二人 南風一
師走の休日
交差点を過ぎてゆく車には
夫婦連れらしい二人が
仲睦まじく乗り合わせる
二人が結婚して以来 歳月を共にしていたとしても
二人が出会うまでの道のりは
違っていた
出会うまでの思い出を
捨てることは
自分の歴史を捨てること
だからそうたやすく捨てることはできない
お互いの知らない歴史に蓋をして
生まれてからずっと一緒に暮らしていたような顔をしている二人
車に並んで座っていても
頭の中で思いめぐらすものは
それぞれの恋人かもしれない
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