趣味の漢詩と日本文学

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March 29, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
使還七里瀬上逢薛承規赴江西貶 劉長卿
遷客歸人醉晩寒、孤舟暫泊子陵灘。
憐君更去三千里、落日青山江上看。
【韻字】寒・灘・看(平声、寒韻)。
【訓読文】
使ひして還り七里瀬上にて薛承規の江西に貶せられて赴くに逢ふ。
遷客帰人酔ひて晩寒し、孤舟暫らく泊む子陵灘。
憐れむ君の更に去ること三千里なるを、落日青山江上に看る。
【注】

○薛承規 宰相をつとめた薛絵の子。
○江西 江南西道。治所は江西省南昌市。
○貶 官位を落とされ地方へ流される。
○遷客 罪を得て遠方に流される人。薛承規を指す。
○帰人 帰りゆく人。作者自身。
○孤舟 一艘の舟。
○子陵灘 七里瀬。子陵は漢の厳光(前三七……四三年)。光武帝の旧友だったが、富春山に隠れ住み、仕官せず、釣りをして暮らした。
○憐 同情する。
○三千里 きわめて遠いたとえ。
○江上 川のほとり。
【訳】

君は左遷の憂き身にて我は使いの役目終え帰る途中の身のうえよ、酒酌み交わすこの夕べ、風の寒さが身にしみる。小舟を子陵灘に停め、しばし名残を惜しもうや。君の前途は三千里、川のほとりで眺むれば、遠くに見える青山に今や夕日が落ちかかる。





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Last updated  March 29, 2007 02:07:25 PM
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