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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2007.11.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
人間は考える動物です。

では、人間は犬や猿と同じなのかというとそんなことはありませんよね。
犬も猿も人間のようには考えませんからね。
じゃあ、人間と犬や猿との考え方の違いは何だかお分かりになりますか。

それが“ものがたりの有無”なんです。
確かに、犬や猿も考えます。でも、犬や猿は人間のように“ものがたり”を作ることはありません。
犬や猿にとって“考える”ということは、ただ目的を遂行するための道具に過ぎないからです。
でも、人間は“ものがたり”を作るために、また、“ものがたり”を求めて考えるのです。

そして、時にはただ“ものがたり”を楽しむためにだけ考えたりします。
そして、その“ものがたり”が文明と文化を生みだしてきたのです。
およそ、芸術と呼ばれるものはその類です。
ですから、何の役にも立ちません。

芸術だけではありません。
物のものがたりを紡ぐのが科学であり、感情のものがたりを紡ぐのが文学であり、感覚のものがたりを紡ぐのが詩であり、意味のものがたりを紡ぐのが哲学であり、生命のものがたりを紡ぐのが宗教なんです。
そもそも、人間にとっては“考える”ということがそのまま“ものがたり”を紡ぐことなんです。

だから、10人が考えれば10通りの答えが出てくるのです。そこが機械とは違うところです。
そして、学者、芸術家、哲学者、文学者と呼ばれる人たちはそのものがたりを紡ぐのが大好きな人たちです。

このように、人間は“ものがたりの世界”に生きる生き物なんです。
それは、養老さん的に言うと“脳の中の世界に生きる動物”だということです。

でも、犬や猿は決して自然から離れるようなことは考えません。
彼らは自然に適合するために考えるのです。彼らにとっては自然こそが“ものがたり”だからです。

人間でも、2,3才頃(反抗期)までの状態がこれに近いような気がします。
でも、この時期を境に、自然に対して反応するような形で心の中に“ものがたり”が目覚め始めます。そうして、次第にものがたりの世界の中に生きるようになるのです。それがファンタジーなのです。心の目覚めです。

この時期の反抗期は母親からの自立だけでなく、同時に自然からの自立の意味もあるのです。幼児にとっては母親と自然は一つながりのものだからです。

(ですから、それを大人の価値観だけで一方的に止めてはいけないのです。)

でも、この時期に正しい“ものがたり”の世界に導いてあげないと子どもは自分だけの“ものがたり”の中に閉じこめられて出てくることが出来なくなってしまいます。
簡単に言うと、それが“自己中心的なものがたり”なのです。
そして、今人類全体がその“自己中心的なものがたり”の世界の中に閉じこめられてしまっています。

人間は、心の中のものがたりに従って生きていますが、でも、現実にはそれも“自然という大きなものがたり”の中で起きている小さなものがたりに過ぎないのです。
つまり、人間の心の中のものがたりは自然という大きなものがたりの中の劇中劇なんです。
でも、人間は劇中劇であることを忘れてしまって大きなものがたりを壊し始めています。
でも、自然という大きなものがたりが崩れたら、その中の劇中劇としての人間のものがたりも崩れます。

反抗期に子どもは自然と対立します。
虫を殺すのも、虫を怖がるのも、ドロンコを嫌がるのもその現れです。

でも、その中で遊ぶことを通して、自然のものがたりを聞くことで、また子どもは自然のものがたりの一部として戻ってくることが出来るのです。
母親に反抗していた子どもが、やがてまた母親に甘え始めるようなものです。

母親に反抗し始めた時に、“この子は私が嫌いなんだ”と子どもを自分から遠ざけてしまったら、二度と関係は元に戻らないのです。
反抗期はその相手との新しいものがたりの始まりのきっかけなんです。ですから、大人が新しいものがたりに導いてあげる必要があるのです。

昔から、自然の中で遊ぶこと、また昔話、民話、メルヘン、そして宗教と呼ばれるものがその役割を果たしていたのです。





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Last updated  2007.11.21 05:05:40
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