卒業あれこれ 南風一
大学の卒業式を控え
ゼミテンが集った最後の日
先生は二人のゼミテンが姿を見せなかった理由を
淡々と話した
一人は地元新聞社に採用が決まったので
卒業を待たずに大学を中退して
さっさと就職してしまったこと
先生は彼なりの別れ方であり
ゼミテンにはよろしくということだったらしい
もう一人は転身を決意して
地方大学医学部を受験して合格したので
もうそちらに発ってしまったとのことだった
私は留年が決定していたので
大学に余り顔を出していなかった事情もあったのかも知れない
ゼミテンたちは自分の卒論作成に忙しくて
仲間のことまで気が回っていなかったこともあっただろう
誰も二人の事情について知らなかった
大学3、4年にゼミナールを一緒にやってきた仲間たちの別れ方としては
ちょっと淋しい別れ方だった
それから32年が過ぎて
二人はどんな暮らしをしているのだろう?
すっかり忘れていたけれど
突然二人のことを思い出した
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