*** しあわせのかけら ***

「天国の特別な子ども」

天国の特別な子ども

会議が開かれました。
 地球からはるか遠くで
 “また次の赤ちゃん誕生の時間ですよ”
 天においでになる神様に向かって 天使たちは言いました。
 “この子は特別の赤ちゃんで たくさんの愛情が必要でしょう。
 この子の成長は とてもゆっくりに見えるかもしれません。
 もしかして 一人前になれないかもしれません。
 だから この子は下界で出会う人々に
 とくに気をつけてもらわなければならないのです。
 もしかして この子の思うことは
 なかなか分かってもらえないかもしれません。
 何をやっても うまくいかないかもしれません。
 ですから私たちは この子がどこに生まれるか
 注意深く選ばなければならないのです。
 この子の生涯が しあわせなものとなるように
 どうぞ神様 この子のためにすばらしい両親をさがしてあげてください。
 神様のために特別な任務をひきうけてくれるような両親を。
 その二人は すぐに気がつかないかもしれません。
 彼ら二人が自分たちに求められている特別な役割を。
 けれども 天が授けられたこの子によって
 ますます強い信仰と豊かな愛を抱くようになるでしょう。
 やがて二人は 自分たちに与えられた特別の
 神の思し召しをさとるようになるでしょう。
 神からおくられたこの子を育てることによって。
 柔和でおだやかなこのとうとい授かりものこそ
 天から授かった特別な子どもなのです”

           Edna Massimilla 作
           (大江祐子 訳)


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私がこの詩に初めて出会ったのは、まさに汐音のダウン症の検査結果を告知された日でした。
真夏の暑い夜、汗をかきながら話をしてくださった主治医の先生。この詩にうまく言い表すことのできない思いを託してくださったのだと思います。私はその時は「特別な任務なんて」と、素直にこの詩を受け入れることはできなかったけど、その先生の誠実さに感謝の気持ちでいっぱいでした。
今ならなんとなくわかるような気がします。この詩を受け入れられる気がします。
もちろん、今でも「すばらしい両親」には程遠いですが、汐音と一緒にいると、なんとも幸せな優しい気持ちになれるのです。(2005年5月25日)


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