19歳の夕暮れ時 南風一
大学に入学したばかりの頃
奨学金の手続きに判子が要るというので
急きょ商店街を歩いてみると判子屋さんはすぐに見つかった
判子を予約して2~3日すると
もう出来上がっていた
「南風」とは随分珍しいお名前ですねと判子屋のおやじが言った
沖縄では珍しくも何ともないと答えると
「おや沖縄ですか」と返事を返した
判子を受け取った帰り道
店先に100円と値札が出た本が山のように積んである
「これは・・・」と思ってちょっと覗いてみると
なるほど色々なジャンルの本がある
日が暮れてあたりは随分暗くなっていたけれど
大学生になったからにはという気負いもあったのだろう
随分遅くまで古本を漁って
4、5冊も買って帰っただろうか
そのときの青年は何処で迷子になってしまったのだろう?
その日からちっとも前に進んでいない俺が
ここに居る
(詩集の宣伝)
「青春17切符+1」3月26日発売。
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