真実 南風一
何が真実だったかなんて
今も分からない
後々まで尾を引くことがないように
恨まれることなく離れるにはどうすればいいか
無意識のうちに
恋が成就するときを待つことなく
出口の心配をしていた
逃げるタイミングばかりを計っていた
こちらが振ったとなれば死ぬまで恨まれることに
なるかもしれない
その点向こうの乗り気が今一のときならば
こちらが自分から去ってくれて
ありがたかったとなる可能性が高い
そんなわけで俺は彼女から去った
その後彼女から連絡はない
恨まれないことより
成就することをなぜ最後まで信じられなかったのだろう
絶対に成就することはない
そんな確信を持っていたのかもしれない
そんな負け犬根性をいつから持ち始めたのかな?
きみが俺のことを好きなことは俺がきみを好きなこと以上に
当たり前過ぎて疑ったことなんて一度もなかった
それなのに
いつからだろう?
きみから呪われないでさよならする方法
そんなことを考えていたなんて
結末を確信していたのに
それでもきみが靡くこともあるかもしれない
そんな風に振る舞っていた
「ありえないよね」
そんな風にあっけらかんときみに言えていたら
わざわざ策を弄することもなかったのだろうか
何が正しかったのか
今も分からない
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