伊勢海老釣るなら三河商店

名古屋弁

【あ行】

あいさ 【aisa】
漢字で書くと、「間」。読んで字の如く、「あいだ」の意。しかし「冷静と情熱のあいさ」が正式タイトルだったとしたらベストセラーにはなりえなかったかもしれない。
使用例  「本棚の あいさ にゴミがようけ落ちとる」

行こまい 【ikomai】
行くの勧誘形。 「行こうよ」と言われるより、断りにくい雰囲気。この漢字を「生こまい」や「逝こまい」とすると、人生の深みを感じざるを得ない。
使用例  まー一軒 行こまい

いっちゃん 【icchan】
一番、の意。いちばん、いちばん…… と何度も繰り返していると、次第にいっちゃんとなってくる、ような気がしないでもない。ニュアンス的には「一等」の方が近い。
使用例   いっちゃん 最初に並んどったよ

えらい 【erai】
偉い、では決してない。 疲れた、苦しい、など物事が尋常でないさま を指す。自分の心情を訴えるために他地方出身の上司に使用して、 誤解をうけたサラリーマンは多いはず。まさに「えらい目にあう」だ。
使用例  徹夜が続いて、むちゃむちゃ えらい 。助けて……

おそがい 【osogai】
恐ろしい、怖いの意。 あまり怖がっている感じが伝わってこないうえ、 緊迫感に欠けるのでTPOをわきまえて使用するべきかと
使用例  「饅頭 おそがい

おーちゃくい 【ouchakui】
漢字をあてれば歴然、横着。 元来の意味はなまけることを指しているが、名古屋弁においてはやんちゃな様を指す。はっちゃけて動きまわる姿と、なまけている様子とは程遠く感じるのだけれど。
使用例  彼って おーちゃくい トコロが魅力なんだわ

【か行】

がや 【gaya】
文末につく助詞。横浜で言うところの「じゃん」、関西で言うところの「やん」に相当。動詞のあとにつけて活用するとネイティブっぽい。
使用例  「千駄ヶ谷におった がや 」 「ガヤガヤうるさい がや

かしわ 【kashiwa】
鶏肉の意。特に名古屋コーチンを指すわけではない、と、思いたい。判断は各々の家計に準ずる。
使用例  「 かしわ 入りの味噌煮込み」

鍵をかう 【kagi-wo-kau】
標準語に即せば、「鍵をかける」。元々は「かんぬきをかう」といった事例で使用されていたが、時代の変化とともに 「鍵をかう」と対象となる語句だけが代わったため、地方特有の表現となった。漢字にすると「支う」。
使用例   鍵かった かどうか、みてきていい?

かんこーする 【kankousuru】
勘考、じっくり考えるさま。これより転じて、おもちゃ屋のことをカンコウ場とも呼んだりする。たしかに子供にとっておもちゃ屋さんほど使用例:告白の返事……かんこーさせて……熟考を強いられる場所はあるまい。
使用例  告白の返事…… かんこー させて……熟考を強いられる場所はあるまい。

けった 【ketta】
自転車のこと。 ペダルを蹴って進むため、「けったくる」を語源に発するが、そもそも「蹴ったくる」という言葉自体が方言だ。原動機付自転車を原ケッタとは言わない、念のため。
使用例  今日 けった ドコ止めた?

ござる 【gozaru】
「居る」の尊敬語。みえる・いりゃあす・おる・ござる、以上が名古屋特有の言い回し 四点セット。これを使いわけることができれば、立派な地元民。
使用例  社長、 ござらっせる

こそばい 【kosobai】
「くすぐったい」の意、またはくすぐったくなるようなさま。痒さなどの不快を示すときにも使えて便利な言葉だが、くすぐったさをアピールする機会などあまりないはず。にも拘らず方言として成立しているのが実に名古屋らしい。
使用例  「歯の浮くような言葉きいて、耳が こそばい よ」

こっすい 【kossui】
ずるい、の意。漢字をあてると、狡猾の字をとって「狡い」。単に「ズル」だと言われるよりも、戦略というか悪賢さを責められている気になる。が、間に「っ」が入ることによってなんだか可愛らしい語感に。コイツゥ☆みたいな。
使用例   今更そんな事言うなんて、アナタ、 こっすい 人だね……

【さ行】

さぶぼろ 【sabuboro】
いわゆる、鳥肌。「さぶいぼ」とも言う。寒さで皮膚にぼろができる、鳥肌の具体的なイメージを一言で表現せしめている、説得力あふれた単語。
使用例  「冷房ききすぎで さぶぼろ がでるがや」

在所 【zaisho】
実家、郷里の意。ただし、名古屋近隣には御在所岳という地名が存在するため誤解を招くこともしばしば。
使用例  「休みの日は 在所 に帰って休みたいがや」

車校 【shakou】
自動車学校の略語。名古屋人が地方にでて衝撃をうける、「標準語だと信じて疑った事もない言葉」のうちの一つ。教習所と言うのが一般的だが、モータースクールと呼ぶ地域もあるのであなどれない。
使用例  「そろそろ 車校 に行かなかん」

【た行】

足る 【taru】
「足りる」の意。しかし元々は「足る」の方が歴史は長く、近世の江戸から活用により「足りる」が標準語と成った。  由緒ただしい名古屋初の逆輸入語句、かも。
使用例  乾杯用のビール、これだけで 足る

だもんで 【damonnde】
だ、もので」の音変化。だから、の意。かつてこの地方で「夜だもんで」というタイトルの番組が放送されていたが、「夜だから」と言われても困る、気がする。
使用例  「二日酔い だもんで もうちょっと寝かせて……だわ」

たわけ 【tawake】
関東で言うところの馬鹿、関西で言うところの阿呆。その中間に位置するこの地域のみに生息する、愛あふれた罵倒語。語源は戯け。
使用例  「 たわけって 言う奴が たわけ だわ」

ちんちん 【chin-chin】
元々は鉄瓶などの湯が煮えたぎる音を指し、転じて「非常に熱いもの」そのものを指す語句に。名古屋出身婦女子が地方にでて不用意に使って失笑、もしくは大惨事を招くことになりかねない禁断の句。
使用例  それ、 ちんちん だから触ると危ないよ

ちゃっと 【chat】
おしゃべりの意、ではもちろんなく、「直ぐに」の意。さらに急かせるときには「ちゃちゃっと」、もっと急かせるときには 「ちゃちゃちゃっと」。「ちゃ」の数が増えれば増えるほど追い立て られる気分、増量。
使用例   ちゃちゃっと 片付けて、遊びいこ?

机をつる 【tukue-wo-tsuru】
標準語に即せば、「机を動かす」 といった所か。 しかし、机といえば「つる」ものだと無意識下に刷り込まれているため他の言い回しが思いつかない、名古屋出身文章屋を悩ませてやまない語句のうちのひとつ。
使用例  掃除するから教室の後ろに 机つってー

でら 【dera】
とても、すごく、の意。どえらい、が省略してできた語句。ちなみに「デラべっぴん」のデラはデラックスの略だが、意味は「ものすごく美人」という点で共通している。
使用例  「彼女、 でら べっぴんだがや」 発音が違うので使用上は要注意。

ときんときん 【tokinntokin】
尖った状態、またはその様。字面からして鋭利、するどく研がれた切っ先が今にも……先端恐怖症の方にはオススメできない語句。
使用例  この鉛筆、 ときんときん だが。この鉛筆、 ときんときん に削っといて

とろくさい 【torokusai】
のろい・まだるっこしいさまが本来の意味だが、そこから転じて、ふざけたさま、にも用いる。 語感がきついため、否定語句と併用する場合が多い。
使用例  彼ったら、 とろくさい でかんわぁ

【な行】

にすい 【nisui】
にぶい、の意。運動のにぶさ、よりむしろ、感覚のにぶさを表現する際に使用する。上級形は「ニッスイ」となるが、文字だけでみると理系企業の社名みたいで、鈍さから離れていくようだ。
使用例  彼って にすく って、中々気付いてくれん

ぬくとい 【nukutoi】
「暖かい」の意、またそのさま。ぬくぬくとしている様子が字面からすらもただよってきそうなおだやかなる方言。
使用例  「冬の朝は ぬくとい 布団からでられんがね」

【は行】

ひきずり 【hikizuri】
肉をひきずる様から料理名そのものを命名。一般的な名古屋の家庭では大晦日は必ずひきずり鍋、と相場が決まっていたものだ。 年内のうちにその年のしがらみをひきずり終えて新年をむかえる、といった家族の姿は、今となっては「やっとかめだなも」という言葉をリアルで聴くくらいの稀少価値。
使用例  今度の飲み会は ひきずり 鍋でかん?

B紙 【B-shi】
模造紙を指す。サイズ名「B全」からついた名前。主に小学校時代の壁新聞や自由研究で重宝する大きい紙。デザイン学校でも言わない略しかたなのが渋い。
使用例  「学校に B紙 持ってきてちょ」

放課 【houka】
授業と授業の間の休み時間。昼休みは「昼放課」、長い休み時間は『大放課』。一般でいう「放課後」とは使いかたが異なる。放課の後、すなわち授業をさすことになってしまうのだ。
使用例  「法科の 放課 に放歌したった」

ほかる 【hokaru】
捨てる、の意。 漢字にすると「放(か)る」になり、また、この言葉のイメージから、捨てておいてほしかったのに、投げられたり、そのままの状態にしておかれたり、など、同居人との喧嘩にもなりかねない動詞。
使用例  この本、 ほかって おいてくれない?

【ま行】

まっぺん 【mappen】
もう一度、の意。もう一遍、から転じて成った語句。この言葉ひとつからも、名古屋人の気迫と意地がうかがえる。
使用例  「 まっぺん 天下統一したろまい」

めちゃんこ 【metyanko】
滅茶苦茶、から成った句だが、デタラメさを指すのではなく、「大変・すごく」の意味をもつ。ある年代にはペンギン村で使われていた記憶として植えつけられていると思われるが、あの村のモデルが名古屋であるため、自然の成り行きだ。
使用例  小倉スパゲッティ、 めちゃんこ 美味しかったよー

もっさい 【mossai】
野暮ったい、の意。なにせこの言葉からしてあか抜けなさが伝わってくる。木更津地方で開催される「やっさいもっさい祭り」の同語句は、単に掛け声を示すものであり大きく意味が異なる。
使用例  「部活の猛者なのに、 もっさい 髪型しとるねえ」

【や行】

ようけ 【youke】
たくさん、の意。「余計に」を語源に派生した句と思われる。数が多いほうがいいじゃん、的なノリが漂う語句だが、すべての名古屋人が見栄っぱりなわけではないのは、関西人がみな納豆を食べられないわけではないのと同じ。
使用例  「養鶏場で ようけ 卵貰ったがや」

【わ行】

ワヤ 【waya】
台無し、の意。関西弁や土佐弁、北海道などにも流布する共通方言。辞書で引くとはっきりと【関西方言】と明記してある。カタカナで表記しがちなのが、名古屋弁でのワヤ。
使用例  「関西弁なんて言われると、この項が ワヤ になってまうがね」

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