絵本ブログ おひさまはらっぱ文庫
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以前紹介した「きたきつねのゆめ」の手島圭三郎サンの作品です。北海道の湖で、春が近づいて北の国に帰る為、おおはくちょう達がいっせいに飛び立ちます。でもその中に、病気の子供がいる出発できない6羽のおおはくちょうの家族がいました。* * * 表紙画像* * *( ジブリオ出版 手島圭三郎/絵・文 1987年)私の家の側にも池があります。毎年寒い時期になると白鳥でいっぱいになります。朝方には群れをなして飛んでいるのでしょう、鳴き声が聞こえてきます。そんな時いつも、この絵本が頭をかすめるんですよ・・あの白鳥達も同じような事があるのかしら?って。病気の子供を置いていかなければならない、白鳥家族の気持を思う時そして置いていかれる子供の悲しさを思う時、胸がいっぱいになってしまいます。手島圭三郎の版画絵本のどれもが、北国の厳しい自然とそこに生きる動物たちのたくましさを描いています。一貫したテーマの中に、家族愛・絆・生命というものが見えます。また手島圭三郎の絵本の中で「おおはくちょうのそら」は、特に絵の線がはっきりしていると思う。遠くからも良く見え、大勢の子供達への読み聞かせにも最適かもしれません。自然の素晴らしさを子供達にも、忘れてしまった大人も感じて欲しいなと思います。*作者紹介*1935年 北海道紋別市生まれ。北海道学芸大学札幌校卒業。 教員生活を経て版画家として独立。日本版画協会会員。現在、北海道江別市在住。 1982年 「しまふくろうのみずうみ」絵本にっぽん賞はじめ数々の賞を受賞1985年 「カムイチカプ」で厚生省児童文化福祉奨励賞1986年 「きたきつねのゆめ」イタリア・ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞1987年 「きたきつねのゆめ」「おおはくちょうのそら」ニューヨークタイムス紙選世界の絵本ベストテン(2年連続) 1992年 「ニューヨーク国連地球サミットポスター製作1997年 「おおはくちょうのそら」ドイツ文学賞絵本部門ノミネート手島圭三郎(きたきつねのゆめ)過去の絵本日記へ
2003年02月12日
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