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9月 4日(日) 心のエネルギー 一戦に「原動力」とは「物事の活動を起こすもとになる力」という意味です。 日々の仕事をきちんと進めていくためには、その原動力となるエネルギーを補給しなければなりません。たとえば食事です。食べることによってエネルギーが体に行き渡り、脳をはじめ、いろいろな働きや活動が促進されていくのです。 食事によるエネルギー補給が重要である一方、忘れてはならないのが、心のエネルギー補給でしょう。 心のエネルギーになるものとして、まず思い浮かぶのは、喜びや娯楽などです。また、自分が仕事に打ち込める環境をつくってくれる、周囲の配慮などを思い起こすことも効果があります。 駅までの送り迎えや手作り弁当、健康への配慮など、日々さりげなく受けている家族の愛情に思いを馳せるのも、心のエネルギーになるでしょう。家族の愛情は、豊かで穏やかな心を育み、仕事への気力が湧き起こる源にもなります。 心身の安定を図りつつ、日々の業務に、万全の状態で臨みたいものです。 今日の心がけ◆家族の愛情に思いを馳せましょう職場の教養は一般社団法人倫理研究所の月刊誌です。朝礼に利用すると、とても効果が高いと思います。
2016年09月04日
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2005年5月5日放送 アンビリーバボー 実録スクールウォーズ より---------------------------------------------------------------------------- 広島市安佐南区の緑豊かな丘陵地帯にある広島県立安西高等学校。この一見のどかな高校は、かつて県内一の落ちこぼれて荒れた学校だった。それを変えたのは、一人の女性教師だった。 今から4年前の2001年4月6日、現在の校長である山廣康子さんは教頭としてこの学校に赴任した。しかし、始業式の日に初めて見た生徒たちの姿は異様なものだった。女子は異様に短いスカートに濃い化粧、男子はまともに制服すら着ていなかった。コンビニで買ったビニール袋を手にさげ、携帯電話しか持っていない生徒もいた。 「だらしない格好で髪を染めてピアスをして、初めてこの子たちは存在感を保っているんだ」と信じられないことを言う教師がいた。教師すら指導を諦めていた安西高校は、暴走族やその予備軍が集まる落ちこぼれの受け皿校と呼ばれ、暴走族が朝の挨拶代わりに学校の周りを縦横無尽に走り回った。 喫煙、暴力、万引き、いじめが横行し、普通の高校は年間一桁が平均の休学退学者が、安西高校では年間160人にも上った。すがすがしいはずの新学期一日目に廊下はゴミで溢れていた。 授業に出るよう注意しても「面倒くさい」と笑いながらその場を去る女子生徒たち。それまでの常識が全く通用しない世界だった。早急に手を打たなくては、と山廣先生は思ったが、これは悪夢の序章にすぎなかった。 ある日生徒たちが春の遠足で市内の動物園を回っていた。1年生の田中博文(仮名)は、幼い頃に大病した影響であまりスムーズに話すことができず、入学以来何度かいじめにあっていた。彼は遠足中にも落ちこぼれの生徒に難癖をつけられて集団暴行を受けた。リーダー格の高木保(仮名)は自宅謹慎が遠足当日に解除された生徒だった。 ところが引率の教師たちは遠足から学校に戻ると、山廣先生に「何も問題は起こりませんでした」と事件の表面化を避けるために嘘の報告をしたのだ。山廣先生はこの事実を別の教師から聞き、問題の教師たちに理由を聞いた。 彼らは「放っておけば問題は収まりますから」「どうせ一番悪い生徒たちは辞めていきますから」と答えた。山廣先生は、目の前の二人の教師に恐ろしさを感じた。生徒たちをなんとかしたいと思う山廣先生にとって、最大の壁はこの無気力な教師たちだったのだ。 校内は以前にも増して荒れ始めた。遠足から数日の間に暴行事件が立て続けに6件起こった。山廣先生は逮捕者覚悟で警察に通報をした。苦渋の選択だった。 山廣先生は、家庭や学校で教えられるべきことを教えてもらえない生徒たちを不憫に思った。生徒たちを守らなくては、と思ったのだ。 まず、いじめの対象になっている生徒に守ってあげるから言いに来なさい、と全校集会で呼びかけた。勇気を持つ大切さを訴えたのだ。おとなしい生徒とはみつに連絡を取り、教師が交代で送り迎えもした。 しかし、守るにも限界はあった。特に生徒たちが集まるトイレは悪の温床だった。だが山廣先生は諦めなかった。高木のような加害者の保護者を呼び、いじめの実態を説明した。「うちの子がそんなむごいことをするはずない」と怒って言い返す母親もいた。親に深刻さを知ってもらいたかったのだ。 次に山廣先生は、環境が変われば人も変わると信じ校内の掃除に取り組んだ。さらに遅刻検査を再開した。単に遅れた生徒を記録するだけでなく、生徒が帰らないようにもした。 遅刻指導は、問題のある生徒たちと過ごす時間が増えるという思わぬ効果を生んだ。さらに生徒たちが話しかけてくるようになり、中には恋愛相談を持ちかける生徒もいた。地道な努力が少しずつ実を結んでいた。 学校改革を進める山廣先生にある考えが浮かんだ。全国の学校や駅のトイレを掃除するボランティア団体『広島掃除に学ぶ会』との出会いだった。山廣先生は、学校が休みの日に生徒たちと一緒に校内のトイレ掃除をしようと提案したのだ。 山廣先生は自ら生徒たちの自宅に電話をし、直接呼びかけた。そしてトイレ掃除当日の朝、学校には続々と生徒たちが集まって来た。田中もいた。またいじめのリーダー格、高木の姿もあった。山廣先生自身、信じられなかったという。保護者も含め、300名近くが集まったのだ。 無気力だった教師たちの目つきも変わり、懸命にトイレ掃除をしていた。その姿を見て、問題の生徒たちも掃除に参加したのだ。トイレ掃除を始めると、嫌悪感も忘れみんなどんどん集中していった。 翌年の夏にはトイレ掃除だけでなく荒れたグランドの草刈りが行われ、その成果として7年振りに体育祭が開催されたのだ。不良グループのリーダーは盛り上げ役のリーダーになっていた。 2004年3月、山廣先生と共にここにやってきた生徒たちの卒業。田中は生徒会長として答辞を読むことになった。この日、124名は祝福の拍手をもって見送られた。 山廣先生は、何か特別なことが起こったのではなく、地道にこつこつと積み重ねて来たことが成果として大きく現れたのだと話す。 山廣先生はこの体験を「やればできるんよ」(山廣康子著、ダイヤモンド社刊)という本にまとめている。タイトルは、先生の口癖だ。先生の精神は確実に生徒たちに引き継がれ、教頭に就任して二年目にはバレー部が復活し、しかもたった6人のメンバーで県知事杯優勝という奇跡を起こした。 どの生徒のことも気にかける先生の姿勢、そして当たり前のことを当たり前にするという考え。これが卒業生たちの頭に今も残っているという。 今年の4月7日、安西高校に新たな入学生たちがやってきた。そこにかつての荒れた学校の影はもうない。山廣先生の学校改革は、着実に成果を上げているのだ。 以上、フジテレビのアンビリーバボーより、転載しました。
2006年08月27日
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