趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

October 22, 2005
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カテゴリ: 漢詩・漢文
重推後卻赴嶺外待進止寄元侍郎 
卻訪巴人路、難期國士恩。
白雲從出岫、黄葉已辭根。
大造功何薄、長年氣尚冤。
空令數行涙、來往落湘■(サンズイに元。ゲン)。
【韻字】恩・根・冤・■(ゲン)(平声、元韻)。
【訓読文】
重推の後卻つて嶺外に赴かんとして進止を待ち元侍郎に寄す。
卻つて訪ふ巴人の路、期し難し国士の恩。

大造功何ぞ薄き、長年気尚ほ冤(かが)む。
空しく数行の涙をして、来往して湘■(ゲン)に落としむ。
【注】
○嶺外 広東・広西両省のあたり。
○進止 指図。
○元侍郎 劉長卿の友人であろうが、未詳。「侍郎」は、中書省や門下省などの次官の役。
○巴人 四川省重慶市あたりの人々。
○国士 一国中ですぐれた人物。
○白雲従出岫 陶淵明《帰去来辞》「雲は無心にして岫を出づ」。
○冤 屈して伸びない。
○大造 大きな功を成し遂げる。

【訳】
再び辞令を受けて後、嶺外に赴任するつもりで、朝廷からの指図を待ちながら元侍郎に贈る詩。
あべこべに巴の地方の道をおとずれたものの、国を代表するような立派な人物の恩恵にはあずかれそうにない。
白雲が山の洞穴から次々と湧きだし、黄葉した葉は、はやくも根本で朽ちたらしい。
大きな手柄を立てても、なぜ報われないのか、長い間の不遇生活に気持ちも挫けてしまう。





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Last updated  October 22, 2005 09:18:46 PM
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