趣味の漢詩と日本文学

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November 28, 2005
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カテゴリ: 漢詩・漢文
送舍弟之■(「番」のみぎにオオザト。ハ)陽居 劉長卿
■(ハ)陽寄家處、自別掩柴扉。
故里何人在、滄波孤客稀。
湖山春草遍、雲木夕陽微。
南去逢迴雁、應憐相背飛。
【韻字】扉・稀・微・飛(平声、微韻)。
【訓読文】
舍弟の■(ハ)陽の居(キョ)に之(ゆ)くを送る。
■(ハ)陽は家を寄する処、自から別れて柴扉を掩(おほ)ふ。

湖山春草遍(あまね)く、雲木夕陽微(かすか)なり。
南去して回雁に逢はば、応に相背(そむ)きて飛ぶを憐むべし。
【注】
○舍弟 他人に対して自分の弟を謙遜して呼ぶ。
○■(ハ)陽 江西省北部の■(ハ)陽県。
○寄 仮住まいする。
○柴扉 枯れ木の小枝で造った門。隠者の家などにいう。
○故里 ふるさと。昔すんだことのある土地。
○滄波 青い波。
○回雁 北へ帰るガン。雁行(雁の列)は、家族や兄弟のたとえ。
【訳】

おまえはこれから■(ハ)陽に仮住まい、柴で造った門を閉じてみずから別れていく。
故郷には知り合いが何人くらい達者でいることだろうか、青い波を舟に揺られて一人で旅をするのはおまえぐらい。
湖中の山は春の草が一面に茂り、雲にとどくほど高くそびえる木を夕日がかすかに照らす。
南へ向かう途中で北へ帰るカリと出くわしたら、きっとおまえが兄弟と反対方向へ向かうのを気の毒がるにちがいない。





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Last updated  November 28, 2005 07:23:00 PM
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