心の平安 南風一
今日は関係ないときみを意識から消去してしまったら
どれほど気楽だったことか
全然きみのことを考えなくて良かったから
きみのことを想いうかべることもなかった
意識から消え去ることが
これほどの平安をもたらしてくれるなんて
もっと早く分かっていたら
もっと早くにきみは無関係と決め込むことができていたのに
そう想ったけれど
今から忘れたからといって
遅くも早くもない
きみと俺は何の関係もない者同士
だから用事がなければ
声一つかける理由もない
当たり前の流儀に
うっかり俺が気づかなかっただけさ
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