クリスマスイブ 南風一
赤ん坊は夢を握りしめて
生まれてくる
お母さんからミルクを一杯与えられて
大きくなる
車を持ったり
家を持ったり
名誉を持ったりするけれど
そんなものはポケットにも入らない
女盛りのきみは
身だしなみにもまだ気を配らなけりゃならないから
大変だろうけれど
俺は一足先にそんなものから
足を洗った
クリスマスイブの太陽は
幾分高度が高くなって
日射しが暖かい
俺が持つものと言えば
手を振って歩ける身体一つだけど
日射しの恵みを全身で感じられることには
感謝しなけりゃと思う
きみと一緒に暮らせていたら
あんなだったろうなという夢だけ持って
死んでゆこう
(詩集の宣伝)
「青春17切符+1」12月14日発売。予約受付中。
購入は、 こちらからどうぞ
詩が良かったと思う方は
人気blogランキングへ
亡くなった人の話 2025/11/19
小さな棘の行方 2025/11/19
一歩ずつ進むということ 2025/11/18