南風一の世界

南風一の世界

2016/07/07
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  七夕    南風一

小学生の頃
田舎ながら商店街があって
毎夏そこの商工会が七夕祭りを催していた
ちょうど7月7日前後の土曜日
昼から七夕祭りの写生に行くというので
担任の若い女性の先生に引率されて
自転車で商店街まで出かけた

長い日の昼もあっという間に暮れて
先生が帰りますよと回って来ても
まだ絵の具を塗り終えていなかった
後ろ髪を引かれる思いで帰路についた

その時私が密かに好きだった同級生の女の子も
一緒に写生に行っていた
私は彼女に関心があったから
いつもちょっかいを出して
逆に彼女から追いかけ回されていた

小学校6年生だったけれど
彼女の胸は余り膨らんでいなかった
けれど彼女のスカートをはぐって
Oh!モーレツ!と騒ぐことは楽しかったから
彼女と顔を合わせればそんなことばかりやっていた

ただし卑怯な真似は禁物だったので
体育の授業で水着に着替えるときでも
タオルを取ったりすることは絶対にできなかった
ある日プールの授業が終わって
水着を脱いでいたとき
何気なく彼女の方を見ると
彼女はスカートを穿いていて
ちょうど水着を脱ぐところだった

こちらに向かって膝を上げたので
なんとスカートの下から
赤い傷口のようなものが見えた

私は餓鬼大将ながら
今のは何なんだ?
まさかプールで転んで怪我した様子はなかったから
傷口ではあるまい
もしかして彼女の性器?

大変なものを見てしまった
私はすぐにあらぬ方向を見て
何も見なかったことにした
誰も私が彼女の性器を見てしまったことには
気付いていまい
彼女は仲のいい女友だちと談笑しながら
髪を拭いたりしていて
全くこちらの心の動揺には気付いていない

それ以来そのことは私だけの胸に秘められた秘密となった
それから後も彼女とは中学校、高校、大学と
顔を見れば親しく付き合ってきた
それでも小学校6年のときのプールの授業が終わった後のことは
秘密だった

七夕の願い事は
彼女と結婚できますようにということだった
後年私の母親が彼女の母親から教えて貰ったことには
彼女は私のことが好きだったけれど
私が彼女の方を振り向いてくれなかったということだった

それは一面の真実だった
いつの日から彼女がドキドキする異性の対象から外れてしまったのか
それは不明
ただ懐かしくて好きだけれど
そんなに気にならない異性ってものもいるのじゃないかな
と思う

そんな甘酸っぱい女の子の思い出

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Last updated  2016/07/07 10:15:21 PM
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