趣味の漢詩と日本文学

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February 5, 2011
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カテゴリ: 国漢文
【本文】太政大臣の北の方うせたまひて、御はての月になりて、御わざのことなどいそがせ給ころ、月のおもしろかりけるに、はしにいでゐたまて、物のいとあはれにおぼされければ、

かくれにし月はめぐりていでくれどかげにも人はみえずぞありける
【注】
・太政大臣=藤原忠平。藤原基経の第四子。摂政・関白・太政大臣を務めた。(880……949年)。
・はて=四十九日が終わる日。または、一周忌。
・わざ=法事。
【訳】太政大臣藤原忠平さまの奥方さまが、お亡くなりになって、服喪期間の終わりの月になって、御法要のことなどを御準備なさっていたころ、月が美しかった晩に、座敷の端に出てお座りになって、亡き人のことなどが非常にしみじみと感じられたので、

かくれてしまった月は、再びめぐって空に出てくるけれども、幻影にも私の愛するあの人は姿を見せないなあ。








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Last updated  February 5, 2011 12:37:37 PM
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