2004年07月12日
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本当にお久し振りです。またさぼってしまいました。

ところで…今回から、日記を小説に変更しようと思います。
これまた不定期な更新になると思いますが、まあ末永く見てやって下さい。

それでは…始めましょうか。


~~~~~~~~~



私は、おとなしい子供だった。
待てと言われれば、1時間でも2時間でも、親が帰ってくるのを待ちつづけていた。
思えば、あの頃から私の性格は何も変っていないような気がする。
誰かに何かを言われるのを待っている。


父親は、あまり仕事が好きではなかったようだ。
いや、働く事が好きではなかった、と言うべきだろう。
母は、そんな父をいつもしかっていた。
父は、何も言わなかった。
おそらく、父は私と同じだったのだろう。
誰よりも、自分の事をわかっているのは自分なのだから。
自分がいかに小さく、卑下されるべき人間か知っていたから。
だから、父は何も言わなかった。
反抗することも、暴力を振るう事もまったくなかった。
そんな父を、今は可哀想に思う。
どこにいるとも知れない父親を、哀れんでいる私の想いこそが、周りから哀れみの視線をあびている原因なのだが。


この時代には珍しく、藁葺き屋根という古風な造りをしていた。
私はそこで育てられた。
何の疑問も持たず、何の後悔も抱かず。
今の私とは比べ物にならないくらい、純粋だった。





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最終更新日  2004年07月12日 21時29分02秒
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