2006.07.13
XML
カテゴリ: METAL馬鹿
banner_metal_234-60


人類学者が「METALはなぜ嫌われるのか?」を世界各国で体当たり取材!

・・・とは言うけどメタルヘッズが大学へ行って文化人類学を専攻しただけなので
その辺はありがたがる必要はない。実質メタルヘッズが作ったメタル映画だ。

演出について
テーマごとに見出しをつけて「ここからコーナーが変わりますよ」と
わかりやすくしているので、観やすい。
学者さんならではの「文章の手法」だろうか。
ただ、逆にそのせいで浮き彫りになる疑問も。
「別に映画じゃなくて本にすればいいんじゃねーの?」だ。

でも映像の使い方がヘタなのだ。
この人の「取材」はほとんどインタビュー取材。
話しの内容が面白いかどうかだけで、映像的なオモシロさがないわけである。
それがあったのはローニー・ジェイムス・ディオの自宅での様子。
そしてGORGORTHのゴールのインタビュー
(アノ間のオモシロさは文章では絶対表せない)ぐらいか?
それだったら本でいいじゃん? と思ってしまう。
学者さんだけあり、分類・分析は確かで、資料価値が高いので尚更だ。
DVDが出たら間違いなく買うんだろうケド、何か引用しようと思ったら
いちいち早送りして観なければいけないわけだ。めんどくせー^^;

取り上げているテーマについて
コレがまた的確かつ巧妙だ。

メタルの誕生から、メタルの進化を辿る時系列の流れと
「環境」や「ファッション」「宗教と悪魔崇拝」など
「メタルが嫌われる理由」に関わるであろうテーマとが何の破綻もなく絡み合ってる。
取り上げるテーマもちゃんとわかっている人が作ってるだけあり外していない。
これならメタルを知らない人にも安心して勧められる。

誰がために?

これは誰に見せたいんだろう?
15年以上メタルを聴いている人間から言わせて貰えば
なんの新鮮味も面白味もない 内容だ。
繰り返しになるが学者さんの制作なのでメタルヘッズの理論武装(?)のための
引用元としては非常に価値があるが、・・・それだけだ。
若いキッズには「なるほど~」と思うことがあったのかも知れないが
オレからすれば2時間「確認作業」の繰り返しだった。

と、すると、メタルを聴かない人に観てもらいたいのだろうか?
オレ自身はそういう人に観てもらいたい。
でも「BURRN!」誌以外では全く広告を見ていないし、メタルを聴かない人が
この映画の存在を知っているのか疑問だ。
知っていたとしても、メタルを聞かない人が「観よう」と思うような
宣伝の仕方をしてないのも事実。

やっぱりメタルヘッズが自分自身を確認するための映画だと思った方が良さそうだ。

結論として
正直別に「嫌われている理由」なんてどうでもいいんだよね(笑)
メタルという「文化」は「反抗の文化」だから眉をひそめる人がいて当然。
そんな中で「自分の信念を貫け」ってのがメタルなんだから
「嫌いな人は嫌いでけっこう」ってなもんだ。

しかしメタルという文化はある種、人間の行動の基盤となる「宗教」のようなもので、
我々メタルヘッズは国を持たずに、世界中に散らばってる「民族」のようなもの。

だとしたら「嫌いな人は嫌いでけっこう」と言い続けているのも問題があるので、
「嫌う側」と「嫌われる側」お互いがこの映画を通して理解しようとするのも悪くはない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.07.15 12:09:21
コメント(6) | コメントを書く
[METAL馬鹿] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:METAL:A HEADBANGER'S JOURNEY(07/13)  
まんまる商店 さん
この映画を一言で言えば、マイケル・ムーアやモーガン・スパーロックの取材モノ映画が結構当たってるので、制作費も抑えられるし旨味あるんじゃない?ってノリで作ったのでしょうね。

で、映画でそこそこの金を回収したら、次は出版物にして二次収入って方法をとるのではないかと。

ストーリー映画では本→映画ですけど、ドキュメンタリーではより映画→本という流れが一般的ではないでしょうか。 (2006.07.14 10:46:54)

Re[1]:METAL:A HEADBANGER'S JOURNEY(07/13)  
M-NOMU  さん
まんまる商店さん
>この映画を一言で言えば、マイケル・ムーアやモーガン・スパーロックの取材モノ映画が結構当たってるので、制作費も抑えられるし旨味あるんじゃない?ってノリで作ったのでしょうね。

お金の事はよくわかりませんが
マイケル・ムーア的なものは感じました。
題材が題材なので「TV時代のムーア」的なノリでやれば
面白かったでしょうね。

>ストーリー映画では本→映画ですけど、ドキュメンタリーではより映画→本という流れが一般的ではないでしょうか。

「一般的」というほどドキュメンタリー映画を知らないのが恥ずかしい限りですが^^;
「行き行きて神軍」は好きですね。
(2006.07.15 00:47:56)

Re[2]:METAL:A HEADBANGER'S JOURNEY(07/13)  
まんまる商店 さん
M-NOMUさん
>まんまる商店さん
>>この映画を一言で言えば、マイケル・ムーアやモーガン・スパーロックの取材モノ映画が結構当たってるので、制作費も抑えられるし旨味あるんじゃない?ってノリで作ったのでしょうね。

>お金の事はよくわかりませんが
>マイケル・ムーア的なものは感じました。
>題材が題材なので「TV時代のムーア」的なノリでやれば
>面白かったでしょうね。


マイケル・ムーアの作品はTV時代から一貫して体制に批判的で、モーガン・スパーロックの作品はTV時代から「実験君」のノリのあるものと、両者とも製作スタイルに統一感があります。

もしこの作品をテレビシリーズにするとすれば、「なんでだろ?」という「理由を探るモノ」になるのではと。

それはそれで僕好みです。
世の中には「理由を知りたいもの」が多いですから。w




>「行き行きて神軍」は好きですね。

原監督でしたっけ?
結局、あの監督はこの作品で定着しちゃって、後々の作品で名前を聞くことが殆んどありません。

このまえ今村昌平監督が亡くなったときに、元助監督だったという理由でインタビューに答えているのをテキストで読んだぐらいです。
(「行き行きて神軍」の主人公も今村さんに紹介して貰ったとか言ってました。)

ドキュメンタリー監督って素材が真面目すぎると喰ってけないのでしょいうか。w
でもあまりふざけすぎると、テレビの「黄金伝説」や「電波少年」になってしまうだけでしょうけど。 (2006.07.15 10:20:45)

Re[3]:METAL:A HEADBANGER'S JOURNEY(07/13)  
M-NOMU  さん
まんまる商店さん

>原監督でしたっけ?
>結局、あの監督はこの作品で定着しちゃって、後々の作品で名前を聞くことが殆んどありません。

確か「神軍」の主人公の釈放後に密着した作品があったと思います(完全にうろ覚えですが)

ま、どちらにせよ「神軍」だけの人ってことですか^^;

>ドキュメンタリー監督って素材が真面目すぎると喰ってけないのでしょいうか。w
>でもあまりふざけすぎると、テレビの「黄金伝説」や「電波少年」になってしまうだけでしょうけど。

その辺はもう「ドキュメンタリー」ではないのでは?^^;

自分の中では「ASAYAN」がギリギリですね (2006.07.15 10:43:07)

Re[4]:METAL:A HEADBANGER'S JOURNEY(07/13)  
まんまる商店 さん
M-NOMUさん
>ま、どちらにせよ「神軍」だけの人ってことですか^^;

出世作がそのまま代表作になると辛いですね。^^;
次に続くインパクトが出せにくい。


>その辺はもう「ドキュメンタリー」ではないのでは?^^;

ああ、まぁ実質ヤラセ番組ですからね。^^;


>自分の中では「ASAYAN」がギリギリですね

というか、ドキュメンタリーがテレビになるとリアリティーショーということでお茶を濁しますね。
最近はNHKのドキュメンタリーも怪しいし。

深夜のドキュメンタリーは信憑性がありますが、見ていて辛いぐらいの「本物」がありますね。
寝つきが悪くなりますわ。^^; (2006.07.15 11:59:18)

Re[5]:METAL:A HEADBANGER'S JOURNEY(07/13)  
M-NOMU  さん
まんまる商店さん
>というか、ドキュメンタリーがテレビになるとリアリティーショーということでお茶を濁しますね。

そういうのは、そういうので好きです。
「ガチンコ」なんかも大好きしたね。
アノ番組に対して「やらせだ、やらせだ」って文句言ってた人の神経は疑いますね。
(どっからどう見ても「作り物」なのはハナからわかってんじゃん/笑)

>深夜のドキュメンタリーは信憑性がありますが、見ていて辛いぐらいの「本物」がありますね。
>寝つきが悪くなりますわ。^^;

こないだも車いすバスケのドキュメンタリー観ましたよ。
かなり「リアル」を意識させられる内容でしたが
面白かったですよ。



・・・メタルの会話はしてないし、テーマ「メタル」から「映画」変えようかな^^;
(2006.07.15 12:08:09)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: