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ネオリアヤの言葉
LINDA―青―
急ブレーキで停まったタクシーは、ここに来るまでかなりの速度で走っていた。
だから、彼と仲村さんが乗っているのを発見するまでに、そう時間はかからなかった。
寒さで縮こまっていた背筋が、突然にピンと伸びる。
「最近会ってないんだよね。仕事も一緒にはしてないし」
二週間まえ、スペイン料理店で云っていた彼の言葉を思い出す。
どうせ本当じゃないことくらいわかっていたけれど、
「へえ、そうなんだ」
と、気づかないフリをした。
その方が、私も気が楽だった。
そう思い込めば、それ以上考えなくてすむ。
それにしても、どうしてもっと違う嘘のつき方をしないのかと思う。
「ま、たまには会うよ」
そう、さらりと何の躊躇いもなく云い放たれる方が、こっちも素直になれるのに。
それが、私への気遣いなのだろうと無理に想像しても、
やはり現場を見つけてしまうと、いささか分が悪かった。
かばんの肩紐で、ぐちゃりと捻れてしまっていたストールを、襟元に巻きなおし、
気づかぬふりをして、二人が乗ったタクシーの前を、悠々と横断した。
周囲の急いだ足取りの中、自然と眼につく速度で歩きながら。
振り返りたい気持ちを抑えながら、ゆっくりと、約束のない目的地を目指す。
今でも、イベントの打ち上げに行ってしまったあの日のことを思うと、
溜め息が出る。
どんな人たちが集まっているかくらい、知っていた。
それなのに何故、ノコノコと出て行ったりしたのだろうか。
「部外者なのにいいんですか?」
「いいよ、大丈夫。この前現場にいた奴らも会いたがってるし」
そんなはずがないのはわかっていた。
「行っちゃいますよ、本当に」
「おいで」
内心は、正直なところ半々の気持ちだった。
齋藤さんに会いたい気持ちと、行ったら不審に思われるだろうという確信と。
でも、本当は違う。
不審に感じるか感じられないかのちょうど真ん中あたりで、
「なにこのコ」
と思われたいだけだった。
注目されたいという、幼稚な欲求を満たすための…。
ただ、その時は、私自身も会社の上司と飲んだ後で、
アルコールの勢いもあって深く考えることをしなかった。
重い木の扉をあけて、薄暗い店内に彼の姿を捉え、近づいて行った瞬間、
「なんでこの子が来るの?」
という、残酷なまでに好奇な眼差しが私の躰を射た。
あとは、自己満足の代償として費やす無意味な時間が残されるだけ。
その晩は、一軒目の店を出たところで別れ、一人で帰った。
彼と仲村さんの微妙な距離感を感じ取ってしまったことも、
その場の苦しい空気から逃げたかったことも、
ありとあらゆる全てのことが、理由だった。
それ以上に何かを感じるのは厭だったし、自分が空しくなるのはもっと嫌いだから。
「つき合ってる人いるの?」
ファッションビルの最上階にオープンしたばかりの、イタリア料理の店。
齋藤さんは、いくら飲んでも顔色ひとつ変えない私を見つめて訊いた。
わざと視線を合わせない。
先日セックスしたばかりの人の顔を、なんとなく思い出しながら、
まるで恋焦がれている相手を思い描いているかのように微笑する。
「恋人はいませんけど、好きな人はいますよ」
絶妙のタイミングだった。
彼氏がいてもいなくても、同じように答えただろうと、今も思う。
そのセリフとタイミングは、まさに確信に近い直感で私の口をついて出た。
「好きな人はいる」
と云う方が、この人には効果的だと。
「そうなんだ」
会話は、そこで終わる。
けれど、一瞬の空気で、彼の独占欲や嫉妬心から、
僅かだけれど白い煙が立ち昇るのがわかった。
それが最初のデート。
そのあとは本当のところ、二度ほどのベッドインで、私のゲームは終焉を迎えた。
しかも、仲村さんと出会った時点でそれはハッキリする。
彼女と自分との関係を駄目にするのは、他でもない、仲人役の齋藤さん自身だと、
これまた直感で知ってしまったから。
彼女は、私にとって齋藤さん以上に、ずっと必要な存在になる予感があった。
目抜き通りから一本奥まったところにある古いカフェの、入口正面奥のいつもの席で、
私はよく考えごとをする。
あの日も、上司と同僚と飲んだ後、
一人で帰宅前のコーヒーを飲みにその店へ寄り、
店長と次のパーティーの話をしていた。
「先月は結局、百人近く入ったからね」
「このスペースにすごいよね、その数は。次はどうするの?」
「テツをDJに呼ぶよ」
電話はちょうどその時に鳴った。
「今どうしてる?」
「コーヒー飲んでますよ」
「どこにいるの?」
伝わらないようにして、押し殺すような溜め息をついた。
「…ススキノの近くです」
店長と眼を合わせながら、私は吸いかけの煙草の火を、慣れない右手で消す。
店長は、おかしそうに肩をすくめながら、キッチンへと姿を消した。
「これから来ないかい? 今ね、いつもの店で打ち上げしてるんだ」
「私がですか? だって打ち上げって、会社のですよね?」
「そう。ほら、この前来てくれたイベントの。全然大丈夫だし、ちゃんと紹介するよ」
「でも…」
「大丈夫だって」
「んー…部外者なのにいいんですか?」
「いいよ、大丈夫。この前現場にいた奴らも会いたがってるし」
「行っちゃいますよ、本当に」
「おいで」
全然乗り気ではなかった。
灰皿から細く流れる煙を見つめ、ほとんど偶然、
それでいて意識的に仲村さんを思い出す。
設営現場で埃にまみれながらも、
女性としてのプライドをアンバランスなまでに保っている姿が、とても印象的だった。
齋藤さんを見つけるより早く、彼女の存在を認識していた。
この人は、私と同じ種の人間。
そう感じた。
だから余計に、齋藤さんとの関係をさっさと終らせたかった。
そうしないと、彼女との距離は否が応にも離れていくことは、
眼に見えて明らかだった。
「仲村もいるし」
何度か二人の会話に上っていた名前が、ここでも、私の心を知ってか出現する。
「…じゃ行ってみようかな」
半分その気になった時点で、心は決まった。
たぶん、それが間違いのもとだったのだろうと思う。
最初の溜め息のとおり、行くのを断わっておけばよかったのだ。
仲村さんと彼の一緒にいる姿を見るのは、初めてのこと。
その雰囲気は一種独特で、とても優しい。
彼女の動作も、言葉も、これと云って可愛らしいわけではない。
どちらかというと、負けず嫌いが勝って、少し反抗的にさえみえる。
反対にその唇や眼は、
立ち居振る舞いの意地っ張りさとは裏腹にとてもチャーミングだった。
たぶん私が男ならば、
「おまえさ、そんな眼ぇして見ないでくれよな」
と云って困りながらも、その色っぽさに、本当は嬉しくてたまらないだろう。
あの時感じた「アンバランスさ」は、きっとこれなのだ。
自分と同じだと思っていたけれど、決定的に違う部分を知ってしまったあとで、
私は彼女に対するライバル心に気づいた。
それは、齋藤さんを中に挟んで向かい合うカタチで、私の中に沸きあがった。
当然、彼への気持ちは終息へと速度をあげていたけれど、
彼女に負けたくない想いが勝っていた。
だから、結局、ありもしない感情を演じることになる。
それがいつしか、齋藤さんへの情へと変わっていくのだけれど…。
これでよかったのかもしれない。
肩のあたりに、重たいほどの二人の視線を感じながら、夜の横断歩道を横切る。
深呼吸で躰に入ってきた冷たい空気が、
私の眼を、キラキラと輝かせているのがわかる。
この場所で、私が一人で通り過ぎるシチュエーションは、
彼にも彼女にも、そして安っぽい自分にサヨナラする、最後のチャンス。
信号を渡り終え、振り返ることなくビル街へと姿を滑り込ませたとき、
私は、云いようのない爽快感に包まれていた。
かすかな寂しさも、今となってはもう、
自分に酔うための妙薬になりつつあり…。
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