楽しい南の島

妖しげなテープ屋・・・



人影の無い道を歩きながら、面白そうなお店を探す。

交差点のすぐ脇に、ジャンジャンとガムランを大音響で流しているテープ屋さんがあった。
CDは無い。
音楽は、テープなの。

おもしろそうなので、覗いてみた。
どんな曲が入ってるのかは、全然わかんないんだけど、
テープの箱に描かれた絵が、トンデモナク面白い。

虚ろな瞳でこっちを見つめる派手な女性とか、
お祭り装束に身を包んだ、やけにスカシタ男達とか、
これは、もう買い!という感じ。

「こりゃ、いいね~!」
まどちゃんと私は、異常に盛り上がり、
「義理はこれに決定!」と叫ぶと、
もらった時に、きっと迷惑そうな顔をするに違いない
取り引き先の人々の顔を、思い浮かべながら、
キャッキャッと選び始めた。

それぞれ5、6本を抱えて、レジへ。

そこには体格のいい若い兄ちゃんが。
「日本人?」
おお、アジノモトじゃないぞ。
「うん、そう。」
「どこから来たの?」
「東京から。」

その答えを聞くと、彼は嬉しそうに
「僕、東京に働きに行ってました。」
だって。
「え~! 何処にいたの?」
「青砥にいました。」

青砥~!
なんだって! そいつはスゴイ!
私は一時期、連日青砥に通っていたのだ。
懐かしい場所。友達だってたくさんいる。

まさか、ここでその名を聞くとは!

他のお客を放りっぱなしにして、
地域ネタでハイテンションになってしまった。

あ~。ビックリした!
世間は狭いってこのことだわ。

青砥=東京都葛飾区/フーテンの寅さんで有名な柴又の近く。

ナマステおばさんとの攻防!


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