趣味の漢詩と日本文学

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January 9, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
家園瓜熟是故蕭相公所遺瓜種悽然感舊因賦此詩 劉長卿
事去人亡跡自留、黄花緑蒂不勝愁。
誰能更向青門外、秋草茫茫覓故侯。
【韻字】留・愁・侯(平声、尤韻)。
【訓読文】
家園の瓜熟せり。是れ故蕭相公の遺(のこ)したまひし所の瓜の種にして、悽然として旧に感じ因つて此詩を賦す。
事去り人亡くして跡自ら留まる、黄花緑蒂愁に勝(た)へず。
誰か能く更に青門の外に向かつて、秋草茫茫として故侯を覓めん。
【注】

○悽然 悲しい様子。又、物寂しい様子。
○賦詩 詩を作る。
○不勝愁 悲しみにたえられない。
○向 場所を示す助字。……において。
○青門 漢の召平は、もと秦の東陵侯であったが、秦の滅亡後、長安城東の青門に瓜を植えた。その味は甘美だったという。
○茫茫 果てなく広がるさま。
○覓 探しもとめる。
○故侯 秦の東陵侯召平。暗に蕭相公を指す。
【訳】
家の菜園の瓜が熟した。この瓜は漢の蕭何さまが残された種で、しんみりと昔を想い作った詩。
漢の時代もすでに去り、蕭何さますらもはやない、黄色い花に青いへた、見るたび昔しのばるる。








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Last updated  January 9, 2007 02:53:24 PM
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