楽しい南の島

旨い恥ずかしジンバラン・カフェ

旨い恥ずかしジンバラン・カフェ
8月7日・その7

「夕ご飯はどうしますか?」
ホテルへ向う車の中で、パセックさんが聞いてくれた。

ちょっと待って!
パセックさんの今日のお仕事は、夕方ホテルへ送り届けて終わり筈よ。
そんな遅くまで付き合ってくれなくてもいいのに。

迷っていると、
「ジンバラン・カフェはどうですか?」

どうやら、一昨日お休みだったのを気にしているみたい。
いいのに。

「悪いから…」
断ろうとしたら、
「行きましょう!」
ニコニコ。

チビ太と夫も、その気になって
パセックさんと盛り上がる!

えびはちょっと心配なの。お財布の中身が。
購入予定じゃなかったイカットも買ったし、
もしかすると足りないんじゃないかしら。

だから、今夜はホテルで食べた方が……。
えびの心もしらずに、車は夕陽に向ってまっしぐら。
暗くなった頃、ホテル前を素通りしてカフェへ向う。

細い道をクニャクニャ通って海岸通に無事到着。
「わー。賑やかだ!!」

一昨日は静まり返っていた通りに、たくさんのお店が灯りをともしている。
大勢の人が、どのお店に入ろうか見ながら歩いている。

パセックさんが案内してくれたのは、BALI CAFEというお店。
入り口の横に、色々な魚やえび、イカ、カニの並んだカウンターがあって、
食べたいものを、食べたいだけ選べるようになっている。
選んだお魚類は、ばね計りで重さを計ってくれる。
そうして、炭火で焼いて出してくれるの。

選んだ食材の代金だけで、食事ができるのです。
ご飯も野菜もフルーツもついてくる。なんていいシステムでしょう。

海岸の砂浜に、テーブルと椅子がならんでいて、
ロウソクの灯りだけで、お食事よ。
波の音がBGMね。

さて、何を食べようか?
チビ太、五色えびに釘付け。
「これ食べたい~~~!!」
お店の人は、ロブスターって言うけど、これはロブスターじゃないわ。

大きなえび。しかも綺麗なの。
エメラルドブルーの身体に、赤、黄色、濃いブルーで模様がついてる、
形は、イセエビそっくり。

くるまえびみたいなえびも、パセックさんのオススメ。
お父さんが漁師だったんですって。
「このえびはおいしいですよ。」

お魚も、なんだかわからないけど1匹選んだ。
伝票にはSunapper(鯛)って書いてあったけど。
鯛なのかな? 形がちょっと違うなぁ。

えびの内心は、ドキドキ。
そろそろまずいんじゃないかなぁ。

夫が、「イカも食べよう!」だって。
キャー。これで予算オーバーだわ。きっと。
ピ~ンチ!! どうする?
きっと夫はビールも頼むに違いない。

え「ねぇねぇ。お金どれだけあるの?」
夫「え? 大丈夫だよ!」
脳天気なのかな。それとも他に持ってるのかな?

食べきれるのか危ぶまれる量の注文を済ませて、
いざお会計。

夫「え~~~! どうしよう!!」
ほら、やっぱり足りないじゃない! もう焼いちゃってるんじゃないの?

夫「しょうがない。パセックさんに借りてこよう!!」
え「…………。うそ。」
砂浜を走る夫。見送るえびとチビ太。
ううううう。恥ずかしいよぉ。

ニコニコパセックさんがやってきた。
「心配いりません。大丈夫です。」
呆れてるんだろうなぁ。トホホ。

夫が戻ってくるまでテーブルに座って、
しばらく家族の話なんかをしてくれた。
気を使わせちゃって、悪かったなぁ。

「では、ごゆっくりどうぞ。」
そう言い残すと、パセックさんは夜の闇に消えていった。
バリ式の辛いご飯を食べに行くんだって。

さて、気を取り直して食べるぞ~!
いつもながら、気分転換の早いえび。
白いご飯と、野菜炒めは食べ放題。
空芯菜みたいな野菜は、醤油味だった。なかなかイケル。

お魚もえびもイカも、バナナの葉っぱに乗って出てきた。
ピリカラのたれがかかっていて、ライムの切ったのがついていた。
タレが数種類あって、好きなものを付けて食べるの。
辛いのが多かった。チビ太はおしょうゆ味のが気に入ってたみたい。

夕焼けの時間だと、景色も御馳走なんだろうな。

泊まっているホテルも、すぐ近くに見えていた。
歩いて帰れそうな感じ。
真っ暗な海が、ちょっと恐いね。

そうして、恥ずかしい思いをした夕ご飯の時間は過ぎていくのでした。
ごちそうさまでした。
お腹一杯だ~~~~~~~。

メモ
ジンバランカフェに行く時は、夕方行く方がよさそうです。
真っ暗すぎて、食べるものが良く分からなかったの。
それも、楽しかったけどね。
できれば明るいうちの方がいいと思うわ。
あと、同じようなお店が並んでいるので、お魚の新鮮さを良く見てから入るお店を決めるといいかも。
色々みたいなので。注意!です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

明日はなにしようかな? こんな一日でした。
起きて食べて寝る日。


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