趣味の漢詩と日本文学

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October 14, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
■(「員」にオオザト。イン)上送韋司士歸上都舊業(司士即■公之孫,頃客於■上) 劉長卿
前朝舊業想遺塵、今日他郷獨爾身。
■(イン)地國除為過客、杜陵家在有何人。
蒼苔白露生三徑、古木寒蝉滿四鄰。
西去茫茫問歸路、關河漸近涙盈巾(一作此去茫茫盡秋草、離心萬里逐征輪)。
【韻字】塵・身・人・隣・巾(平声、真韻)。
【訓読文】
■(「員」にオオザト。イン)上にて韋司士の上都の旧業に帰るを送る。(司士は即ち■公の孫にして、頃(このごろ)■上に客たり)
前朝の旧業遺塵を想ひ、今日他郷独り爾の身。

蒼苔白露三径に生じ、古木寒蝉四隣に満つ。
西去茫茫帰路を問へば、関河漸く近くして涙巾に盈つ(一に「此去茫茫尽秋草、離心万里逐征輪」に作る)。
【注】
■(「員」にオオザト。イン)上 随州■水のほとり。
○韋司士 未詳。「司士」は、州・郡の補佐官。
○上都
○旧業
○■公 韋安石。武后・中宗・睿宗の世に、相として仕え、■国侯に封ぜられた。
○頃 このごろ。ちかごろ。
○前朝 前の皇帝の御代。
○旧業 古い屋敷。

○今日 現在。
○他郷 先祖の地をはなれた異郷。
○国除 封爵を削除される。
○過客 旅人。故郷を離れた人。
○杜陵 漢の県の名。陝西省西安市の東南。漢の宣帝の陵墓がある。

○白露 秋に生じるしらつゆ。
○三径 庭の三つの小道。漢の蒋▼(「言」のみぎに「羽」。ク)は、庭に三本の小道をつくり、松菊竹を植えた。
○古木 老木。
○寒蝉 ヒグラシ。
○四隣 四方。あたり。
○西去 西に向かう。
○茫茫 はてしないようす。
○関河 国境の川。
○漸 だんだん。
○巾 手ぬぐい。
【訳】
■(イン)水のほとりで韋司士が長安の旧宅に帰るのを見送る。(司士は即ち■公の孫で最近、故郷を離れて■水のほとりに来ていた)
君が先祖は前の御代、長安の地にぞ住みたもう、現在君はただ独り他郷に暮らすさびしさよ。
■(イン)の土地をば後にして旅をする身となりにけり、杜陵の土地に家の在るもの何人もあるまいぞ。
屋敷の道にコケはむし、草の葉に置く露多し、年古りた木に蝉は鳴き四方にひびく秋はきぬ。
はるかに西を目指しゆくその帰路君に問うたれば、国境の川近づきて手ぬぐいぬらす涙かな。





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Last updated  October 20, 2007 04:55:51 PM
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