1高校生 南風一
秋の昼下がり
試験期間中だから早いのだろう1高校生が
オフィス街の谷間を
こちらに向かって歩いてくる
私はカバンを持ったビジネスマン
高校生とすれ違いざま
不思議な感覚に襲われた
俺を見る高校生はかっての俺で
俺が高校生の目から眺めた昔のビジネスマンが今の俺
30年が過ぎて
そのときすれ違ったビジネスマンの心の中が理解できた
別世界の人のように思ったけれど
ただ今日一日が無事に過ぎてくれればいい
この週末は山野歩きをしよう
そんなありふれた希望を抱いて
あくせく生きている
そんなことは1高校生には分かるまい
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