趣味の漢詩と日本文学

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October 6, 2005
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カテゴリ: 漢詩・漢文
雨中過員稷巴陵山居贈別 
憐君洞庭上、白髮向人垂。
積雨悲幽獨、長江對別離。
牛羊歸故道、猿鳥聚寒枝。
明發遙相望、雲山不可知。
【韻字】垂・離・枝・知(平声、支韻)。
【訓読文】
雨中に員稷が巴陵山居に過(よぎ)りて贈別す。
憐む君の洞庭の上(ほとり)に、白髮人に向つて垂るるを。

牛羊故道を帰り、猿鳥寒枝に聚まる。
明発遙かに相望むも、雲山知るべからず。
【注】
○員稷 劉長卿の友人らしいが、未詳。
○巴陵 湖南省岳陽県の南西にある山。
○山居 山中の住居。
○贈別 送別の時、詩文を餞別として贈る。
○洞庭 湖南省の湖。
○積雨 長く降り続く雨。
○故道 ふるい道。
○寒枝 さびしい冬枯れの枝。

【訳】
雨の降る日に員稷の巴陵の山居に立ち寄り、別れ際に贈った詩。
あれまあ、君もこの洞庭湖のほとりに住むようになって、白髪頭の年寄りになったもんだ。
降り続く雨は静かな山暮らしの孤独をいっそう深め、長江が別れの悲しみを知ってか知らずか無情に流れている。
牛や羊はふるびた道を帰路につき、サルや鳥は寒々とした木々の枝にあつまる。






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Last updated  October 6, 2005 10:47:49 PM
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