趣味の漢詩と日本文学

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August 6, 2005
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贈秦系徴君  

羣公誰譲位、五柳獨知貧。  
惆悵青山路、煙霞老此人。  
【韻字】貧・人(平声、真韻)。
【訓読文】
秦系徴君に贈る。
群公誰にか位を譲らん
五柳独り貧なるを知るのみ
惆悵す青山の路

【注】
○秦系 字は公緒。会稽の人。天宝の末、乱を■(左に炎、右にリットウ。センとよむ)渓に避く。泉州南安の九日山中に隠棲す。『老子』に注す。
○徴君 学徳高く天子から招かれても、官職につこうとしない者。
○群公 天子・君主・諸侯。また最高の官位。三公。公卿。
○五柳 東晋の陶淵明は庭に五本の柳を植えて、みずから五柳先生と号した。
○惆悵 悲しみ嘆く。
○青山 樹木があおあおと茂っている山。
○煙霞 モヤとカスミ。山や川の美しい景色。
【訳】天子のお召しにも応じぬ秦系に贈る。
天子や公卿もほかの誰に位を譲ろうとお考えになろうか、
君にこそ位を譲りたいと思っておられる。

それにしても嘆かわしいのは、君ほど才能ある者が、
樹木がうっそうと茂る山奥のモヤやカスミの中で、むなしく歳をとってしまうことよ。





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Last updated  August 6, 2005 07:24:50 PM
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