卒業 南風一
きみも驚いたかも知れないけれど
俺はもっと驚いた
まさかきみが人を介して
「何か一言を」って言ってくるなんて
想像もしていなかったから
でもその日を最後に中学校の仲間たちと
お別れだったから
きみもちょっと感傷的になったのかな
登校の道でわざわざバスを途中下車して俺の前方を歩いたり
朝のランニングでなぜかすぐ近くを走っていたきみ
廊下ですれ違ったときは不思議な視線を投げて寄こす
そんなあんなも今となっては楽しい思い出
それぞれの進む道は違って
多分将来恋人同士にはなれない
そんなことはお互い百も承知だったから
学校で姿を見かけるだけで楽しかった
さようなら好きだけど恋人になれないきみ
さようなら毎日きみに会うのが楽しかった学園生活
きみも俺も違う道へ進むけれど
楽しかった学園生活と
きみのことは忘れない
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