なぜ? 南風一
数ある女性の中で
きみを好きになったのは
なぜ?
当時は好きだったし
それから30年が過ぎても
拘り続けてきた
ところが近頃
ふーっとそんな気持ちが消えた
そして
なぜきみに拘ったのか
そちらの方を不思議に思い出した
きみのことを好きになっていなければ
大学生時代にもっと勉学に打ち込むことが出来たかな?
それはやっぱり分からないけれど
きみのことに拘り過ぎて
随分愚かな苦悶に時間を浪費してしまったという悔いは残る
「なぜ私なんかのことを好きになったの?」
「あなたは何か完全に勘違いしている」
「私ではない偶像を勝手に作り上げてそれに恋している」
それらはきみが俺にぶつけた言葉だったけれど
今度は私が自分にぶつけている
「なぜきみなんかのことを好きになったのだろう?」
「俺は何か完全に勘違いしていた」
「きみではないきみを勝手に作り上げてそれに恋していた」
本当に愚かだったし
勿体ない青春時代を過ごしたものだった
もちろんきみにも不要な迷惑をかけてしまった
一回切りの俺の青春だったし人生の前半だったのに
もう取り返すことはできないね
そこのところが痛恨の極み
(詩集の宣伝)
「青春17切符+1」3月26日発売。
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