アンティークライドのNEW WORLD

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66話~70話 ハイパーグランプリ(4)



アンティーク「ついにハイパーグランプリも、残り3戦となったな。」
ムーン「このまま終われるわけないだろ?逆転してみせるからな。」
ナイト「しかし、残る3戦は、いずれもオンロードコース。どれだけコーナーのラインをうまく取るかが勝敗の鍵を握ることになりそうだな。」
マーブル「だからこそ、接戦になればなるほど面白いんだけどね。」
ケーニヒ「さて、そろそろレースが始まるぞ。」
コード「よーし、ここで一発決めるぞ!」

いきなり場所が変わるが、観客席。ロードやカーニバル、ブルーアローも来ている。
ロード「この前はやばいものを見たからな・・・」
カーニバル「ああ・・・このレースを見に来たのも、この前のあれがあるからなあ・・・。」
ブルー「さて、今回のレースは、誰が勝つのか・・・。」

アナウンサー「さあ、いよいよハイパーグランプリも大詰めになって来ました!第10戦はここ、スクスクサーキットです。現在、暫定トップのアンティークライド選手、このままトップを維持することは出来るのでしょうか!?しかし!2位以下もほとんど差がなく、大接戦となりそうです!・・・さあ、いよいよスタートです!」
レーススタート!好スタートは例によってマッドとブラマリ。しかし、それを上回る好スタートを決めたのが1台。
マッド「!!マーブル!!」
アナウンサー「おおっと!今日はホワイトマーブル選手が絶妙なロケットスタートを見せる!しかし、マッドスペシャル選手、ブラックマリア選手、前を譲りません。ホワイトマーブル選手は3番手からのスタートとなりました。」
マーブル「もともと、そんなに最初は飛ばさないタイプだからね。」
アナウンサー「前は、ブラックマリア選手が主導権を握りました。先頭はブラックマリア選手。2番手にマッドスペシャル選手。その後は少し離れまして、ホワイトマーブル選手、ブルー・ペガサス選手、エスペランザ選手、アニア選手、ペガース選手が好位集団を形成しています。さらに後方にはケーニヒ選手、アンティークコード選手、ナイトブルー選手が中団集団を形成。アンティークライド選手、ムーンライトロード選手は後方に控えています。」
アンティーク「(ここはコーナーのライン取りが重要だな・・・各車の動きを警戒しつつ、ラインをうまく取っていかなければ・・・。)」

緩むことすら許されないほどの速いペース・・・ブラマリは道中のペースをやや落とす。しかし、
マッド「隙あり!」
ブラマリ「!?このままペースを落とさないつもりか!?」
マッド「その通りさ。お前の弱点は、分かりきってるからな。」
ブラマリ「ちっ・・・ならば、私もペースを落とさずに進めるまでだ!」
アナウンサー「ブラックマリア選手、またマッドスペシャル選手を抜いて先頭に立つ!またしても、あの地獄のハイペースを再現するのでしょうか!?」
ブルペガ「あーあー、またあのハイペースになっちまいそうだな。」
エスペランザ「ハイペースなら、抑えるまでだ。」
ケーニヒ「マッドも警戒しなければ・・・。」
ムーン「俺はハイペースほど歓迎だけどな。」
マーブル「(・・・もう、上がって行こうかな・・・。)」

何だかんだと言って、早くも4周目に入る。
ブルペガ「追撃開始だ!」
エスペランザ「レーシングバランス!」
アニア「コーナリングアベレージですわ!」
ペガース「早いと思うけどね・・・。」
ケーニヒ「フライトスパート!」
コード「ケーニヒさんをマーク!ウィンドバースト!」
ムーン「アンティークより先に行く!ライトニングダッシュ!」
ナイト「俺もここから!瞬間の加速力!」
マーブルはというと、
マーブル「すでに4番手以降を引き離してるね。」
他車「!!」
ブラマリ「おっと・・・マーブルが早くも上がってきたか。だが、ここまでペースが速かった以上、スタミナがそろそろ尽きているのでは?」
マッド「俺はそうは思わないな。」
アナウンサー「さあ、ここで順位を確認しておきましょう。」

   4周目終了地点での順位
  1位 ブラックマリア
  2位 マッドスペシャル
  3位 ホワイトマーブル
   第2集団
  4位 ブルー・ペガサス
  5位 エスペランザ
  6位 アニア
  7位 ケーニヒ
  8位 アンティークコード
  9位 ナイトブルー
 10位 ペガース
 11位 ムーンライトロード
   第3集団(1台しかいないが)
 12位 アンティークライド

ファイナルラップの5周目。意外にも後方集団の伸びは悪い。
ブルペガ「くっ・・・前との差が縮まらないぜ。」
アニア「想像以上のスタミナ消耗戦ですわ。」
エスペランザ「前はどうなっているのか・・・。」
アンティーク「追撃開始したが、なかなか差が縮まらないな!」
ケーニヒ「何とか4位までには・・・。」
その中からただ1台、伸びが違う車がいた。
ケーニヒ「よし、この勢いなら、4位には・・・!?」
ナイト「悪いな。ここから追撃開始だ!」
アナウンサー「ナイトブルー選手、苦戦している後方集団からただ1台抜け出した!そして、前の3台に迫る!」
ブラマリ「負けられない!ワールドスピード!」
マッド「ここまで来た以上、負けるわけには行かない!MADスパート!」
マーブル「最後に笑うのは僕だ!マーブルスピード!さらに、マジックスピード!」
ナイト「ここでこそ、あの技を使うとき!奥義、プラズママックス!」
アナウンサー「これは大激戦だ!4台が最後のホームストレートでの力勝負!・・・ゴール!これはきわどくなりました!マッドスペシャル選手はやや態勢不利だったでしょうか!?他の3台はほとんど差がありませんでした!」
マッド「ちっ・・・4位までだったか・・・。」
アンティーク「6位・・・まあ、遅すぎたな。」
ケーニヒ「5位までだったか・・・内容に不満はないが・・・。」
ブルペガ「まあ、それぐらいならましだろ。俺は11位まで転落してしまったんだぜ?」
アナウンサー「結果が出ました!・・・1位は、ナイトブルー選手です!2位にホワイトマーブル選手、3位にブラックマリア選手となりました!」
ナイト「ふう・・・何とか1位だったな。」
マーブル「早め追撃も、最後はやられちゃったね。」
ブラマリ「まあ、この内容なら、悪くはないか。」

 全着順と順位は以下の通り。
   リザルト
  1位 ナイトブルー    +12P
  2位 ホワイトマーブル  +11P
  3位 ブラックマリア   +10P
  4位 マッドスペシャル   +9P
  5位 ケーニヒ       +8P
  6位 アンティークライド  +7P
  7位 アンティークコード  +6P
  8位 ムーンライトロード  +5P
  9位 エスペランザ     +4P
 10位 ペガース       +3P
 11位 ブルー・ペガサス   +2P
 12位 アニア        +1P

   ランキング
  1位 マッドスペシャル  76P
     アンティークライド 76P
  3位 ケーニヒ      74P
  4位 ナイトブルー    73P
     ホワイトマーブル  73P
  6位 ブラックマリア   70P
  7位 ペガース      67P
  8位 アンティークコード 61P
     ブルー・ペガサス  61P
 10位 ムーンライトロード 60P
 11位 エスペランザ    58P
 12位 アニア       31P

マッド「よし!1位タイだ!」
ケーニヒ「何とか、3位はキープだな。」
ブラマリ「6位か・・・次で下位集団だと、かなり厳しいな。」
ブルペガ「よく言うぜ、ブラマリ。俺なんて、次で下位集団だったら、スペシャルグランプリは絶望的だぜ?」
ペガース「俺もだね。」
エスペランザ「このままだと、俺はもう無理だな。」
ムーン「俺も・・・そうかもしれない。」
コード「僕もね。」
アンティーク「まだ終わってないんだから、諦めるなよ。」
ナイト「あと2戦、まだ逆転のチャンスはあるさ。」

第67話 その先に待つのは天国?それとも地獄?HGP第11戦、ヘブンズレインボー戦

ナイト「ヘブンズレインボー・・・かつて、いや、今もだが、マイスターとの対決に使用されたスペシャルコースとも呼ばれる。このコースが最近、このグランプリで使用されるようになってからは、数々の名勝負を繰り広げてきた。まさに、今のハイパーグランプリのコースにふさわしいな。」
アンティーク「だからこそ、ここでは負けられないんだよな。」
ムーン「俺だってさ。」
コード「僕もだよ。」
ブルペガ「俺たちも、まだ望みを捨てたわけじゃない。」
エスペランザ「最後の最後まで、勝負の行方は分からないさ。」
ペガース「最後に笑う奴がいれば、涙を飲む奴もいる。」
アニア「最後に笑うのは、誰なのかしら?」
ケーニヒ「分からない。熾烈を極めるグランプリは、最後まで大接戦となりそうだな。」
マーブル「そろそろ、レースが始まるね。」
マッド「暫定トップ・・・このままキープ出来れば・・・。」
ブラマリ「そうは簡単にキープさせるものか。」

アナウンサー「ハイパーグランプリ第11戦、ヘブンズレインボーで行われます。今までに、数々の名勝負を繰り広げてきたこのコースを舞台に、12台のメンバーがどんなレースを見せてくれるのでしょうか?まもなく、スタートです。」
レーススタート!ブラマリとマッドがいつものようにロケットスタートを決める。ブラマリが先頭争いを制し、主導権を握る。
アナウンサー「ブラックマリア選手、今日こそは勝利を収めたいところでもあります。そうはさせじと、マッドスペシャル選手もきっちり喰らいついています!」
マッド「今日こそ勝って、最終戦に弾みをつける!」
ブラマリ「私だって、ここで負けるわけには行かない!」
アナウンサー「さあ、どんどん飛ばしていく2台。3番手には、ブルー・ペガサス選手とナイトブルー選手が追走しています。」
ブルペガ「ここでは、絶対に負けられないんでな。」
ナイト「それは、他の車にとっても同じことが言えるな。」
アナウンサー「さらにその後ろの集団には、エスペランザ選手、アニア選手、アンティークコード選手、ホワイトマーブル選手、ペガース選手、ケーニヒ選手、アンティークライド選手がいます。そして、そのやや後ろに最後方、ムーンライトロード選手が追走しています。」

レースは、特に何事もなく4周目に入る。特に何事もなく進み、全然面白くないように感じるが、何事もないというのは、やはり、レベルが高い証拠からであろう。
4周目。意外にも、前の2台がペースダウンしていた。
ブラマリ「くっ・・・それほど速いペースではなかったはずだが・・・。」
マッド「何故だ・・・オーバースピードではなかったはず・・・。」
アナウンサー「どうしたのでしょうか?前を行くブラックマリア選手とマッドスペシャル選手、失速気味です!代わって前に行く車が4台いるぞ!・・・ブルー・ペガサス選手、エスペランザ選手、アンティークコード選手、そして、ペガース選手の4台!アニア選手もその直後にまで喰らいついているぞ!」
ブルペガ「お前らに負けるかよ!」
エスペランザ「レイジレーサー組の予選2位の力、見せてやる!」
ペガース「なら、俺は1位の力を見せてやる!」
コード「僕だって、この勝負には負けられないさ!」
アニア「私だって、まだ諦めたわけではありませんわ!」
アナウンサー「さらに!ムーンライトロード選手も早くも6番手まで上昇している!対照的に、アンティークライド選手やケーニヒ選手は苦戦中だ!」
アンティーク「調子が良くないわけではないんだけどな・・・。」
ケーニヒ「何とかしないと、第8戦の悪夢が再び来てしまうぞ。」
ムーン「あれ?アンティークは調子が悪そうだな。これはチャンスだな!」
ハイペースにもかかわらず、各車が早めに動く。そして、ファイナルラップの5周目。最初のダウンヒルカーブへと来る。このあたりは、どの車も難なくとクリアしていく。依然として、ブルペガがトップをキープしてはいるが、さすがに早めに動いたことが凶と出たのか、タイヤが垂れ始めていた。そう、紛れもないスタミナ切れである。
ブルペガ「くっ・・・だが、後続もタイヤが垂れ始めている。何とかなるはずだ!」
アニア「なかなか前との差が縮まりませんわ。」
ペガース「ここまでこのコースが辛いコースとはね・・・。」
前の集団から、ペガースとアニアが脱落。ブルペガがトップをキープしている。その後ろにはエスペランザとコード。さらにその後ろにはムーンがいる。
中盤の長い虹色の橋を、上位4台が通過していく。アニア、ペガースも失速はしているが、後続勢が伸びを大きく欠いているため、5・6位争いにはなりそうだ。
アナウンサー「さあ、トップのブルー・ペガサス選手が最後のコーナーへと入る!しかし、その直後にまでアンティークコード選手、エスペランザ選手、ムーンライトロード選手が迫っている!」
ブルペガ「負けてたまるか!ペガサススピード!」
コード「あの切れ味を再び!一瞬の爆発力!」
エスペランザ「俺だって、負けるわけにはいかないんだ!バランススパート!」
ムーン「ここで勝負を決める!スターストライク!」
アナウンサー「最後の直線に入る!」
最後の直線。ブルペガがわずかにリード。エスペランザ、わずかに他の車より伸びを欠く。ブルペガの左からコード、右からムーンが差を詰める。
アナウンサー「3台が横一線だ!今、ゴール!さあ、これはかなりきわどくなりました。エスペランザ選手は最後に伸びを欠いて4位入線。その後は、ペガース選手、アニア選手がゴール。トップ争いのアンティークライド選手、マッドスペシャル選手などは全く伸びがありませんでした。」
アンティーク「やべえ・・・11位だった・・・。」
ケーニヒ「最下位はまぬがれたが・・・それでも10位か・・・。」
ブラマリ「7位・・・何とかなるか・・・。」
ナイト「9位か・・・全然見せ場すら作れなかったな。」
マーブル「僕も同じだ・・・8位だったよ・・・。」
マッド「まだお前達はいいだろう。俺は最下位だぞ・・・。」
アナウンサー「さあ・・・出ました!1位は・・・ムーンライトロード選手です!2位にブルー・ペガサス選手、3位にアンティークコード選手となりました!」
コード「あ~あ、3位までだったよ・・・。」
ブルペガ「最後の最後にやられちまったか。」
ムーン「よし!これで最終戦に望みをつなげられれば!」

 全着順と順位は以下の通り。
   リザルト
  1位 ムーンライトロード +12P
  2位 ブルー・ペガサス  +11P
  3位 アンティークコード +10P
  4位 エスペランザ     +9P
  5位 ペガース       +8P
  6位 アニア        +7P
  7位 ブラックマリア    +6P
  8位 ホワイトマーブル   +5P
  9位 ナイトブルー     +4P
 10位 ケーニヒ       +3P
 11位 アンティークライド  +2P
 12位 マッドスペシャル   +1P

   ランキング
  1位 ホワイトマーブル  78P
     アンティークライド 78P
  3位 ナイトブルー    77P
     ケーニヒ      77P
     マッドスペシャル  77P
  6位 ブラックマリア   76P
  7位 ペガース      75P
  8位 ムーンライトロード 72P
     ブルー・ペガサス  72P
 10位 アンティークコード 71P
 11位 エスペランザ    67P
 12位 アニア       37P

マーブル「よし!次で1位なら優勝だ!」
アンティーク「お前に負けるものか!優勝は俺がいただく!」
ナイト「1ポイント差・・・これなら優勝の可能性も十分にあるな!」
マッド「何とか、1ポイント差で最終戦に挑めるな。」
ケーニヒ「最終戦を勝利で締めたいところだな。」
ブラマリ「そう簡単には行かせないぞ、ケーニヒ。」
ブルペガ「俺だってさ。」
ムーン「6ポイント差・・・逆転の可能性がないわけではないな。」
コード「もし優勝出来なくても、6位以内には入りたいね。」
アニア「私は6位以内が絶望的であっても、最終戦で一泡ふかすことが出来れば・・・。」
エスペランザ「俺も同じくだ。」
ペガース「最終戦・・・チョロQシティだね。」
アナウンサー「さあ、ハイパーグランプリも残すはあと1戦となりました!勝利の女神は、誰に微笑むのか!」

第68話 HGPファイナルステージ、チョロQシティ・・・信念を賭けた戦い(前編)

アンティーク「とうとうファイナルステージか・・・ここで勝利をなんとしても勝ち取らないとな。」
ムーン「俺だって、簡単には引き下がらないさ。」
コード「僕もだよ。」
ナイト「最終戦・・・12台の信念がぶつかり合う。その時、どんなドラマが生まれるのか・・・。」
マーブル「ナイト君が微妙におかしくなってるよ・・・。」
ナイト「すまない。ちょっと考え事をしていた。」
ケーニヒ「あまり考えすぎると、体に良くないぞ。」
ブラマリ「まあ、最終戦だ。緊張するのも無理はないさ。」
ブルペガ「(緊張という言葉・・・一度も使われてないぜ・・・?)」

アナウンサー「ついにハイパーグランプリもいよいよファイナルステージとなりました!その最後の舞台は、チョロQシティです!ここでどんな歴史が刻まれるのか!いよいよファイナルステージ、スタートです!」
レーススタート!いつものごとく、ブラマリとマッドがロケットスタートを決めるが、今日は一味違うスタートとなっていた。
ブルペガ「俺達も、」
ブラマリ、マッド以外「今日は好スタート!」
ブラマリ「それでも、主導権は私が奪う!」
マッド「そう簡単に奪わせるかよ!」
アナウンサー「さあ、今日のレースを勝利するのはどの車なのでしょうか!?」
今までにない、超のつくハイペース。最初のS字カーブを越え、直角カーブを難なくとクリアしていく・・・中盤の連続直角カーブはいかに減速せずにクリアできるかが焦点となる。当然、どの車も慎重に、しかし、速いスピードでこの難所をクリアしていく。
2周目。トップはブラマリ。アンティークは現在10番手。目の前にケーニヒとナイトがいる。後ろにいるムーンを警戒しつつ、最初のS字カーブをクリアしていく。ここでは、ケーニヒが一枚上かもしれない・・・そう思ったアンティークはケーニヒを徹底マークする作戦に出る。
2回目の連続直角カーブに出る・・・ここでアニアが痛恨のミスを犯す。
アニア「しまった!こうなると、仕方ないですわね。コーナリングアベレージ!」
アンティーク「ミスの分を特技で補うのか・・・だが、それでどこまで持つか・・・。」
アンティークはミスをすることもなくクリアしていく。当然、他の車もミスはしなかった。
3周目。トップは依然としてブラマリ。しかし、
マッド「ここから、ペースアップ!」
ブルペガ「俺も行くぜ!」
エスペランザ「ならば、俺も行くぞ!」
コード「僕もペースアップ!」
ペガース「俺もそろそろ上がっていくか!」
ブラマリ「このまま主導権を奪わせはしない!」
アニア「私もペースアップですわ!」
マーブル「僕もペースアップするよ!」
しかし、
ケーニヒ「まだ・・・まだ早いはずだ・・・。」
アンティーク「俺は最後の末脚にかける!」
ムーン「当然、俺もだ!」
ナイト「(ケーニヒが気になる・・・少し前に出つつ、仕掛けないように・・・。)」
アナウンサー「さあ!各車が動いた!この展開が最後にどう影響するのか!?」
連続直角カーブを各車がクリアしていく・・・そのままレースは4周目へと移る・・・。後半へ続く。

   3周目終了地点での順位
  1位 ブラックマリア
  2位 マッドスペシャル
  3位 ブルー・ペガサス
  4位 ホワイトマーブル
  5位 エスペランザ
  6位 ペガース
  7位 アンティークコード
  8位 アニア
  9位 ナイトブルー
 10位 ケーニヒ
 11位 アンティークライド
 12位 ムーンライトロード

第69話 HGPファイナルステージ、チョロQシティ・・・信念を賭けた戦い(後編)

4周目。トップから8番手がわずか1秒差の圏内という大接戦の中、後ろに控えた4台。ナイトは後ろの3台を注意しながらの9番手。ケーニヒは後ろも前も関係なく、ただじっと、勝てる仕掛けのタイミングを見計らっている10番手。アンティークはそのケーニヒを徹底マークする11番手。ムーンはアンティークをマークする最後方待機。
ナイト「(このコースの特徴は分かってる・・・仕掛けのタイミングは、あそこしかない。)」
ケーニヒ「(前半で異様なハイラップを刻んできている前の集団は、最後はバテてくるはず。その瞬間に抜き去るためには、あそこしかないはず。)」
アンティーク「(何が何でも、ケーニヒをマークして最後に差し切る。そのために、彼の動きを見逃さない!)」
ムーン「(アンティークをマークすると決めたんだ。アンティークが動けば、俺だって動く!)」
4度目の連続直角カーブ。前の集団にミスする車はいない。後方の4台もこれをクリアした。その時、
ナイト「ここから、追撃開始だ!」
ケーニヒ「このタイミング以外に、差し切れるタイミングなどないはずだ!」
アンティーク「よし、俺も動くぞ!」
ムーン「アンティークが動いた!なら俺も行くぞ!」
アナウンサー「さあ!後方の4台も動きました!前の集団は、ついにファイナルラップの5周目へと入っていきます!」

5周目。トップを走るブラマリ。しかし、マッドもすぐ後ろまで迫っていた。
マッド「ブラマリ、お前には負けない!」
ブラマリ「何を!私に勝てるとでも思っているのか?」
ブルペガ「俺を忘れるなよ!」
エスペランザ「強襲だ!」
ペガース「経済コースからうまく抜ける!」
アニア「そう簡単には行かせませんわ!」
コード「僕だって!」
マーブル「僕も外から差す!」
さらにこの争いに、
ナイト「追いついてきたぞ!」
ケーニヒ「これなら、十分に勝てる可能性は高い!」
アンティーク「そう簡単には行かせるかよ、ケーニヒ!」
ムーン「俺だって、アンティーク達に簡単には負けないぜ!」
アナウンサー「さあ!団子状態の12台が、あの難所、連続直角カーブへと入っていきます!ここが勝敗の鍵を握るのか!?」
ブラマリはここで、特技、ワールドスピードを使おうとする。が、
マッド「そんなものはお見通しだ!MADブロック!」
ブラマリ「何!?だが、まだまだチャンスはある!」
ブルペガ「くっ・・・これ以上は伸びないぜ!」
エスペランザ「俺もだ・・・ここまでか・・・!」
ペガース「終われるわけがない!スピードグリップ!」
アニア「私だって!」
ナイト「ここだからこそ!超高速ドリフト!」
ケーニヒ「ウェルドリフト!負けはしない!」
アンティーク「俺だってそうだ!スウィングドリフト!」
ムーン「アンティークには絶対に負けるものか!スパークドリフト!」
各車の信念が激しくぶつかり合うように、各車のボディが激しくぶつかり合う!そして、連続直角カーブを通過。1位で抜け出てきたのは・・・、
アナウンサー「大混戦の中、マッドスペシャル選手、ケーニヒ選手、ナイトブルー選手が抜け出てきたか!・・・いや、ブラックマリア選手やホワイトマーブル選手、アンティークライド選手もまだこれに喰らいついている!その後にムーンライトロード選手などがいますが、やや離されたか!」
ムーン「くっ・・・ここまでか・・・!」
アナウンサー「さあ!最後は力勝負!・・・ケーニヒ選手が抜け出した!その後ろからアンティークライド選手!この2台の一騎打ちか!?さあ、どっちだ、どっちだ!!??」
ケーニヒ「私の勝ちだ!」
アンティーク「いいや、俺の勝ちだ!」
アナウンサー「ほとんど並んでゴール!・・・最後は、ケーニヒ選手が振り切ったか!?」
アンティーク「くそー!届かなかったか!」
ケーニヒ「これで、最終結果がどうなったか・・・。」

 全着順と順位は以下の通り。
   リザルト
  1位 ケーニヒ      +12P
  2位 アンティークライド +11P
  3位 ナイトブルー    +10P
  4位 マッドスペシャル   +9P
  5位 ブラックマリア    +8P
  6位 ホワイトマーブル   +7P
  7位 ムーンライトロード  +6P
  8位 アンティークコード  +5P
  9位 ブルー・ペガサス   +4P
 10位 ペガース       +3P
 11位 エスペランザ     +2P
 12位 アニア        +1P

   ランキング(最終結果)
  1位 ケーニヒ      89P スペシャルグランプリ出走権獲得
     アンティークライド 89P        〃
  3位 ナイトブルー    87P        〃
  4位 マッドスペシャル  86P        〃
  5位 ホワイトマーブル  85P        〃
  6位 ブラックマリア   84P        〃
――――――――――――――――――――――――――――――
  7位 ムーンライトロード 78P
     ペガース      78P
  9位 アンティークコード 76P
     ブルー・ペガサス  76P
 11位 エスペランザ    69P
 12位 アニア       38P

ケーニヒ「1位同点!ということは・・・。」
アンティーク「最後のサドンデスバトルだ・・・。」
アナウンサー「総合ランキング1位が2台!となると、サドンデスバトルが行われます!舞台は・・・アップダウン峠です!」
ムーン「くそ~、仕方ないな。だが、最後のサドンデスバトルは見ものだな!」
コード「これは見る他ないね!」
ペガース「優勝は、果たして、どちらの手に!?」
エスペランザ「第70話で、ハイパーグランプリ編も最終回!」
ナイト「戦いの果てに待ち受けるものは、勝利か、それとも敗北か。」
マッド「どちらにしても、スペシャルグランプリ以前としては、最高の盛り上がりとなりそうだ!」
マーブル「明日の午後5時からだそうだよ。」
ケーニヒ「アンティーク・・・久々のマッチレースとなりそうだな。」
アンティーク「ああ・・・負けないからな!」

第70話 ハイパーグランプリ最終回はサドンデスバトル、アップダウン峠戦!

アンティーク「ついに来たか、この時が・・・。」
ケーニヒ「ああ・・・ハイパーグランプリの本当のラストバトルだ。」

アナウンサー「ただ今の時刻は、午後4時55分となっております。今日は、ついにハイパーグランプリの最終日となっております。サドンデス戦にまで持ち込まれた優勝争い、勝利を収めるのは、ワールドグランプリ、スーパーグランプリに続くグランプリ3連覇がかかるアンティークライド選手か、ハイパーグランプリの常連車とも言われたケーニヒ選手の、悲願のハイパーグランプリ制覇か、いずれにしても、ハイパーグランプリは初優勝となります。」
舞台はアップダウン峠。このコースを5周すること自体がすごく過酷なことではあるが、優勝決定戦の舞台にはもってこいと言える。ちなみに、データから考えると、直線のスピードはほとんど互角。コーナリングではケーニヒがわずかに上手だ。しかし、立ち上がりはアンティークが早い。このコースはコーナーが多い以上、コーナーの上手さとコーナーからの立ち上がりが勝敗の鍵を握る。
とはいえ、データが必ずしも結果に反映されることは、まずないと言っていい。このクラスのレベルなら、データなどは無縁とは言い切れないものの、あまり影響はないと思ってもいいぐらいである。さて・・・
ナイト「解説が長い!さっさと始めるぞ!」
アナウンサー「さあ!いよいよ始まります!勝つのはアンティークライド選手か、それともケーニヒ選手か!」
レーススタート!スタートはアンティークが少し早いスタートを切る。
アンティーク「まずは先手ゲットだ!」
ケーニヒ「くっ・・・だが、少しの差なら!」
最初の連続ジャンプゾーン。これぐらいなら、2台にとってはお手の物である。ミスすることなく、難なくと通過する。
次は落ちる危険性のあるカーブの連続。しかし、2台ともものすごいスピードで通過していく。その速度、200km/h(キロメートル毎時)を超えている。
ナイト「あの2台・・・まさに1周目から完全に本気モードだ。」
コード「兄さんは最後まで持つかな?」
ブラマリ「ケーニヒこそ、最後までスタミナが持つのか?」
1周目は両者、ミスすることなく通過する・・・そのタイムは1分を余裕で切っている。
ブルペガ「1周目から1分を切ってくるとは・・・ものすごいハイペースだな・・・。」
ムーン「いや・・・俺でも1分は切れるぞ・・・1周だけの場合だが。」
マーブル「ハイパーグランプリ下位集団の君がよく言うよ。」

2周目もほとんどミスなし。タイムもむしろ、縮まっている。
アニア「あのペース・・・スペシャルグランプリでも通用すると思いますわ。」
ブルペガ「分からないな。だが、こいつはすごい競り合いになっているぜ。」

3周目。2台の差は35メートル。ここで、ケーニヒが先に動いた。
ケーニヒ「(よし、早めにアンティークを抜いて、押し切る!)」
アナウンサー「おっと!ケーニヒ選手が先に動いた!アンティークライド選手の左側からだ!」
アンティーク「(早くも動いたか・・・だが、この先に待つ辛さを考慮すると、まだ辛抱が必要だな・・・。)」
アナウンサー「アンティークライド選手、まだ動きません!ギリギリまで末脚をためる作戦でしょうか!?」
エスペランザ「アンティークらしい作戦だ。だが、それでケーニヒに届くか・・・。」
ペガース「そうだね。でも、勝負は最後まで分からないよ。」
3周目のラップはケーニヒが54秒85。すでにワールドレコードを更新している。アンティークは56秒台前半で通過した。

4周目。ケーニヒとアンティークとの差は100メートルほどに広がった。だが、それでもアンティークは動かない。ジャンプゾーンを越え、落下の危険性のあるカーブを越え、2つ目の橋の所のジャンプゾーンを越えても、アンティークはまだ動かない。ケーニヒとの差はすでに200メートルほどになろうとしていた。その時、
アンティーク「ここから、追撃開始だ!」
アナウンサー「ついに、アンティークライド選手が動いた!4周目の橋の地点を越えて、連続カーブを越えた後の広いコースのところ!ケーニヒ選手をとらえることが出来るのか!?」
ケーニヒ「アンティークが動いた!だが、最後に笑うのは私だ!」
4周目のラップは、ケーニヒが54秒94、アンティークが55秒62。

ファイナルラップの5周目。ついにハイパーグランプリの新たなる歴史が刻まれようとしている。
アナウンサー「ついにサドンデスバトルもファイナルラップの5周目に入りました!先頭はケーニヒ選手。アンティークライド選手とのリードは、約200メートルですが、守りきれるのでしょうか!?」
本気になったケーニヒの速度は、とてつもなく速い。落下の危険性のあるカーブを、何と240km/h。しかし、アンティークはそれを上回るスピードで通過していた。その速度、何と255km/h!ここで、ダウンヒルから橋のコースへと入る。ケーニヒはアンティークとのリードを考慮し、ギリギリでぶつからずに通過できる速度で通過。これに対し、アンティークはかなり減速をして通過しようとする。だが、
アンティーク「ここから、真の力勝負だ!トップバーストにソニックバースト!さらに、フラッシュバースト!!!」
アナウンサー「ついにアンティークライド選手の特技が発動!ケーニヒ選手に追いつくのか!?」
ケーニヒ「ならば私も!フライトスパート!」
広い緩やかなカーブのあるコース。ケーニヒの速度は325km/h。だが、アンティークは何と自身のMAX、346km/hを上回る348km/h!ケーニヒとの差は、ついに50メートルにまで詰まった。
アナウンサー「アンティークライド選手が、ケーニヒ選手に迫る、迫る、迫る!!!」
ケーニヒ「最後の一伸び!レーシングスパート!!!!!」
アンティーク「優勝は俺の物だ!奥義、ドリームバースト!!!!!」
アンティークがケーニヒに並ぶ、その時、コース幅が狭くなった。2台が並んで通るのは、かなりきわどいスペースである。驚異的な速度による白煙のため、アナウンサーにも、アンティーク達の姿が見えない。と、
アナウンサー「あ!見えました!1位になっているのは・・・アンティークライド選手だ!ケーニヒ選手が直後にいるが、わずかにアンティークライド選手がリードしている!!!」
ケーニヒ「くっ・・・最後の競り合いで負けるとは!」
アンティーク「よっしゃ!!!ハイパーグランプリも制覇だぜ!!!」
アナウンサー「今、アンティークライド選手が1位でゴール!!!!!優勝は、アンティークライド選手です!!!ファイナルラップのタイムは、何と53秒98!ワールドレコードを更新です!」
ケーニヒ「うむ・・・さすがだった、アンティーク。優勝、おめでとう。」
アンティーク「ありがとう。いいレースだったぜ、お疲れ様。」

主催者「では、これより、表彰式を行います。
    まずは第3位、ナイトブルー選手!」
ナイト「この舞台で3位を取れるとはな・・・まさに奇跡だ。」
主催者「続いて第2位、ケーニヒ選手!」
ケーニヒ「これがレースの世界。勝ちもあれば、負けもつき物だな。」
主催者「そして、栄えあるハイパーグランプリの総合優勝、アンティークライド選手!!」
アンティーク「最高だな。この舞台でも優勝できるなんて。」
主催者「なお、1~6位の車には、スペシャルグランプリへの出走権を与えます。」
ブラマリ「ついに来たか・・・スペシャルグランプリ。」
マーブル「ここまで来た以上、頑張らなきゃね。」
マッド「俺の力がどこまで通用するか、試してみようじゃないか。」
ナイト「今回の惜敗を、スペシャルグランプリで返す!」
ケーニヒ「アンティーク、スペシャルグランプリではこの借りを返すよ。」
アンティーク「俺だって、そう簡単には勝たせないさ。」
主催者「それでは、残念な成績に終わった皆さんも、スペシャルグランプリの出走権を獲得した皆さんも、お疲れ様でした。」
主催者「スペシャルグランプリは、2週間後に開会式が行われます。詳しい内容は、後日連絡いたします。」

   最終結果
  1位 アンティークライド
  2位 ケーニヒ
  3位 ナイトブルー
  4位 マッドスペシャル
  5位 ホワイトマーブル
  6位 ブラックマリア
  7位 ムーンライトロード
     ペガース
  9位 アンティークコード
     ブルー・ペガサス
 11位 エスペランザ
 12位 アニア

 あとがき
アンティーク「ついにハイパーグランプリも終了!またしても、俺の優勝だ!」
ナイト「俺も最後は3位まで上がってこれたか・・・スペシャルグランプリではどれぐらいまで・・・。」
マーブル「聞いた話によると、ものすごく強いメンバーみたいだよ。」
マッド「64話に出ていたベイオネットとスペックライト、さらにはヴィクトアールやドラゴーネ、テンペストなど・・・。」
ケーニヒ「ノラヒカも出るそうだからな。」
ブラマリ「一体、どんなレースとなるだろうか・・・。」
アンティーク「とりあえず皆さん、お疲れ様。次はスペシャルグランプリまでの2週間。2週間後が待ち遠しいぜ。」


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