がらくた小説館

子を思えば…

私はある日、電車に乗っていました。すると目の前を子供が行ったり来たりを繰り返します。

 小学校三年生ぐらいの男の子でしょうか?周りの迷惑をかえりみず、靴のまま座席に立ったりと、忙しく駆けずり回っていました。

 親はと言うと、雑誌を読みふけり、無関心な態度。さすがに頭に来た私は子供を捕まえて叱りました。

 ですが私の忠告を無視するばかりか、子供は今まで以上に騒ぐばかり。もちろん親は見てみぬ振りです。

 そこで私は子供の頭をはたきました。けっして暴力は好きではない私ですが、この時ばかりは「愛のムチ」だと思い、手を出しました。叩いた私の手も心も痛かったのは、皆さんもお分かりですよね!?

ですがそれでも子供はおとなしくしませんでした。
ですからもう一度殴りました。

ですがそれでも子供はおとなしくしませんでした。
ですからもう一度殴りました。

ですがそれでも子供はおとなしくしませんでした。
ですからもう一度殴りました。

ですがそれでも子供はおとなしくしませんでした。
ですからもう一度殴りました。

ですがそれでも子供はおとなしくしませんでした。
ですからもう一度殴りました。

ですがそれでも子供はおとなしくしませんでした。
ですからもう一度殴りました。

そして子供はおとなしくなりました。

そこでもう一度殴りました。





 ですが、それでも親は雑誌を読みふけっていました。



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