。現時点では、代表的なホワイト系としてはオペック・パステル・シルキーがあげられるでしょうか。そうそう、カンボジアンと呼ばれる系統のボディに見られるベージュホワイトもありますが、こちらはどちらかと言うと「失敗作」的な存在で、ショークオリティのベタとして扱われる事はほとんどありません。 さて、今日はホワイト系の中でも一番人気の「オペック・ホワイト」を紹介しましょう。「オペック=Opaque」で英語で「不透明な、はっきりしない、愚鈍な」と本来の意味から言うと、あまり好意的でない命名ですが、ここでは素直に「ピュアホワイト」と解釈しましょう。もっとも、正確な英語読みだと「オペイク」だと思うんですが。まぁいいか。「オペック・ホワイト」と言う品種は、正しい意味での「白」つまり絵の具の「白色」をイメージすれば間違いないと思います。 かつて我が国では「スーパーホワイト」なる名称で呼ばれていた事もありましたが、最近では「オペック」に統一されつつあるようです。 とにかく冒頭で述べたように、我が国でのソリッド系オペックの人気は絶大です。おさかな逸品堂でも、仕入れた個体が売れないことはまずありません。ただ、「ホワイト」と言うカラーリングは、撮影で正確な色表現がとても難しく、実物は純白なのに画像では青みを帯びていたり、ややピンクになったりとめちゃくちゃです。まぁ、撮影者の腕が悪いと言われてしまえばそれまでですが、とにかくまともな色表現であった事がほとんどありません。今日の個体だって、実物はもっと「純白」でしたから。 それと、餌による色揚げの影響が出やすいカラーでもあり、タイのブリーダによっては餌に「色揚げ効果の高いブラインシュリンプ成体」を使う奴もいて、そんな所の「オペック」は妙に肌色がかっていたりします。もちろん、餌による一時的な「色揚げ?」ですから、あまり色揚げ効果の高くない普通の餌を与えていくうちに、どんどん普通の「ホワイト」に戻って行きますが、販売側としてみれば正直なところブリーダ達には「ブラインシュリンプ成体禁止令」を発令したい所です。
2014/01/27
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古くは今まで紹介したターコイズ・ロイヤル・スチールの「基本3色」だけだったはずのブルー系も、最近ではその範疇に収まりきらないバリエーションが数多く登場しています。 今日紹介する「マットブルー」もその一つで、色彩的にはロイヤルブルーに近いのですが、艶消しと言うか白色の絵の具を混ぜたような、「薄群青色」のカラーリングが特徴です。また、個体によってはスチールブルーとの区別が難しい微妙な発色の個体も存在します。 まぁ、何度も述べているように、本来「ベタには青色色素は存在しない」訳ですから、存在する色素胞の割合や層の重なり具合によって、微妙に発色が異なるのも当たり前と言えば当たり前すぎる事ではあります。 最近のバンコクでは「マットブルー」は、ブルー系の中でもよく見かける系統になりつつありますが、やはりロイヤルブルーの気品&透明感ある発色に比べると、個人的見解ではありますが少々劣るのではないかと言う気がします。
2013/12/06
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いままで紹介してきた、ターコイズ・ロイヤル・スチールの3つのブルー系の発色は、ブルー系基本3系統とでも呼べるものです。ちゃんと系統立てて累代繁殖させている系統ならば、かなり確実に次世代の表現形を予測する事が出来ます。 まぁ、個人的に一番のお勧めはロイヤル×ロイヤルの組み合わせでしょうか。この組み合わせだと、理論上の次世代はBB:Bb:bb=1:2:1と言う比率になりますから、基本3系統すべての個体を得る事が出来ると言う訳です。もちろん、あくまでも理論上の話であって、「この組み合わせで繁殖させたら次世代がすべてスチールだった」と言う事だって可能性がない訳じゃありません。 次にお勧めなのはターコイズ×ロイヤルでしょうか。こちらだと次世代ではBB:Bb=1:1と言う事で、お荷物的存在になりやすいスチールが出現しませんので、無駄がありません。ロイヤルの個体さえキープしておけば、もし万一スチールの個体が欲しくなっても、次世代で作り出すことができますから安心です。 もっとも、あくまでも系統立てて累代繁殖されている「由緒正しき」?血筋の個体の繁殖の場合ですからお間違えなく。よく判らない系統を用いた場合は、子供世代にマーブルが出ようがぜんぜん違う品種になろうが、それは神のみぞ知るって言う事です。
2013/12/02
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その名の通り、金属のような重く鈍い感じのするダークブルーです。わかりやすい表現で言えば、群青色とグレーの絵の具を混ぜ混ぜちゃったみたいな色調です。まぁとにかく渋い色調なので、人気の方も実に渋めです。おさかな逸品堂でも「どんな絶品マーブルでもスチールブルーの発色の個体は売れ残る」と言う、ジンクスみたいなものが存在するほど人気がありません(涙)。 この状況はバンコクでも同様らしく、ブリーダー達もあまり積極的にこのカラーリングを手掛けようとはしません。したがって、ブルー3原色の中では一番稀な品種と言う事になっています。ただし、別に作出が困難と言う事ではなく、単に生産量が少ないと言うだけですけど。 ちなみに、仮定の遺伝子形はbbつまり劣性ホモのタイプがこの発色となります。従って、ペアともにスチールブルーの個体を用いると、次世代の子供たちはすべてスチール、同系で累代繁殖でもしようものならば、まるで呪われているかの様にスチールばかりが生まれてきます(笑)。 こんな嫌われ者?のスチールブルーですが、メラノブラックの作出では大いに存在価値を発揮します。と言うのも、メラノブラックの繁殖では劣性致死遺伝の関係で、メラノ同士でペアリングが出来ません。その為 メラノブラックのオスに、我らがスチール(笑)のメスを交配するのが「メラノ生産の王道」と言う事になってます。ただ、最近ではイリデセンスの少ない他のカラーリングのメス個体を用いるブリーダーが増え、その唯一の存在意義?も失われつつある、本当に可愛そうな品種です。
2013/11/28
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深みのあるピュアな発色の青で、我々が通常「ブルー」と言う時にイメージする色調にもっとも近いのがこのロイヤルブルーでしょう。混ざり気のないピュアな色調で、ターコイズと並びブルー系としては高い人気を誇ります。こちらは、仮定上の遺伝子形で表現するならばBbつまりへテロ遺伝子の場合の表現形です。 次世代にロイヤルブルーの発色を期待するならば、理論上ではロイヤル×ロイヤル、ロイヤル×ターコイズ、ロイヤル×スチールそしてターコイズ×スチールの4通りの組み合わせが考えられます。 意外と言えば意外、遺伝的にみれば至極当たり前の事ですが、次世代で一番確実にロイヤルを得られる組み合わせはターコイズ×スチールです。この組み合わせの場合、理論上は100%ロイヤルブルーの子供が生まれてくる事になってます。まぁ、あくまでもブルーを構成する色素胞以外の色素胞が存在しない場合ですけどね。
2013/11/27
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宝石のターコイズ(トルコ石)を想像させる、美しい青緑色の発色の事をターコイズブルーと呼びます。数あるブルー系の中でも、最も美しい発色だけに人気も高い色調です。マルチ系、バタフライ系、マーブル系など様々なカラーパターンの個体が存在しますが、やはり一番人気はターコイズブルー一色に染まるソリッド系だと思います。 仮にブルーの遺伝子があったと仮定(実在しない)してそれをBで表すと、BBつまり優性ホモの遺伝子形の個体が、ターコイズブルーの発色になります。と言う事で、自家繁殖の場合、理論上はターコイズブルー同士の交配、ターコイズ×ロイヤル、そしてロイヤル同士の交配で、次世代にターコイズブルーが生まれてくると言う事になります。 ただ、ベタのブルーを表現する為の色素がターコイズブルーの発色になるような構成になっていたとしても、別の色素胞が存在する事で微妙にカラーリングは変化してしまう訳で、必ずしもすべてのターコイズが同じ色調な訳ではありません。
2013/11/26
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改良ベタにとってはブルーという色彩は、レッドと並んで古くから存在するポピュラーな色彩です。ただ、実はベタには青色色素など存在しません。つまり、他の色素胞の混在具合で青く見えているだけなのです。これはベタに限らず、魚類で青色素胞を持つ種類はほとんど存在しません。コバルトスズメだってネオンテトラだって、人間の目にはブルーに見えても、そこに青色素胞は存在しないと言う事です。 確か、マンダリンフィッシュには青色素胞の存在が報告されていた気がしますし、チョット前にはイワシから青色素胞が確認されたと言う研究結果をどこかで眼にした気もしますが、とにかく「青い魚は基本的に青くない」と言う事です。 ベタに関する古い文献で「ベタのブルー(B)の発色は、優性ホモ(BB)の場合はターコイズブルー、ヘテロ(Bb)の場合はロイヤルブルーそして劣性ホモ(bb)の場合はスチールブルーの表現形になる」と言う記述を眼にします。たしかに、外見的にはその通りな気がしますが、実際にはブルー(B)なんて言う遺伝子は存在しない訳で、黒色素胞と虹色素胞の混在で、見た目がブルーに見えているだけの事です。 それだけに、それ以外の色素胞が同時に存在すると、ブルーの発色も微妙に変化していってしまうと言う事になります。実際にブルー系といわれる色調には、上記以外にもグリーン、マットブルーなど様々なバリエーションが存在しています。
2013/11/25
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前回に引き続き、今日紹介する「スーパーレッド」も、厳密にはカラーリングの話ではありません。前回紹介した「カンボジアンレッド」の「ボディにイリデセンスのない明るいレッドの発色」と言う長所はそのままに、「往々にして頭部が白く色抜けする」と言う欠点を解消し、文字通り全身「ベタ赤」になった個体を、バンコクのブリーダー達は「スーパーレッド」と呼んでいます。 もっとも、「体中どこを見てもまったく赤以外の発色が見当たらない」なんて個体はおそらくこの世に存在しないでしょうから、旧ソリッド・レッドやカンボジアンレッドとの間に明確な境界線がある訳ではありません。まぁ、工業製品じゃなく生き物なんですから当たり前と言えば当たり前すぎますが。 そうなれば、当然バンコクのブリーダー達は、すべてのソリッド・レッドの個体を「スーパーレッド」と呼称したくなるのはこれまた自明の理。だってそれだけで商品価値が上がるって言うか、高く売りさばく事は出来ますからねぇ・・・って訳で、最近のバンコクでは「体にイリデセンス入りまくりのスーパーレッド」や「頭部が思い切り白く色抜けしたスーパーレッド」なんて個体がゴロゴロしてます(苦笑)。 少なくとも改良ベタの場合、「そりゃねぇだろっ!」って言うネーミングや販売者のオリジナルネーミングなんかがゴロゴロ氾濫してますから、入手の際には「品種名」で判断するのではなく、実物もしくは画像を見て自己判断するのが吉かと思います。
2013/11/24
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今日紹介する「カンボジアンレッド」は厳密にはカラーリングではありません。初期のレッドは赤色素胞以外に他の色素胞が存在し、特に体表にイリデセンス(輝点)が出現してしまうのが難点でした。もちろん、鑑賞面から言えば個人の好みにすぎないのですが、ソリッド(単色系)と言う事で言えば、レッド以外の他の色の存在は大きなマイナスポイントでした。 ベタブリーダー達は、慎重な選別淘汰を繰り返し「レッドの体表のイリデセンス」をなくす事に力を注いできました。バンコクのブリーダー達はメス親に「カンボジアン」と呼ばれるボディがクリームホワイトでヒレがレッドの個体を用いる事で、このイリデセンスの消失を図ってきました。 その為、バンコクで見かけるソリッド・レッドの多くがボディのイリデセンスはもとより、レッド以外の他色の発色のほとんどないピュアで明るい「レッド」の発色を持つ様になったと言う訳です。 それだけなら、「めでたしめでたし」と言う訳なんですが、残念ながら少々問題点も。赤色素胞だけが存在する為か、往々にして体の一部、特に頭部で赤色が載らない部分が白く色抜けしてしまう事が往々にしてあるのです。しつこいようですが、鑑賞面から言えば「そんなのは好みの問題」で片付けちゃえばいいんでしょうが、ソリッド・レッドと言う観点から物を言えば、頭部が一部白く色抜けしてるなんて事は、大問題な訳です。
2013/11/23
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ベタの色彩としてはブルーと共にもっとも基本的かつ古典的なカラーと言えるでしょう。実際、テレビなどの映像でベタが登場する際は多くの場合「レッド」の個体が使われている気がします。 後述のブルーと違い、ベタは元々「赤色色素胞」を有するだけにその発色の仕組みも単純です。もっとも、ほかの色素胞の存在の有無や多少により同じ「レッド」でもピュアレッドから暗紅色まで様々なバリエーションが存在します。まぁ、工業製品とは違い生き物なんですら、厳密には全く同じ個体は存在しない事は、我々人間について考えてみれば容易に理解できることです。 華やかなだけに、ヒレの長いショーベタのレッドが一番人気の様です。また、もっとも普及しているトラッド系でもレッドの個体が一番人気かつポピュラーなのではないでしょうか。ただ、最近ではプラカットでほとんど他の色が混ざらない「ピュアレッド」の系統が出回る様になり、プラカットのレッドも人気上昇中です。 それと、特定の系統だけにみられる傾向なのかもしれませんが、少なくとも逸品堂で仕入れてくるバンコクのレッド・ベタは、数ある品種の中でも一番「ヒレが固まる」事が多い気がします。水替えをさぼったときなど、真っ先にレッド系のベタのヒレが固まります。逆に「レッド系のベタのヒレが固まったら」、水替えを早急に行った方がいいと言えるかもしれません。 ちなみに、早期であれば「ベタのヒレが固まる」時は、水替え&粗塩が効果的な気がします。また、マジックリーフの利用も個人的にはこの症状には効果がある気がします。もしくは、最近出回るようになった魚病薬「スーマ」でしょうか。
2013/11/22
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キングクラウン ダンボと並び、最近になって登場した新たな品種で、クラウンテールの尾ビレのフィラメント状に伸長する部分が、上下互いに交叉するタイプの事です。たぶん、「王様の王冠」と言う意味じゃなくて、「クラウンテールの王様=King of Crowntail」って言う意味のネーミングなんだと思います。 個人的にも興味ある品種なのですが、作出が難しいようでダンボの様に瞬く間に普及と言う訳には行かないようです。私の知る限りでは、安定してキングクラウンを生産しているブリーダーはバンコクに一人だけ。彼のキングクラウンは基本的に「ブラックカッパー系」です。もちろん、彼としても色んなカラーリングでキングクラウンを作ろうと日夜努力を重ねているようですが、今の所他のカラーリングのキングクラウンはうまく作り出せていないようです。 私自身が試した訳ではないので確証はありませんが、そのブリーダの話によるとキングクラウン同士の交配でも次世代にキングクラウンが出現する確率はかなり低いとの事です。従って、キング×ノーマルの子供は間違いなく「キングクラウンじゃありません」。更に、次世代以降に関しても、どうしても片親をキングにする必要があるため、結局は「ブラックカッパー系品種」に逆戻りと言う事のようです。 まぁ、ショーベタブリーダーの方ならご理解いただけると思いますが「トラッド系の素晴しいカラーを移植する為に、ハーフムーン×トラッドの交配を」って言う試みが、如何に不毛な努力に終わってしまうかみたいなもんです。 今後安定したキングクラウンの生産の為には、「キングクラウンのメス」の見極めがポイントなんじゃないでしょうか。実際にブリーダーのファームにも行きましたが、彼は物凄い数のペアリングを行い、その中からキングクラウンの形質を持った個体を選別すると言うスタイルを採っていました。しかし、オスはまぁ誰が見てもキングクラウンを種親にチョイスできますが、メスの方はキングクラウン同士の子供の中から、意外と無造作に選らんで用いているような気がしました。個人的には、メスの選択こそ最重要ポイントだと思うんだけどなぁ。でも、そのブリーダはプライド高そうなんで、余計な事進言すると彼の機嫌を損ねちゃいそうですし、今の所メスは門外不出なんで自分で試してみる訳も行かず・・・。まぁ、そのうち彼か他のブリーダーからキングクラウン系のメスを入手して、自分で試してみたいと思います。
2013/08/28
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ジャイアント 厳密に言えば「ヒレの形状」ではなくサイズの違いですから、このカテゴリーに入れるのはちょっと問題があるんですが、サイズに関する記述がこの品種だけなので新たにカテゴリー作る訳にもいかず・・・って事で、ご容赦ください。 まぁ、ジャイアントと言えば一言で言って「巨大なベタ」です。通常のプラカットが成魚サイズでも5cm前後なのに対して、ジャイアントでは全長8cmオーバーなんて個体もざらですから、その巨大さが容易にイメージできると思います。 以前は「ただ巨大なだけで、薄汚い」と言うイメージのあったジャイアントですが、最近では改良が進み、少なくともカラーリングの面でプラカットに劣ると言う事はないところまで来ています。ただ、体型的にはいまだショープラカットには及ばないようで、妙に間延びした可愛げの無い(笑)巨大ボディと、体に比べて貧弱目の小さなヒレの個体がほとんどです。 もっとも、最近ではジャイアントも改良が進み、体型的にショープラカット並みの個体や、ショーベタタイプのジャイアントまで登場してきており、そう遠くない未来には体型面でも他の改良ベタに引けをとらないレベルの個体が作出される事は確実と思われます。 ちなみに、ジャイアントと言っても、元はスプレンデンス種ですから、他の品種との交配に遺伝的な障害はありません。ちなみに、ジャイアント×ノーマルサイズのプラカットでは、次世代に中間サイズのプラカットが生まれてくる事から、「不完全優性」と考えるのが妥当だと思います。
2013/08/08
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