misty247

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2007.11.03
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 砂漠は雨の降らない地域にできる。広大な大陸では海の水蒸気が内部まで回ってこないのだ。砂漠とはまずもって乾燥地である。鳥取県は海にべったり面している。年間通して雨の降る温帯気候である。鳥取県にいくら広い砂地があったとしても砂漠とはいわない。 砂丘は「風によって運ばれた砂」の集まった場所をいう。砂「浜」は、波によって運ばれた砂の集まる場所である。河川から海に放り出された砂が、波に流されてある場所に溜まって砂浜が出来る。そこがもし、海から陸へ吹く風の強い場所であれば、砂はどんどん積み上げられて砂の丘を形成する。これが砂丘である。

 鳥取砂丘は南北2.4km、東西16kmにわたる日本最大の海岸砂丘で、観光地としても名高い。鳥取砂丘から西に30キロほどの海岸沿いにもうひとつ砂丘があり、そこは北条砂丘と呼ばれている。東西約12km、南北1.8kmだから鳥取砂丘の3/4の広さにあたる。しかし、北条砂丘はその地の大半を畑に利用しているので、砂地の広がる場所は海岸沿いの一部のみで、普通の砂浜とあまり変わらない。よって観光地としてはあまり知られていないようである。

 北条砂丘周辺には、砂丘以上に目を見張るものがあった。風力発電の風車である。直径77mものプロペラを持つ大型風車が9機並んでいた。風の見込める場所に風車を並べ、発電した電気を電力会社に売るビジネスである。ウインドファームと呼ばれている。採算をとるには年間平均風速6mの地が条件なのだとか。日本の風では採算ギリギリで、民間が事業化するのは苦しい。しかし、税金のかからない市町村が事業主体となると、なんとか採算が見込めるらしい。

 ウインドファームは全国に何箇所かある。北条のものは定格出力1500kmと大型なのが特徴で、その風車が多数並ぶ様は壮観であった。町が発電事業に取り組むのは地球環境問題の啓発だそうだ。しかし、回らないことには町の重荷でしかない。北条砂丘の砂を集めた風に、いま町の期待がかかっている。


 鳥取県東伯郡北条町は大栄町と2005年に合併し「 北栄町 」となった。 北条砂丘クロスカントリー大会 は、この北栄町が主催する。第30回を数える記念大会がこの12月2日に開催された。

 今回、 こんぴら石段マラソン を一緒に走ったMさんを誘っていた。朝4時30分に、阪神高速堺に乗って、豊中池田ICから中国道を西へ。ETC割引の都合で山崎ICで一度降りて乗る。落合JCTから米子道へ。湯原ICで降りるつもりが蒜山ICまで行ってしまった。 大山登山 のときのICだ。
 313号線を北上し、9号線に突き当たったところが会場だった。8時20分に着いた。高速は100km/hぐらいで普通に走ったし、途中サービスエリアで数回休んで約4時間。高速のおかげで結構早く行けるものだなと思った。でも遠いのは確か。
 Mさんは、こんぴらに続いてコレだったので、遠方のキワモノ大会ばかりと少し不満顔。「いやいや」と私は異を唱える。「ふつーのロード走るなら家の周りでいいじゃないですか。そこにしかない道を走る大会だからこそ、遠出してでも参加する甲斐があるんですよ」
 私の参加理由は、砂丘を走りたかったから。私の趣味なので、上の説得も自分にしか効かない。Mさんは頷かずに笑って聞き流してくれた。  <つづく>


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Last updated  2007.12.04 15:06:59
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