プラタイ~PrivateTime~

2010/12/26
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カテゴリ: 歴史あれこれ
相変わらず、新しい発見のできる話が続く。


特に印象に残った話を挙げる。



・家康について

信長-秀吉-家康、激動の戦国時代を代表する3人に関して語っている。

「つまり秀吉が政治家であるとすれば、信長は前衛芸術家であり、家康は高級官僚である。」

「信長が出なかったら、秀吉も家康も歴史に名を残さなかったであろう。

家康の幸運は、信長の運を語らなければわからない。

かれらはいずれも、愛知県人である。

この県内を、東海道が通っている。

東海道は、頼朝以来、日本史の権力街道となった。」


と、三人の性格や生まれた土地がいかに有利であったかを解説している。



・五千万円の手切れ金を払った女

戦後の廃墟である大阪で身を起こし、"夜の大阪商工会議所のぬし"とまでいわれた、日本一の酒場の経営者、太田恵子という女性の豪快な一生のお話。

「たかがバーというひとがいるかもしれないが、

このたかがノミ屋の建築装飾費が一億円もかかっている。

キャバレーの百分の一ほどの敷地のこの酒場が、

大阪国税局管内で最高額の遊興飲食税を支払っているという事実からみれば、

もはや巨大な産業である。」




また、数話にわたって神戸について語っており、大阪との比較もおもしろく興味深かった。

「たれもふりむかぬというには個人主義がそれだけ確立しているということだ。

たれが、どんな服装で歩いていようと、それは勝手だ、という精神は、

日本の社会では驚嘆すべき異風土といえる。」





その他、先祖代々長男に同じ名前をつけ、また、容姿も似ている、という話もあり、

自分の身近な知り合いなどが、実は歴史上に名を残した人物であったという発見もあり、

私にとっては、歴史そのものがとても近い存在と感じ、なんだかゾクゾクした。





昭和28年10月~昭和36年10月の89篇のエッセイ集。
司馬遼太郎が考えたこと1







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Last updated  2010/12/26 03:03:36 PM
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