もえうぉっち

もえうぉっち

2007.03.05
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カテゴリ: 活字主体の本
医学なんざ、クソッタレの学問だ

人の死をメシのタネにする商売だ

よく覚えとけ、小僧





そこはホスピス。
末期がんの患者が病院スタッフとなり
食事の世話や掃除などをしている。
患者のほとんどに身寄りがなく、かれらの賃金は医療費と相殺。
スタッフのため保険をかけることができ、死亡の際はそれを医療費に充当。
このシステムは「生きている人間にしか保険点数をあてない」厚生労働省の意向のため画期的であった。

ひょんなことからこの病院の潜入ルポをやることになった大吉。
オチこぼれ医学生のカレは医療ボランティアとして潜入に成功するが、

入院してみてわかったのは、そこには奇妙な掟が存在していること。
それは薔薇の掟。
そしてその掟に従い、薔薇を贈られた患者が次々死んでゆく。

おかしい。ここは人が死に過ぎる。


今回も白鳥技官が活躍しますが、いつもの田口センセはお休みです。
だって同時進行で田口センセは東城医大でナイチンゲール事件に関わってますから。
「沈黙のナイチンゲール」(感想は コチラ )と部分的にリンクする形になってます。

今回はオチこぼれ医学生の「天馬大吉」の視点でお話が進行。
医療業界の闇のお話ですが、オチコボレの彼がうまく話を誘導してシロウトにもわかりやすくなってます。
病院って「生の領域」に見えますが、その反面「死の舞台」でもあるわけです。

だが確実にそして誰にも平等に訪れる死を忌み嫌い、避けすぎていないか。
世の中がそこを避けて通れば、目を向けるのは医師だけになる。
そこには暗い闇がぽっかり口をあけているのかも。

ストーリーというよりは「作者の訴えたいこと」そのものが興味深い。
その上で登場人物(白鳥サン、西遊記トリオ、巌男先生、結城 等)が魅力的なので読んでしまう。


だからわたしたちはお邪魔にならないようにルールを守り暮らしてゆく。
それでも「生」は誰かを傷つけた上になりたつ。
傷つけられたとばかり思っていたら、まわりまわって自分が傷つけているということもあるのだ。
だから強くなりなさい。
現実に目をむけなさい。
前に進みなさい。

社会の様々な分野の大小の問題にリンクしています。
しかし、かなりつめこんであります。問題盛りだくさん。(ヘンな日本語)
盛り込みすぎて、部分的にほったらかしみたいな印象があるんですよねー。



神秘的だなぁ

一番気になったのは「天馬大吉」がエラくモテモテであること。
「モテモテ」であるという言葉はないが、確実にモテモテだ。
そこが解せない。(そこかぁぁぁぁ!)

帯に「氷姫 始動!」ってあるんですけど・・・・うーん。
なんか的外れな気がします。
いや、確かに始動なんでしょうけど・・・。
帯に騙されないように。

ミステリーとしてよりも、巌男先生のその人生をもって培った信念に感動を覚えます。
相変わらずラストは気に入らないな。

すべてのつじつまを合わせて余韻を残す。
そんなカンジだったらいいのに。
それと、二つ名がどうにもオールドファッションで。
「火喰い鳥」「氷姫」「わがままバイオレット」・・・ダサっっ!
もちっとステキな名前を考えてくださいヨ・・・OTL
しかし、文章は読みやすいですな。

読んでも損はないと思います。








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最終更新日  2007.03.05 19:56:08
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