南風一の世界

南風一の世界

2015/03/21
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認知症がかってきた母が
曽孫が離乳食を口の周りにいっぱい付けている写真を見て
何を思い出したのか
私に問いかけてきた

「はじめがお祭りのたこ焼き屋台の前で立ち止まるので
 たこ焼きを一串買ってやると片方の側ばかり食べるので
 半分食べたところで下に落とした。
 落としたたこ焼きを拾おうとするので
 土がついて食べられないよと言ったものの
 恨めしそうにたこ焼きを見ているので
 再びたこ焼き屋台のところに戻って
 おじさんにはじめがたこ焼きを落としたことを話すと
 小さな子どもは串を回して万遍なく食べる術を知らないから
 落とすよねと言って小さなたこ焼きを一串サービスしてくれた
 そしたら今度はたこ焼きを落とすまいとして
 左手を顎の下に据えて
 食べていた。」

その話を聞いた私は「憶えてないな」と答えた

「そうだろうね」
なお母は続けて
「今度はうまくたこ焼きを食べ終わって
 またたこ焼き屋台の方を振り返ってじっと見ている。
 もういっぱい食べたからこれ以上食べたらお腹を壊すよと言って
 串を捨てようとしたら
 串を握って離さない。
 仕方がないのでそのままにしておいて
 何気なく見たら串を持っていなかったから
 何処かで捨てたらしかった。」

私の記憶を超越したはるか以前の記憶の中で
母の記憶は生き生きと生きている

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Last updated  2015/03/21 10:39:08 PM
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