徒然なるスキマ

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Oct 30, 2008
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カテゴリ: 雑記等
「フラン!」

フランの発した言葉にレミリアは憤怒し、ばっと立ち上がった

「あはは、冗談、冗談よ、ごめんなさいね
 ほら…、お姉さまもそんなに目くじらを立てないで、ね?」

その場をとりなそうとフランは言葉を訂正した

「…物事には冗談にとれる時と、そうでない時があるわ
 あなたのその軽率な言葉のせいで今日のご飯も不味くなってしまうのよ
 これからは言葉をちゃんと選んで話しなさい」

椅子に座りながらフランを諭す


 たとえ嫌味なことを言われたとしても気にしないであげて
 妹様には何の罪も無いから、悪いのはね…私たちかもしれないから」

紫色の少女が、アリスに少し説明を施した

「あら、パチェが他人の事を良く言うなんて、今日は雨が降るかもね」

レミリアがパチュリーを冷やかしていた

「えー、それじゃ外に出れないじゃない、つまんないわ」

「妹様? 今日は雨は降らせませんから安心してくださいな」

「? どういう事? パチュリー?」

フランはパチュリーの言った事が、よく分からなかった

アリスは先ほどのパチュリーの言った言葉を思い返していた
「嫌味なことを言われても気にしないで」

そしてアリスにはフランの事情が、まったくの他人事とは思えなかった
同情とか、そんな生易しい気持ちではなく、それこそ深層心理に関わる何か…

――…リス…アリス? …聞いてるかしら?

遠くから声が響いてきた、でも目を閉じてるのか、暗くてよく見えない
温かくて、冷たいような感覚、…誰だろう


「ア…ス、アリス!」

また声が聞こえた、今度は目を開けてみる

「アリス、寝ていたのかしら? まだお昼ごろだというのに」

レミリアが顔を覗き込ませていた

「自己紹介も済ませてなかったからね
 二人とも、この方がアリスって言うのよ
 近いうちに私たちの友達になるわ」

何というか、ほんの少し、くすぐったくなるような紹介をされた

「パチュリー・ノーレッジよ、よろしく」

軽い会釈のようなものを交えながら、まずパチュリーが名乗る

「私はね、フランドール・スカーレットって言うの!」

元気良くフランが自己紹介を済ませた

「じゃ、顔合わせも済んだことだし、ご飯を頂きましょう
 さぁ、咲夜もこっちへ来て食べましょう、今日はご馳走よ」

「ご馳走って…私が用意したんですがね、まぁ、お言葉に甘えますわ」

「いただきまーす!」

再び元気良くフランが食事の挨拶をする
それを合図にアリスの歓迎会という名目のお食事会が開かれた

「ふーん、魔理沙を探して、この館に来たのね
 まぁタイミングが悪かったわね、もう少し早く来てれば会えたのに
 でも、こうして友好が深めれたのだから運命に感謝しなきゃね」

今回の訪問の目的を聞いたレミリアが、そしゃくしながら喋る

「お嬢様、お行儀が悪いですよ」

「うっさいわね、今日は無礼講なのよ、マナーなんて気にすることないのよ」

「そうはいきません、やはりこの館の主たるもの、礼儀作法はわきまえてください」

「あーもう、フランを見てみなさい、あれが館の主の妹の作法に見えるかしら?」

フランを見据えてみたが
まるで食べ物の食べ方を知らないように手づかみで食べていた

「フランお嬢様! そんな横暴な食べ方は許すわけにはいきません」

咲夜が血相を変えたようにして、フランに注意を促した

「えー? ご飯なんて食べて、おなかの中に入れば一緒じゃん
 どんな食べ方をしたって、身体の中に入るときは、どれも変わらないのよ」

「食事の仕方によってはですね、相手の食欲を損なわせることもあるのです」

フランの言い分も一蹴した

「そーそー、ご飯なんてどんな食べ方をしたって良いのよ
 食事に絶対なんて、ありえるわけが無いのだからね」

レミリアがフランを擁護するように言葉を発した
だが、こんな口論を続けていても埒が明かない

「…咲夜、炒った豆はあるかしら?」

パチュリーが、ぼそっと呟いた
それを聞いたのか吸血鬼の二人はピタッと止まった

「この前の節分で使った余りがありますけど…何をするんですか?」

「何だかハエがうるさいからね、ぶつけたら、おとなしくなるかなって」

「ぱっ、パチェ? …ほ、本気じゃないわよね?」

その言葉を聞いてレミリアがパチュリーに詰め寄った

「さぁ? 本気かどうか…試してみる価値はあるんじゃないのかしら?」

「ふ、フラン? 一緒に咲夜と礼儀作法を覚えましょうか?」

「そ、そうね、お姉ちゃん、アレは痛いものね、さっ、咲夜!」

パチュリーの不適な物言いを見ると姉妹は押し黙った

「お見事です」

咲夜がパチュリーを賞賛した

アリスは、どこかの舞台の演目を見たような感じがした
その会話を聞いてると笑いがこぼれてしまう

「あ、アリスが笑ったわ、始めて見たわ!」

フランが、それを見て嬉しそうに言う

「あら、笑うと可愛いのね
 表情をそんなに変えないから少し心配したのよ?」

続けてレミリアがおかしな言い方をした
そんなに笑ったりしていなかったのか、自分では気づかなかった

お食事会は、とても楽しく、愉快で、有意義な時間だった
そして、それは、とても早く終わった

先まで料理が載っていた皿も、もう片付いていた
魔法でも掛けたかのように目の前に広がっていた皿が瞬時に消えていく
それを驚きの目で見ていると

「あぁ、咲夜は時間が止められるのよ、だから皿もすぐに片付けられるのよ」

レミリアが咲夜の能力について語ってくれた
時間を操る程度の能力…それは時間という名の空間も操ることが出来る
この館もパチュリーが生活する大図書館も咲夜の力で広げているということ
それを聞くとアリスは今までの矛盾もすべて合点がいった

「皆様、紅茶をお持ちしました」

咲夜が今度は紅茶を運んできた、ソーサーとカップが瞬時に添えられる

「咲夜の淹れる紅茶は、とても美味しいのよ」

レミリアが誇らしげに言う

「あら…、この香りは新しいものを入れたのね?」

パチュリーが、いち早く、それに気づいた

「へぇ…私には、良く分からないけどね…」

「まぁ、ここは館の主であるレミィが先に飲むべきね、初物だし」

「あらパチェ、私に譲ってくれるのね、やっぱり…」

少し紅茶をすすると固まった

「やっぱり何かしらあったのね、咲夜?」

パチュリーがやっぱり、という顔をしながら言った

「えぇ、まぁ、ちょっと珍しい菜物をですね…」

おほほ、と貴婦人のような笑いをしながら答えた

「…咲夜…一度ならず何度までも…」

今まで時を奪われていたかのように固まっていたレミリアが動いた

「これは、ふきのとうね、この独特な香り、この苦味、間違いないわ
 でも…灰汁取りはしてないみたいね、これじゃ毒性もあるわ」

「ご名答です、いえ、ご馳走様でした、お嬢様」

「ご馳走様って…また私の反応をうかがったのね
 とりあえず今度からは普通の紅茶の葉っぱを入れなさい」

砂糖を山盛り入れながら言った

咲夜は紅茶に毒を混ぜて、その反応を見るきらいがあった
少し前にそれを閻魔に指摘されたことがあったが、あまり気にしてないようだ

「ねー? 私も飲んでいい?」

今まで何故か黙っていたフランが聞いた

「ダメ、後5年したら飲んでも良いわよ」

「そんなものなのかしら? すっごく気になるのよね」

フランはカップに伸ばしていた手を引っ込めた
アリスも飲まずに戻す

「あら? 飲まないの? そう滅多に味わえる代物じゃないのよ?」

パチュリーが気を利かせたのか、そう聞いてきたが丁重に断っておいた

それから、数刻ほど経ったころか

ぴんぽーん

あの電子音がリビングに響いた

「あら、またお客様かしら、今日は良く来るのね
 この館にあの鬼でもいるのかしら、嫌だわ」

あの鬼とは以前、三日置きの百鬼夜行と呼ばれる異変を起こした張本人である
その鬼は自らの能力を使い博麗神社で行われる宴会の周期を強制的に短くした
しかし巫女の手によって、その異変は解決し、当の本人は現在、博麗神社に居候しているとか

「客人を連れてきました」

まもなく咲夜が客人を連れて帰ってきた

「おくつろぎのところ、申し訳ないのですが
 急用があったために、すべからく馳せ参じました」

部屋の中には入ってこなかったので姿は確認できなかったが
今度の客人は礼儀正しく、良い教育を受けているように感じた

「あぁ、それはご苦労
 で? ここの誰に用があったのかしら?」

レミリアはアリスの時とは違い、相手を下に見て返答をした

「アリスという方がこちらに見えていると聞きました
 私の主が呼んでいるので来るように、と」

そんな態度にも臆せず、客人は落ち着き払って用件を述べた





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Last updated  Dec 27, 2008 09:56:38 AM
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