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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2007.09.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
(昨日からの続きです)

あと、大切なことは、子どもの表現は“丸ごと”だということです。

言葉だけでなく、声も、表情も、身振りも、何もかも含めて全身で表現しようとするのです。
そこには嘘がありません。
それが見ていて美しいのです。
9才までの子どもはおおむねこのように芸術的に生きています。

だから子どもたちは絵を描いたり、歌ったり踊ったり、劇遊びをしたりというような芸術的な活動が大好きなんです。それが子どものそのままの自然な状態だからです。

そしてまた、勉強でも何でも、芸術的な形で与えてあげるとすぐに吸収することが出来るのです。

でも、大人になると言葉だけで済まそうとしてしまいます。

それが、大人の心とからだの様々なトラブルの原因になっているのです。

そして、子どもの時には自然に出来ていたはずなのに、大人になると芸術的な活動に困難を感じるようになるのはそのためです。
そして、大人の人に絵を描いてもらうとほとんどの人が見せかけだけを繕った表面的な絵ばかりを描こうとします。

10才から思春期を過ぎるまではその過渡的な状態の中で苦しんでいます。

でも、その大人でも、芸術の世界ではいつでも丸ごとです。
いつでも真剣勝負です。
丸ごとでないと芸術の世界に入ることが出来ないのです。
そして、丸ごとの世界では人は嘘をつくことが出来ないのです。

役者は舞台の上で丸ごとその役になります。
それが出来ないのは“大根役者”です。

舞踏家はまるごと自分のイメージと同化します。



丸ごとの表現だから、それを見る人、聞く人の丸ごとに響くのです。

それが芸術の力であり、また同時に子どもの力でもあるのです。
私が“芸術的である”と言う時はそういうことです。
だから子どもは丸ごと芸術的な存在なんです。
そして、芸術家は子どもに似ているのです。

でも、子どもは芸術的な絵を描くことは出来ても、芸術としての絵を描くことはできません。

なぜなら、芸術にとっては本質的な“精神の働き”がまだ目覚めていないからです。

大人になると心とからだがバラバラになります。
だから、ポーカーフェイスが出来るようになります。(子どもには出来ません。)
これはしょうがないのです。人間はそういう風に出来ているのですから。
だからこそ人間は大人になると、頭の働きと心やからだの働きを分離することが出来るのです。この分離が出来ないと社会生活を営むことが出来ません。

でも、これらが分離したままだと心とからだの病気になります。
そして、それらを再統合してくれるのが精神の働きに基づく芸術の働きなんです。
芸術は人類の心とからだの薬として働くのです。
だからこそ、現代でも様々な芸術的な活動が癒しの方法として使われているのです。

(農作業など、からだを使った活動にもそのような働きはありますが、誰にでも出来ることではありません。また芸術が生まれた欧米は農耕文化ではありませんでした。だから、癒しの方法として“芸術”という形が必要だったのではないでしょうか。)

そして、分離した心とからだをつなぐものとして“精神”が目覚めるのです。
子どもは最初から丸ごとなので、この精神の働きは必要ありません。
でも、思春期頃から頭と心とからだの分離が始まるので、その頃から精神が目覚め始めるのです。

そして、芸術がその精神の目覚めを助けてくれるのです。

ですから、芸術はこの時期にもっとも必要になるのではないかと思います。
それ以前の子どもは、芸術的な遊びで済んでいたのですが、思春期が近づくと“芸術”が必要になるのです。芸術がバラバラになりそうな頭と心とからだを一つにつなぎ止めてくれるのです。

そして、実際にその頃になると芸術というものが理解できるようになります。
我が家の子どもたちもその頃になるとクラッシックを聴き始めました。

無心に絵を描いている時、無心に踊っている時、心とからだは統合されるのです。






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Last updated  2007.09.19 16:02:10
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