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2013.04.25
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今年没後20年を迎える作家の安部公房(1924~93年)が名声を得始めた47~51年ごろ、実弟の井村春光(しゅんこう)さんに送っていたはがきや手紙、電報が見つかった。弟をいたわる言葉のほか、文学への自信や不安を吐露する文言もあり、人間的な一面をうかがわせる貴重な資料と言えそうだ。

 見つかったのは、手紙やはがきなど約30通。昨年末、井村さんが札幌市の自宅で発見した。公房が初めての長編小説「終(おわ)りし道の標(しる)べに」を書き、「壁」で芥川賞を受賞するまでの間で、東京都内を転々としながら、創作活動を本格化させていた時期だ。

 49年夏に発表した小説「デンドロカカリヤ」について、同年6月のはがきに<人間が樹になる話で、大人の童話のようなもの。(中略)技術的にも、自信がつきました><発表されたら一応問題になるだろうと思ひます>と期待と自信をつづる。のちに「棒」などで表現される、人間が別の形態に変形する物語の出発点となった作品だ。

 同11月のはがきでは<書くほうはがんばってゐます。相かわらず、ほとんど毎日徹夜。ますます訳の分らん小説を書きつづけてゐます。評判はますます悪いので、ますます分らんやつを書くつもりです。(バカにしてやがる!)>と呪詛(じゅそ)めいたくだりも。

 48年10月の手紙には<オカラのオカユに塩をかけて食べた>と記すなど、生活の困窮ぶりもうかがえる。同時に、養子に出て医学の道に進んだ井村さんを思いやる記述も随所に見られ、少ない原稿料から送金していたことも分かる。詩人を志した井村さんに<見ること!砂粒が世界に変貌するまで見つめること!>(49年ごろ)などとアドバイスもしていた。

 公房の長女、安部ねりさんは「手紙の中では『春ちゃん』と語りかけ、親のように支えています。自分の文学を弟には理解してほしい、という気持ちもよく表れています」と話している。【棚部秀行】【関連記事】 【安部公房が弟に送ったはがきや手紙の写真】 【タイトルは「天使」】安部公房、未発表の短編小説見つかる デビュー前に執筆 【発売日から全国で売り切れが続出】安部公房人気で「新潮」6年ぶり増刷 未発表作「天使」掲載 <安部公房没後20年>ファン、ウェブで絆 「月刊もぐら通信」人気じわり 【「おれ、大好きになっちゃったです」】池波正太郎へ 司馬遼太郎らが宛てた便り、113通発見





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Last updated  2013.04.25 16:34:56
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