アンティークライドのNEW WORLD

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36話~40話(スーパーグランプリ後半)



アナウンサー「さあ!スーパーグランプリ第5戦はここジャングルビートで行われます!地元勢としてクーヘン選手にとってはぜひとも勝ちたいレース。そうはさせじと他車の動きにも注目が集まります。」
レースはやはり3周。このあまりいいコンディションとはいえないコースでの3周は過酷である。
アナウンサー「さあ!各車スタートポジションに着きました!今、スタート!好スタートを決めたのはアンティークコード選手とホワイトマーブル選手だ!」
コード「悪いよりは絶対ましだね。」
マーブル「シャーシ性能を生かせたからいいんじゃないかな?」
アナウンサー「しかし!やはりこの車が先頭をいく!マッドスペシャル選手がやはり先頭へと行きます!」
マッド「今回も勝ってやるぞ!」
アナウンサー「1周目のジャングルの険しきコースを走る12台。さあ、そしてやってきました。これが勝敗を決めるあの桟橋コースだ!」
マッド「ここは何とかして・・・。」
コード「微調整が欠かせないね。」
マーブル「ちょっと下げて・・・このあたりならいい感じだね。」
ナイト「どけ!レッドペガサス!」
レドペガ「な!?うわあ!!」
バラート「レドペガが邪魔だ!」
クーヘン「隙がありすぎるぜ!バラート!」
バラート「くそー!クーヘンにやられたか!」
アニア「こういうコースは、苦手ですわ。」
グリスタ「なら、さっさと消えてな!」
アニア「きゃあ!!」
ムーン「グリスタも落としちゃえ!」
グリスタ「何!?うわあ!!」
ジェイ「俺は自滅だ・・・。」
アンティーク「シンガリから見ると、どんどん落ちていくな・・・。」
アナウンサー「さあ!早くも5台が桟橋から落下!先頭は1周目を終了して、2周目へと入ります。」
1周目終了地点での順位
  1位 マッドスペシャル
  2位 アンティークコード
  3位 ホワイトマーブル
  4位 ナイトブルー
  5位 クーヘン
  6位 ムーンライトロード
  7位 アンティークライド
  8位 レッドペガサス
  9位 バラート
 10位 アニア
 11位 グリーンスター
 12位 ジェイジェイ

2周目。マッドが依然としてトップを走っているが、2番手集団から、早くも上がっていく車が・・・。
ナイト「もう、上がっていくぞ!アベレージアップ!」
アナウンサー「おおっと!一気にナイトブルー選手が2番手に上がり、先頭のマッドスペシャル選手との差を20メートルほどにまで詰めた!」
マッド「おいおい・・・速すぎだろ?」
マーブル「徐々に進出開始!」
コード「まだ末脚をためる!」
クーヘン「もうそろそろ上がっていかないとな・・・メタリックスパート!」
ムーン「クーヘン君が動いた!よし!ライトニングダッシュ!」
アンティーク「俺はまだためるぞ・・・前の伸びが鈍ってきて、そこでまとめ抜きだ!」
アナウンサー「2周目の桟橋コースへと入る!」
コード「くそっ!ここでまさかのミス!」
ムーン「何でこんな所で~。」
ナイト「くそっ・・・よりにもよってこんな場面で・・・。」
クーヘン「ちっ・・・まだすぐには上がれるが・・・致命的なミスだな・・・。」
アナウンサー「ここでも4台が落下!これで、残るは3台のレースとなったか!」
マッド「逃げ切ってやる!MADスピード!」
マーブル「ここからだよ!マーブルスピード!」
アンティーク「ここから追撃開始!トップバースト!」
2周目終了地点での順位
  1位 マッドスペシャル
  2位 ホワイトマーブル
  3位 アンティークライド
  4位 ナイトブルー
  5位 アンティークコード
  6位 クーヘン
  7位 ムーンライトロード
  8位 アニア
  9位 バラート
 10位 グリーンスター
 11位 レッドペガサス
 12位 ジェイジェイ

アナウンサー「さあ!ついに3周目に突入!勝つのはどの車か!?」
マッド「ここからさらに!ラストスパーク!」
マーブル「そう簡単には逃げ切らせないよ!マジックスピード!」
アンティーク「俺も忘れるな!ソニックバースト!」
アナウンサー「桟橋コースを越えて、後は力勝負!わずかにトップはホワイトマーブル選手だ!」
マッド「くそっ!そこだ!」
マーブル「メタルブロック!」
マッド「ちっ!」
アンティーク「そこだ!フラッシュバースト!」
マーブル「何!?」
マッド「してやられたか!」
アナウンサー「抜けたのはアンティークライド選手だ!今、1位でゴール!」
アンティーク「1位・・・初めてじゃないか。」
ムーン「落ちたのが致命的なロスだったな・・・。」
結果は以下の通りです。

   リザルト
  1位 アンティークライド +12P
  2位 ホワイトマーブル  +11P
  3位 マッドスペシャル  +10P
  4位 ナイトブルー     +9P
  5位 アンティークコード  +8P
  6位 クーヘン       +7P
  7位 ムーンライトロード  +6P
  8位 アニア        +5P
  9位 バラート       +4P
 10位 グリーンスター    +3P
 11位 レッドペガサス    +2P
 12位 ジェイジェイ     +1P

   ランキング
  1位 アンティークライド 44P
  2位 ホワイトマーブル  43P
  3位 ナイトブルー    42P
  4位 マッドスペシャル  41P
  5位 アンティークコード 38P
     ムーンライトロード 38P
  7位 クーヘン      36P
  8位 アニア       35P
     バラート      33P
 10位 グリーンスター   19P
 11位 レッドペガサス   15P
 12位 ジェイジェイ     6P
アンティーク「よっしゃ!現在トップだぜ!」
マーブル「2位でついてるから、十分にチャンスはある!」
ナイト「トップと2ポイント差の3位なら、まだ確率的に大丈夫だな。」
ムーン「ちょっとまずいかもね・・・。」
コード「僕もね・・・。」

第37話 SGP第6戦は過去の世界!ブルーシティの白熱戦!

アナウンサー「さあ!第6戦は過去の世界だ!ブルーシティでの対決!このレースを制し、優勝に近づくのはどの車だ!?」
アンティーク「このコースは距離が長いからな・・・待機策が妥当か?」
ムーン「どのコースであっても、俺は待機策だけどね。」
コード「兄さんには負けないようにしないと・・・。」

そして、レーススタート!
アナウンサー「この過酷な長距離戦を制するのは!?まずはやはりマッドスペシャル選手、先頭を行きます。」
マッド「このコースは起伏が多いらしいからな。慎重にいかないとな。」
アナウンサー「その後にはアニア選手が早めの位置取り。それをマークするのはナイトブルー選手とクーヘン選手。そこから200メートルほど離れて、レッドペガサス選手とホワイトマーブル選手が追走。さらにその後ろの集団がジェイジェイ選手とバラート選手。アンティークライド選手とアンティークコード選手もこの後ろにいます。そして、やはりグリーンスター選手とムーンライトロード選手は相変わらずの最後方待機です。」
レドペガ「やば・・・後ろ過ぎたか・・・。」
マーブル「僕は想定内だけどね。」
アンティーク「コード、お前は俺をマークする作戦か。」
コード「さすが兄さん。気づくのが早いね。」
アンティーク「だが、俺は抜かせないぞ。」
コード「絶対に勝つからね!」
ムーン「このままでいいはずだ。」
1周目終了地点での順位
   第1集団
  1位 マッドスペシャル
  2位 アニア
  3位 ナイトブルー
  4位 クーヘン
   第2集団(250メートル差)
  5位 レッドペガサス
  6位 ホワイトマーブル
   第3集団(130メートル差)
  7位 ジェイジェイ
  8位 バラート
   第4集団(150メートル差)
  9位 アンティークライド
 10位 アンティークコード
 11位 グリーンスター
 12位 ムーンライトロード

2周目へと突入する12台。集団は4つに分かれた。
アナウンサー「まず、第1集団には4台います。」
マッド「(この集団は俺を含めて4台いるのか・・・。あまり抜かれないようにしなければ・・・。)」
アニア「(3周目で先頭、そのまま押し切る展開がベストですわね。)」
ナイト「(ぎりぎりまで仕掛けを控えないと、距離が持たないな・・・。)」
クーヘン「(俺の持ち味である根性勝負なら、勝てるはずだぜ。)」
アナウンサー「それを追う2台が第2集団。レッドペガサス選手とホワイトマーブル選手です。」
レドペガ「(このままでは、前に追いついてもスタミナが・・・。)」
マーブル「(レドペガ君が焦ってるね・・・早めに行くか。)」
アナウンサー「さらにその後の第3集団、ジェイジェイ選手とバラート選手がいます。」
ジェイ「(長距離戦は・・・まだ得意なほうだけどな・・・。)」
バラート「(最後の末脚にかけるのみ・・・だな。)」
アナウンサー「最後の集団、第4集団には、現在トップのアンティークライド選手を含め、4台がいます。」
アンティーク「(コードが一緒に来るだろうが・・・それでも上がって行くしかないな。)」
コード「(お?兄さんが動くかな?ならこちらも。)」
グリスタ「(本当に3周目のみにかけてみるか。)」
ムーン「(グリスタよりは前に出ておくか。)」
アナウンサー「さあ!2周目も中盤戦だ。ここで一部の車が動いた!」
アニア「行きますわよ!コーナリングアベレージ!」
クーヘン「こいつをマークするぜ!メタリックスパート!」
マーブル「ここからもう上がっていくべきだ!マーブルスピード!」
アンティーク「そろそろ上がっていくか。特技は温存だな。」
コード「僕も上がろうっと。」
アナウンサー「2周目で一気に順位と集団が変わったぞ!」
2周目終了地点での順位
   第1集団
  1位 マッドスペシャル
  2位 アニア
  3位 クーヘン
  4位 ホワイトマーブル
   第2集団(230メートル差)
  5位 ナイトブルー
  6位 レッドペガサス
  7位 アンティークライド
  8位 アンティークコード
   第3集団(200メートル差)
  9位 バラート
 10位 ムーンライトロード
 11位 ジェイジェイ
 12位 グリーンスター

3周目に入る12台。ここで、激しく火花が散る!
マッド「トップは死守だ!MADスピード!さらに!MADドリフト!」
アニア「追いついていきますわ!」
クーヘン「そのペースなら、俺でもついていけるぜ!」
マーブル「ミニットドリフトでさらに差を縮める!」
ナイト「ここからだ!超高速ドリフト!」
レドペガ「くっ・・・思うように伸びない・・・。」
アンティーク「よっしゃ、行くぜ!トップバースト!」
コード「ウィンドバースト!兄さんには負けない!」
バラート「スペシャルターボ!ここから追撃に入るぜ!」
ムーン「一気に2段発動!ライトニングダッシュにムーンライトα!」
ジェイ「スペアドライブにファイアダッシュ!」
グリスタ「チャージバーストだ!」
第3集団で飛びぬけてよい伸びだったのはムーン。
ムーン「いい感じだ!」
グリスタ「オイオイ、何だよあの伸びは・・・。」
3周目、残り半周時の順位
  1位 マッドスペシャル
  2位 アニア
  3位 クーヘン
  4位 ホワイトマーブル
  5位 ナイトブルー
  6位 アンティークライド
  7位 アンティークコード
  8位 ムーンライトロード
  9位 バラート
 10位 グリーンスター
 11位 レッドペガサス
 12位 ジェイジェイ

アナウンサー「さあ!残り400メートルの競り合いに、9台ほどが一気に殺到する!」
ここで一気に順位がガラリと変わった。
マッド「1位は俺・・・!?」
コード「やった・・・僕が1位だ!」
アンティーク「まだある!ソニックバースト!」
マーブル「ここだ!!マジックスピード!」
ナイト「瞬間の加速力!」
マッド「抜き返す!ラストスパーク!」
アニア「そう簡単には引き下がらなくてよ!」
バラート「俺を忘れるな!」
ムーン「スターストライク!ここであの末脚を再び!」
全車「何!!??」
アナウンサー「抜けたのはムーンライトロード選手だ!今、1位でゴール!2位争いは大接戦だ!」
コード「ふう・・・何とか2位にはなったかな?」
アンティーク「どうだろうか・・・結構混雑していたからな・・・。」
結果は以下の通りとなった。

   リザルト
  1位 ムーンライトロード +12P
  2位 アンティークコード +11P
  3位 マッドスペシャル  +10P
  4位 ホワイトマーブル   +9P
  5位 ナイトブルー     +8P
  6位 アンティークライド  +7P
  7位 アニア        +6P
  8位 クーヘン       +5P
  9位 バラート       +4P
 10位 グリーンスター    +3P
 11位 レッドペガサス    +2P
 12位 ジェイジェイ     +1P

   ランキング
  1位 ホワイトマーブル  52P
  2位 マッドスペシャル  51P
     アンティークライド 51P
  4位 ムーンライトロード 50P
     ナイトブルー    50P
  6位 アンティークコード 49P
  7位 アニア       41P
     クーヘン      41P
  9位 バラート      37P
 10位 グリーンスター   22P
 11位 レッドペガサス   17P
 12位 ジェイジェイ     7P
マーブル「よし!最終戦は得意のオフロードだ!このまま逃げ切る!」
ナイト「まだ逆転の余地はある。」
マッド「1ポイント差なら、まだ可能性はあるな。」
コード「3ポイント差ね・・・。どこまでいけるか。」
ムーン「2ポイント差にまで詰めた!このまま逆転だ!」
アンティーク「そう簡単には勝たせないぜ。WGP優勝者の意地を見せてやる!」
アナウンサー「さあ!明日は1日休みで明後日が最終戦だ!SGPの総合優勝は果たして、誰の手に!?」

第38話 ケーニヒ達とのHGP前哨戦バトル!?

アンティーク「激戦のあとで疲れが取れていいのだが・・・それにしても暇だ。1日休んだら、感覚がなかなか戻らないらしいしな。」
今日はSGPは休みである。第6戦を終えて、2位タイにつけているアンティークにとって、休みはむしろ、強敵なのかもしれない。
そんなことを言って、パーツを確認しているのだから、他の誰よりも人一倍、レースに対する信念が強いのだろう。
アンティーク「タイヤはオフロード+4で大丈夫。エンジンは+7で我慢だな。ブレーキはやはりABS。シャーシもさいこうのシャーシをつけているから・・・これぐらいで大丈夫だろう。」
とその時、電話が鳴った。
アンティーク「ん?誰からの電話だろうか?」
アンティークがその電話を取ったとき、電話の相手は・・・、
???「やあ、アンティーク。現在2位タイじゃないか。」
アンティーク「ケーニヒか。ちょっとまずいよな。」
アンティークの電話相手はケーニヒだった。そのケーニヒは、突然、こんなことを言い出した。
ケーニヒ「まあ、君のことだ。最後のスピード力にはものすごいものを感じるしな。」
アンティーク「ところで、今日は何の用でかけてきたんだ?」
ケーニヒ「ああ。ブラマリ達が今、一緒にいるんだ。レースをすることになって、君も誘ってみたんだ。休みがあまり好きじゃない君だから、もしかしたら来るかもしれないなと思ったんだ。」
アンティーク「マジで!?レースやれるのか!?ぜひ、俺も一緒にやらせてくれ。」
ケーニヒ「じゃあ、午後2時に上級サーキットに来てくれ。貸切にしてあるから。」
アンティーク「OK。じゃあ、そのときに。」
アンティークは早速用意をした。
アンティーク「上級サーキットだから、オフロードじゃ論外だよな・・・。レーシングタイヤ+4を新たに買っておいたから、それを装備するとするか。」

午後1時40分。一番最初に上級サーキットに現れたのは、ケーニヒだった。
ケーニヒ「来るのは私が一番早かったみたいだな。」
その5分後にアンティークが来た。
アンティーク「やあ、ケーニヒ。やはりお前が一番早かったか。」
ケーニヒ「私はいつもどおりに来ただけだがな。」
その5分後に続々とメンバーがそろった。
アンティーク「ブラマリにブルペガ、それにGTスペシャル!?何というメンバーなんだよ・・・。」
GT「まあ、HGPには出ないから、心配しないでくれ。」
アンティーク「なぜ出ないんだ?」
GT「ちょっと忙しくてね。まあ、君の活躍を期待するとして、走る準備をするか。」
ブラマリ「ここは私の得意コースだ。負けるわけにはいかない!」
ブルペガ「お前の弱点、コーナーで倒す!」
ケーニヒ「末脚勝負なら、私が勝つぞ!」
アンティーク「おいおい、こんなメンバー相手にどこまで走れるんだろうか・・・。」

スタート順は、ブラマリ、ブルペガ、ケーニヒ、GT、アンティークの順だ。
レーススタート!スタートダッシュはほとんど全員速い。特に抜けているのはブラマリとGTだ。
ブラマリ「やるな、GT。だが、先手は渡さないぞ!」
GT「俺も先手は譲らない!」
ブラマリとGTが飛ばす120メートル後ろにブルペガがいる。
ブルペガ「すごく速いペースだな・・・だが、それなら温存策も不可欠だな。」
ブルペガの210メートル後ろにはケーニヒ、さらに60メートル後ろにアンティークがいる。
ケーニヒ「予定通りの位置だ・・・ここから他はどう出る?」
アンティーク「最後方から見ると、よく他の車の動きが見えるな・・・。」
レースは1周を終えた。トップを走るブラマリとGTのタイムはなんと38秒台!普通のグランプリでも40秒台が精一杯のコースで、これは明らかにすごすぎる。ブルペガも39秒台で通過し、ケーニヒは40秒台後半、アンティークは41秒台前半で1周を走った。
2周目。コーナーが苦手なブラマリにとって、ヘアピンのある中盤の連続カーブはつらい。だが、
ブラマリ「GTには負けない!そこだ!」
GT「何!?体当たりでヘアピン通過か!」
GTがオフロードに出てしまう。それを見たブルペガ、ケーニヒが抜いていく。アンティークとGTがほぼ同じ位置取りとなった。
アンティーク「GTが体当たりではじかれるとは・・・だが、GTには負けない!」
アンティークがものすごい加速力を見せ、GTを抜いた。
GT「な!?あの加速力はブラマリ並じゃないか!」
ブラマリ「このままトップは独走・・・!?ブルペガたちが追い上げてきたな・・・。」
ブルペガ「そう簡単に独走はさせるかよ!」
ケーニヒ「私の得意分野は3周目なのでね。この周で一気にかわすぞ!」
アンティーク「ケーニヒとの差は、約70メートルだな。ここからどこまで差が縮まるか・・・。」
GT「出来るだけ離されないようにしなければならないが・・・勝つのは絶望的だな。」

3周目に入る。ブラマリの2周目のタイムは38秒56。1周目と比べるとわずかに落ちている。対照的にブルペガは38秒23、ケーニヒは37秒96と、ものすごい追い上げをしている。アンティークも38秒26で負けてはいない。
ブラマリ「このままでは、追いつかれるぞ!」
ブルペガ「コーナーで差を一気に詰める!」
ケーニヒ「ラストスパートに突入!」
アンティーク「ここからが勝負!トップバースト!」
GT「アンティークが見えないってことは、かなり引き離されているということか・・・。」
3周目のヘアピンコーナー。ここでついに、
ブルペガ「よっしゃ!ついにブラマリを捕らえた!」
ブラマリ「やはりコーナーでは負けるか・・・だが、直線でもう一度巻き返すのみ!」
ケーニヒ「ブラマリの後ろまで来た!この調子なら勝てる!」
アンティーク「ケーニヒとの差が40メートルぐらいになってきた!このままさらに加速!スウィングドリフト!」
そして最後のピットに入るところの手前まで来た。(ピットは当然、閉まってます。)
ブラマリ「直線に入れば、私のものだ!」
ブルペガ「くそっ!また抜かれたか!」
ケーニヒ「ブルペガを抜いたぞ!」
アンティーク「俺も抜いたぜ!さあ、分からなくなってきた!」
ブルペガ「何!?もう4位か・・・。」
最後のホームストレート!
ブラマリ「伸びが鈍ってきたか!こんなときに限って!」
ケーニヒ「あのペースなら当然だ!最後の一伸び、見せてやる!」
ブラマリ「甘いぞ!ブロック!」
その時だった。
アンティーク「今こそ、進化した末脚を見せる時!これが新特技にして奥義!ドリームバースト!!!」
ケーニヒ「な!?」
ブラマリ「にぃ!?」
ゴール!1位はアンティーク、2位はブラマリ、3位がケーニヒだった。アンティークの3周目のタイムは、なんと36秒98だった。
ケーニヒ「君にそんな力があるとは・・・。」
アンティーク「よっしゃ!強敵相手に1位だぜ!」
ブラマリ「すばらしい末脚だな。HGPで会えることを楽しみにしてるよ。」
こうして、アンティークは1日を終えたのであった。

第39話 ついにSGP最終戦!秋は夕暮れ、頂上決戦の時(前編)

ムーン「今日のレースに優勝し、SGP優勝はもらうぞ!」
アンティーク「昨日習得した新特技、この舞台でこそふさわしいな。」
ナイト「このコースは俺の得意コースだ。負けるわけにはいかないからな。」
マッド「俺も同様のことが言えるぞ、ナイト」
ナイト「お互い、ライバル同士というわけか・・・。」
マーブル「暫定トップのまま、逃げ切りだ!」
コード「最後の最後に一泡吹かせられるかな・・・。」

アナウンサー「さあ、ついにやってきたSGP最終戦!このグランプリを制し、HGPの最有力候補へと挙がるのはどの車なのか!?その決戦の時が、いよいよ近づいてきます。まもなくSGP最終戦、スタートです!」
そして、ついにレーススタート!
アナウンサー「さあ!ついに始まりました!好スタートはナイトブルー選手とマッドスペシャル選手!レッドペガサス選手が3番手につきます。そして、やはりマッドスペシャル選手が先頭に行きます!」
マッド「このまま逃げ切れば、都合がよいのだが・・・そんなに都合がいいことないよな・・・。とりあえず、MADシフトダウン!」
ナイト「ここは先行有利のコース。遅めに仕掛けた集団、悪く思わないでくれ。」
レドペガ「スタートこそまあまあだったが・・・ここからどうだろうか。」
アナウンサー「その後はアニア選手とバラート選手、クーヘン選手にアンティークコード選手、ホワイトマーブル選手もいます。第2集団がかなり混沌としています。」
アニア「前の3台、3周目には消えてもらいますわよ。」
バラート「ここからなら、差し切りも十分可能だぜ!」
クーヘン「第2集団なら、様子も見えるな。」
コード「兄さんより前なら、勝てるはずだ!」
マーブル「自然とハイペースになってくるはず・・・このまま2周目の前半までは抑えるべきだ。」
アナウンサー「そして第3集団、第6戦を制したムーンライトロード選手を含める4台が追走しています。」
ジェイ「ペースについていけないぞ・・・。」
アンティーク「ここで末脚をためて、その末脚を3周目で爆発させる。このパターンに持ち込めれば・・・。」
ムーン「アンティークの後ろなら、きっちりと差し切ってやる!」
グリスタ「最後に何とかして上位集団に食い込めればな・・・。」
アナウンサー「1周目では、それほど順位に変化はありません。各車、2周目へと入って行きます。」
1周目終了地点での順位
   第1集団
  1位 マッドスペシャル
  2位 ナイトブルー
  3位 レッドペガサス
   第2集団
  4位 アニア
  5位 バラート
  6位 クーヘン
  7位 アンティークコード
  8位 ホワイトマーブル
   第3集団
  9位 ジェイジェイ
 10位 アンティークライド
 11位 ムーンライトロード
 12位 グリーンスター
2周目。相変わらずのペースで前半は終わる。だが、後半の半周で、一気に順位がめまぐるしく変わる。
マッド「ここからだと早いかもしれないが・・・試練だと思っていくぞ!早めのMADスピード!」
ナイト「マッドが動いた!こちらも動くぞ!アベレージアップ!」
レドペガ「調子が上がらない・・・。」
アニア「いきますわよ!コーナリングアベレージ!」
バラート「スペシャルターボ!ここで一気に差し切るぜ!」
クーヘン「メタリックスパート!並んで一気差しだ!」
コード「早めに行くべき!ウィンドバースト!」
マーブル「ではこちらも!マーブルスピード!」
ジェイ「俺はもう、どうでもいいや。」
アンティーク「さあ、いくぜ!トップバースト!ソニックバーストも追加発動!」
ムーン「ライトニングダッシュ!さらにムーンライトα、追加発動!」
グリスタ「チャージバースト!追い上げて見せるぜ!」
各車が一気に動いたせいで、大混戦となるのである。
マッド「何!?俺が3位になっている!?」
ナイト「よし!1位だ!このまま逃げ切ってやる!」
アニア「させませんわ!」
ナイト「何!?外からオーバースピードで抜いただと!?」
アニア「コーナリングアベレージはこの効果が一番大きいので、もってこいですわね。」
クーヘン「そう簡単には、」
バラート「行かせないぜ、お嬢さんよ!」
アニア「きゃあ!何ですの、あなたたち!」
クーヘン「何ですのって聞かれても困るんだがな。」
バラート「話を聞いてる暇などあるのか?」
クーヘン「あ!この野郎!」
コード「その外から!」
マーブル「内側にもぐりこんで!」
マッド「まだ、俺も終わってはいないぞ!」
ナイト「忘れられても困るな!」
ムーン「前が団子状態だ!これなら、一気にいける!」
アンティーク「まだ・・・まだあの末脚は出さないぞ・・・。」
グリスタ「完全に遅れてしまったんだが・・・あいつらに。」
2周目終了地点での順位
  1位集団 アンティークコード、ホワイトマーブル、バラート、クーヘン
  その直後の集団 マッドスペシャル、ナイトブルー、アニア、ムーンライトロード、アンティークライド
  遅れた集団 グリーンスター、レッドペガサス、ジェイジェイ
果たして、勝負の行方は!?後半戦をお楽しみに。

第40話 ついにSGP最終戦!秋は夕暮れ、頂上決戦の時(後編)

3周目に突入した12台。トップ争いが混沌としている中、それを見ている3台の影が・・・。
ケーニヒ「果たして、このアンティークがどういうレースをするか、楽しみだな、ブラマリ。」
ブラマリ「ああ。あの末脚を、ここでも使うことが出来るのか、見せてもらおうじゃないか。な、ブルペガ。」
ブルペガ「そうだな。あいつとは、HGPで戦いたくなってきたしな。」
その3台とは、昨日、アンティークとレースをし、あの末脚を見たケーニヒ達である。今日も当然、アンティークの応援と他車の視察に来ていたのだ。
ケーニヒ「それにしても、あの混戦からどの車が抜け出てくるだろうか?」
ブラマリ「そりゃあ、アンティークに決まってるだろう。混戦になった昨日のレースで、私たちはあの末脚を見たのだから。」
ブルペガ「怖いのは・・・第6戦で鋭い末脚を見せたムーンライトロード。それから、このコースが得意なナイトブルー、マッドスペシャルも見逃せないな。」
ケーニヒ「そろそろ3周目も中盤戦に近づいてきたぞ!」
ブラマリ「さあ!誰が勝つんだろうか!?」
ブルペガ「すごい!前のHGPよりすごい競り合いだ!」

マーブル「ミニットドリフト!これ以上差を縮めさせはしない!」
コード「くっ・・・あの特技は今使うとスタミナが持たないからね・・・。」
マッド「MADドリフト!コードを抜いて、前のマーブルも抜く!」
ナイト「マッドに負けるか!超高速ドリフト!」
アニア「まるでものすごいレースになっていますわ。それでも私は負けられませんわ!もう一度!コーナリングアベレージ!」
バラート「やべ・・・スペシャルターボが早くも切れちまった!」
クーヘン「じゃあ、お前の負けだ!ラバーモードに変形!」
バラート「な!?くっそー!!」
アナウンサー「ここで前の競り合いの中から、バラート選手が脱落だ!」
バラート「まだチャンスはあるが、これ以上差を詰めるのは難しいのか!?いや、やってみるしかないぜ!」
アナウンサー「バラート選手、あきらめずに精神力で勝負に出ました!」
アンティーク「ここからさらに加速!スウィングドリフト!」
ムーン「スパークドリフトで対抗!アンティークに2度も負けたくはない!」
アナウンサー「さあ!いよいよラスト400メートルの競り合いとなった!クランクを抜け、ホームストレート前の緩やかな大きいカーブの前に先頭集団が行く!」
マーブル「さらに!マジックスピードだ!」
コード「今こそ、この奥義を使う時だ!一瞬の爆発力!」
ナイト「瞬間の加速力、発動!インコースから一気に差を詰める!」
マッド「ラストスパーク!経済コースで一気にかわすぞ!」
ムーン「ここでついにあの末脚を!スターストライク!」
クーヘン「ラバーモードのまま、鋼鉄のど根性だ!」
アニア「インコースで我慢して、最後の直線勝負にかけるしかありませんわ!」
アナウンサー「さあ!最後の直線コース!どの車も互いに譲らない!横に6・7台ほどが並んでいる!!その中で、アンティークライド選手がわずかに遅れている!どの車が抜け出すのか!!??」
アンティーク「・・・悪いな、みんな。この勝負、俺が勝たせてもらうぜ。」
ケーニヒ「来るな・・・アンティークのあの技が・・・。」
ブラマリ「しっかりと脳裏に焼き付けておかなければ。」
ブルペガ「この瞬間をどれだけの観客が驚くだろうか・・・。」
アナウンサー「横一列に並んだまま、あと50メートル!これは、このまま同着か!?!?!?」
アンティーク「真のスピード、今ここに!奥義、ドリームバースト発動!!!」
・・・制したのは、どの車なのか・・・。
アナウンサー「ゴール!!大接戦となったこのレース。写真判定となります。アンティークライド選手は最後の最後に特技を発動してきました。これは届いているのか?距離的には足りなかったようにも思います。」
アンティーク「・・・、大丈夫、差し切ったぜ。」
アナウンサー「・・・今、その写真が公開されます。・・・!?抜けているのは・・・アンティークライド選手だ!!!あの距離から差し切ったというのか!?2着はナイトブルー選手。3着にマッドスペシャル選手で4着がホワイトマーブル選手。ムーンライトロード選手がその後の5着。以下、アンティークコード、アニア、クーヘン、バラート各選手の順に続きました。」
ムーン「5位か。くそー!勝ったと思ったのになあ・・・。」
マーブル「最終結果が気になるなあ・・・。」
マッド「3位なら、何とかなってないか・・・!?」
ナイト「とりあえず、リザルトを見てみるとするか。」

   リザルト
  1位 アンティークライド +12P
  2位 ナイトブルー    +11P
  3位 マッドスペシャル  +10P
  4位 ホワイトマーブル   +9P
  5位 ムーンライトロード  +8P
  6位 アンティークコード  +7P
  7位 アニア        +6P
  8位 クーヘン       +5P
  9位 バラート       +4P
 10位 グリーンスター    +3P
 11位 レッドペガサス    +2P
 12位 ジェイジェイ     +1P

アナウンサー「ついに、SGP全7戦を終了しました!激しい戦いを制し、見事に頂点に立ったのは、果たしてどの車なのでしょうか!?主催者より、結果が発表されます!」
主催者「えー、皆さん、おつかれさまでした。最後の結果発表へと入りたいと思います。」
主催者「まずは12位。ジェイジェイ選手。記録は8ポイントです。初挑戦でしたが、よくがんばりました。」
ジェイ「10ポイントはいきたかったよな・・・でも、いい経験になったな。」
主催者「11位はレッドペガサス選手。今大会では思うように力が出し切れていないように見え、大変残念です。」
レドペガ「次回の大会では、必ず優勝して見せるさ。」
主催者「10位はグリーンスター選手。彼ももっと力があったのではと感じる部分があったので、この結果には残念です。」
グリスタ「俺も残念だ・・・次回はもっとよくなるように頑張るぜ。」
主催者「9位はバラート選手、8位はクーヘン選手、7位にアニア選手。6位にはアンティークコード選手。」
コード「ベスト5は、結構いい意味で表彰されるんだよね・・・。」
主催者「そして、5位は・・・ムーンライトロード選手!58ポイントです。」
ムーン「うわー!また3位以内には入れなかった!!!」
主催者「続いては、2位の発表です!3台が並んでいます!まず1台目・・・ホワイトマーブル選手!」
マーブル「うーん・・・・最後にまた逆転されたか。」
主催者「続いて・・・マッドスペシャル選手!」
マッド「ワールドグランプリの内容を考えれば、今回は明らかによかったな。勝ちたかったが、いい経験になった。」
主催者「そして、ナイトブルー選手です!3台とも、61ポイントの同点です。」
ナイト「俺が2位・・・ということは!?」
主催者「そして、今回の栄(は)えあるスーパーグランプリ優勝者は・・・・・・・アンティークライド選手です!!!ポイントは63ポイント。特に最終戦で見せたあの切れ味は、すばらしいものだったでしょう。では、これから表彰式を行います。」
アンティーク「よっしゃあ!!!!ワールドグランプリに続いて、スーパーグランプリも制覇だぜ!!!!」
主催者「それから、1~4位の皆さんには、ハイパーグランプリ出走権を獲得です!」
ナイト「よし!ハイパーグランプリに出場だ!」
マッド「ここまで来れるとはな・・・。」
マーブル「出られるからには、無様なレースはしないようにしないと。」
主催者「そして、ムーンライトロード選手、アンティークコード選手、アニア選手の3台にも、特別出走権を獲得です!」
アニア「え!?私がハイパーグランプリに出場!?やりましたわ!まるで夢のようですわ!」
コード「僕が・・・ハイパーグランプリに出場・・・?やったぞ!!!」
ムーン「よっしゃ!出場して、今度こそはアンティークに勝ってやる!」
アンティーク「じゃあ、みんな、今度はハイパーグランプリで会おうぜ。」
主催者「皆さん、本当におつかれさまでした。」


    最終結果
  1位 アンティークライド 63P
  2位 ナイトブルー    61P
     マッドスペシャル  61P
     ホワイトマーブル  61P
  5位 ムーンライトロード 58P
  6位 アンティークコード 56P
  7位 アニア       47P
  8位 クーヘン      46P
  9位 バラート      41P
 10位 グリーンスター   25P
 11位 レッドペガサス   19P
 12位 ジェイジェイ     8P

 あとがき
作者「スーパーグランプリは、やはりアンティークの優勝!!」
アンティーク「苦戦は強いられたけどな。とりあえず、主人公の役目を果たしたぜ。」
ムーン「俺は5位だったよ・・・。」
コード「6位・・・微妙だね・・・。あと、兄さん、おめでとう。」
アンティーク「なんだか、照れるじゃないか。やめてくれよ。」
ナイト「でもまあ、これで次はいよいよハイパーグランプリというわけになったわけだ。」
マッド「すごいメンバーになりそうだな。」
作者「まあ、次はいったんグランプリからは外れるから。41話~45話をお楽しみに。」
マーブル「また僕は、忘れられてるよ!」
アンティーク「ああ、忘れてた。悪い。」


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