趣味の漢詩と日本文学

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July 21, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
獻淮寧(一作寧淮)軍節度使李相公(一作淮西將李中丞、又作獻南平王) 劉長卿
建牙吹角不聞(一作戟門)喧、三十登壇衆所尊。
家散萬金酬士死(一作死事)、身留(一作持)一劍答君恩。
漁陽老將多迴席、魯國諸生半在門。
白馬翩翩春草細(一作緑)、郊原(一作少陵、一作邵陵)西去獵平原。
【韻字】喧・尊・恩・門・原(平声、元韻)。
【訓読文】
獻淮寧(一作寧淮)軍の節度使李相公に献ず。(一に作「淮西将李中丞」に作り、又「献南平王」に作る) 
建牙吹角喧すしきを聞(一に「戟門」に作る)かず、三十にして壇に登り衆の尊ぶ所なり。

漁陽の老将多くは席を迴り、魯国の諸生半ばは門に在り。
白馬翩翩として春草細く(一に「緑」に作る)、郊原(一に「少陵」に作り、一に「邵陵」に作る)西のかたに去りて平原に猟す。
【注】
○淮寧軍節度使 淮西の方鎮。治所は蔡州にあった。
○李相公 李希烈。建中二年(七八一)五月に南平王に封ぜられ、八月に襄陽を攻めて梁崇義を誅し、九月に同中書門下平章事を加えられた。
(一に作「淮西将李中丞」に作り、又「献南平王」に作る) 
○建牙 将軍の旗である牙旗を建てる。
○吹角 軍中でもちいる角笛を吹く。
○登壇 将軍となる。
○家散万金酬士死 家財をなげうって部下の兵士をねぎらう。
○君恩 天子のご恩。

○迴席 席を避ける。謙譲の礼節を示す。
○魯国諸生 魯の儒学者。
○翩翩 動きが軽やかなようす。
○邵陵 漢の県の名。故城は蔡州偃城県の東四十五里に在り。
【訳】

将軍旗たて笛吹けば叛乱軍もなりひそめ、三十にして登壇しその身は人に尊ばる。
家財を払い士に酬い、身は剣振るう君のため。
漁陽の老将席を去り、魯国学者は来訪す。
白馬にまたがり軽やかに春の草をばふみしめて、邵陵こえて西にゆき平原の地へいざゆかん。






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Last updated  July 22, 2007 07:06:04 PM
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