少年老いやすく 南風一
子どもの頃
「少年老いやすく学成り難し」という言葉を聞くたびに
「そういう言い方もあろう」と頭だけで理解していた
年配の人や先生がそう言ったところで
子どもには実感がないから
老いのスピードなんか分からない
ところが定年を間近に控えて
1日1日の過ぎていくスピードの速さに
やっと驚くことになった
これまでの来し方を振り返って
まだ高校生か大学生の心持ちなのに
もう還暦を迎えようとしている
ようやく昔年配の人や先生が言ったことはこのことだったのだ
と合点が行った
少し気付くのが遅かった気もするが
たとえもっと早く気付いていたからといって
人生の何かが変わっていたとも思えない
還暦を迎えたといっても心持ちはまだ子供のままで
この心持ちのまま気付かないうちに
消えていくのだなと思う
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