土曜日の書斎 別室

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May 16, 2019
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『ツィゴイネルワイゼン』についての話題を続けます。
 高校時代は専ら映画音楽に親しんでいて、FM放送のリクエスト番組に良く葉書きを寄せたものです。
 後れ馳せながらクラシックに興味が向かい始めたのは、自前の収入を得る様になってからで、当初は···ヴォーン・ウィリアムズやルロイ・アンダーソンの様に、それほど強持てしない、キャッチーな曲をセレクトして聴いていました。
 “弦楽器の巨匠達” と銘打たれたカセット・テープに手を伸ばしたのは、クライスラーの名に惹かれての事でしたが、それがヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリン演奏に接する契機ともなりました。
 収録曲にはハイフェッツの『ツィゴイネルワイゼン』が含まれていたからです。
 時に···1917年、革命を逃れ、ロシアから米国への亡命を果たした直後に収録された演奏で、十六歳とは到底思われない、超人的な奏法の粋が遺憾なく発揮されています。
 別に、小林秀雄の物云いに肖るわけでは有りませんが、それはとんでもない ”時限爆弾” でした。
 二十世紀最高のヴィルトゥオーゾであるとか、半世紀余にわたってヴァイオリン界に君臨した存在であるとか、後になって知り、さも有りなんと納得した次第ですが、それとても、ハイフェッツについて何の予備知識もなしに、初めてその演奏を聴いた時の、いきなり魂を鷲掴みにされる様な衝撃に較べれば、改めて驚く程の事ではない様にすら思います。

 そうしたハイフェッツの演奏に対する、個人的な思い入れの強さから生じた錯覚なのかどうか。





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Last updated  May 19, 2019 04:55:05 AM
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